表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖バスティアーナ学園で執事を目指してたら、神々の戦いに巻き込まれました ~メイドとともに、神を救う~  作者: 東束 末木


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/75

そして格闘が始まった

全国大会『格闘』競技。

執事三人とメイド三人の合計六人でチームを構成し、うち一名が(あるじ)役となり、ちょんまげのカツラを被る。

そしてそのチーム同士が敵チームの主の被るちょんまげを奪い合うという、史実に基づく由緒ある競技である。


各県で参加するのは甲と乙の二チームずつ。

お互いの甲チーム対甲チームと乙チーム対乙チームの二試合を行い二勝すれば決着、一勝ずつの場合は二チーム混合による三試合目が行われる。

勝ったチームには勝利ポイントとして十ポイント、素晴らしい技には技術ポイントとして一~二ポイントが与えられ、その合計ポイントで勝敗を争う。

場合によっては勝負に勝ってポイントで負ける事があり得るこの競技は、勝ち方もまた重要となるのだ。


ノア達静岡代表のチーム編成は以下の通り。

甲チーム

一年生、水月(みづき)ノア(主)

一年生、恋沫(こいあわ)アイコ(メイド)

二年生、牧島(まきしま)マキ(執事)

二年生、絵巻(えまき)ミヤ(メイド)

三年生、真名(まな)アイリ(執事)

三年生、揮雅(ふらが)リア(メイド)


乙チーム

一年生、桐野(きりの)アズミ(主)

一年生、火輪(ひのわ)アカリ(執事)

二年生、甲野(こうの)サザナミ(執事)

二年生、打出(うちいで)マレット(メイド)

三年生、苑森(そのもり)ミサ(執事)

三年生、鴨百(かももも)モモカ(メイド)



そしてこちらが福岡代表のチーム編成。

甲チーム

三年生、薬院(やくいん)サクラ(主)

一年生、折尾(おりお)リオ(執事)

一年生、香椎(かしい)ミヤ(メイド)

二年生、中間(なかま)チクホ(執事)

二年生、遠賀野(おんがの)カエデ(メイド)

三年生、名島(なじま)チハヤ(執事)


乙チーム

三年生、五条(ごじょう)コウメ(主)

一年生、二日市(ふつかいち)フツカ(執事)

一年生、箱崎(はこざき)シヅカ(メイド)

二年生、三が森(さんがもり)アノオ(執事)

二年生、今池(いまいけ)マイナ(メイド)

三年生、唐乃(とうの)ハル(執事)



『さあ始まりました、二回戦進出を賭けた『格闘』競技! まずはそれぞれの選手構成を見ていきましょう。一年から三年までの選手を満遍なく入れているのは大会のレギュレーション通りとして、その中で注視すべき点などありますか?』


『そうですね、主についてですが、静岡は甲乙どちらのチームも一年生、一方の福岡は三年生としています』

『確かにそうですね』


『また、福岡が甲乙どちらもメイドとしたのに対し、静岡は甲チームの主に執事を選んでいます』

『なるほどお、そこからどのような事が読み取れるのでしょうか』


『どちらも戦略あっての選択ですから、あくまで一般論からの推測となりますが、まず福岡についてはセオリー通りに攻撃力の勝る執事を攻め手に三人用意した攻撃型布陣、そして主に経験豊富な三年生を置く事で防御面にも配慮したのではないでしょうか』

『ほうほう、それは実に強力な布陣といえますね』


『片や静岡ですが、各チームに明確な色付けをしてきたと考えられます』

『ほほう、色付けですか』

『甲チームは主に一年生執事を用意しました。これはつまり、主に攻撃力もしくは防御力を求め、チーム一丸となって守りを固める防御型の布陣といえるでしょう』

『はい』


『そして乙チームですが、こちらは主が一年生メイドとなっています。これはつまり、攻撃力にすべてのリソースを振った、超攻撃型布陣と言えるでしょう』

『成程、そう聞くと確かにチームの特色が全く違うと言えますね。主を執事とするかメイドとするかでこれ程の大きな違いが出るとは思いませんでした。……と、さあどちらも甲チームの準備が整ったようです。そして開始のブザーが――』

ビーーーーーッ

『今鳴りました。試合開始です!』


「メイド魔法【元気苺】ですわ」

開始と同時にリアが発動したメイド魔法、これは――


ノア達一人一人の頭の上に、真っ赤な苺が現れ、そして弾ける。

そのピンクの輝きが身体の中に吸い込まれていくと、ノア達の身体に変化が訪れた。

「おーー、来た来たーー」

「パワーましましなんだよー」

「いと強し、いと速し、いとをかし」


『おおっといきなり飛び出しました! これは昨年の大会で静岡の大躍進の影の原動力となった【応援@保育】だあ!』

『いえちょっと待って下さい過多味(かたみ)さん。今彼女は【応援@保育】ではなく、確か【元気苺】と言っていました。魔法名の後ろに『@分類』を付けていない、つまりこの魔法は、彼女のオリジナルメイド魔法なんです!』

『なな、なーんとお! 解説の奈留橋(なるはし)さんから衝撃情報が飛び出したぞー! 揮雅(ふらが)選手、学生にしてオリジナルメイド魔法を開発していたーーっ!!』


どよめくスタンド、そしてテレビの前のお茶の間。

だがそれもその筈、学生のうちにオリジナルメイド魔法を開発出来る者など、数える程しかいないからだ。


そもそもメイド魔法とは家事の魔法である。

その為メイド魔法は家事ごとに分類され体系化されており、学校ではその体系化された魔法を学び習得する。

そして卒業後、仕事の中で自分に合うよう組み合わせたり最適化したりと工夫を重ね、自分に合ったオリジナルメイド魔法としてゆくのだ。



リアの開発した【元気苺】は、掛けた相手にいつも以上の力を発揮させる【応援@保育】と疲れを癒す【休息@保育】を組み合わせ、更にリアのイメージする元気の象徴である苺を加える事で効果を倍増させた、リアオリジナルのメイド魔法。

恐るべき事にその効果は人間だけではなく、その契約精霊にまで及ぶ。

それによって何が起きるのかと言うと――


「あーもん、いっくよー」

クマの力を手に入れた少女の無双である。


素早い動きで折尾(おりお)リオが放った蹴りを受け止め、片手でその足首を掴みや頭上で振り回し、その後方に控える香椎(かしい)ミヤ目掛けて投げ付けた。


その隙にノアのちょんまげを狙った名島(なじま)チハヤを、

「リリー、【モード蔦千手(つたせんじゅ)】」

アイリの鞭が跳ね返す。そして弾き飛ばされた先にいたのは目を光らせたマキ。

「つっかまーえたっ」


「うわわわぁっ」

倒れたミヤの両足首を掴んでジャイアントスイング、そして敵チームの主であるちょんまげを被った薬院(やくいん)サクラ達に勢いよく投げ付け、敵陣を崩壊させる。

そして倒れ伏した敵チームに一人乗り込み、サクラのちょんまげを奪い取った。


『 …………しっ、試合終了! 甲チームの戦いは、静岡チームの勝利です!』

唖然としていた実況の過多味だったが、ハッと我に返り実況を再開した。

『失礼しました。あまりの展開に(わたくし)言葉を失ってしまいました。今の試合、振り返ってみてどうでしたか、奈留橋さん?』


同じようにあっけにとられていた解説のハルナであったが、そこはプロの解説者、自分の目に写ったこの試合をかみ砕いて説明する。

『はい、あれは揮雅選手の【元気苺】で勝負が決まっていましたね』

『と、いいますと?』

『今の牧島選手のパワーですが、おそらく彼女本来の力ではなく、増幅されたものかと思います』


『増幅……まさか【応援@保育】と同系統の?』

『ええ、推測ですが【元気苺】の元となったのが彼女の得意としていた【応援@保育】で、その効力は牧島選手だけでなく契約精霊にまで影響し、それによる相乗効果によって生み出されたのがあのパワー、という事ではないかと思います』

『なんと……』


再び声を失う実況席の二人。

そして試合会場では――

「出番なかったよー」

「まあそれも計画通りなんじゃない?」

「帰らん」


ほとんど二人で勝負をつけてしまったリアとマキが笑顔で、それ以外のメンバーが勝利の実感の欠片もない表情で乙チームと交代するのだった。

評価、ブックマーク、感想などが『頑張ろう』って気持ちの原動力です。

ぜひぜひ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ