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プロローグ
死神流。
それはとある世界における剣術の流派の一つであり、
その世界においてその流派を知らない者はいないであろう。
だがその知名度の割には使用者の少ない流派であった。
では何故使用者が少ないのか。
その理由は一つ。
扱いにくいからである。
その流派は一撃必殺がモットーであり、
二太刀目は存在しない。
よって、一太刀目を外したら終わりである。
防御されても終わり。
躱されても終わり。
スピード負けしても終わりである。
なぜこのような流派を作ったのか。
『死神』という男が作った流派であるということは知っているだろう。
だがその理由は誰も知らない。
これはとある世界における『死神』と呼ばれた男の物語である。