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診断メーカー

よく入れ替わってます!なんでって相手のことが好きすぎて。

診断メーカーのお題で書きました!

私、メリナ・スミス侯爵令嬢は国王主催の冬の夜会会場にて困っていた。


「エクス様は、スミス様に騙されているんです。」

「そうなのかい。」

「そうです!」

と目の前で確か、今年社交界にデビューしたばかりのまだ幼さがある令嬢、

男爵令嬢が私に上目遣いをしながら言っている。正直言ってめんどくさくなってきた。野次馬たちもこう4回も続いているなら、そろそろ見飽きても良いはずなのに、飽きずにチラチラとこちらを見る。


そう、この状況になるのは実に4回目である。

婚約者エクス・チェンジ公爵家次期当主、

あなたが、私に騙されていると男爵令嬢がいってくるのは


「だから私が、」


「エクス様!」

男爵令嬢が言いかけたとき、あなたが後ろ来てから右腕に手を絡める。そういうあまり私らしくないことは、あまりしないでって言っているのに、もう、あなたは直そうとしないのね。

「あらあら、男爵位の子ネズミさん。私の婚約者であるエクス様に何を吹き込んでいるんですか。」


とまあ、私に腕を絡ませて私らしくない物語にでてくるような悪役令嬢ぽい口調で令嬢に話しかける。


話しかけられた男爵令嬢は、あなたをキッと睨みつけると私に「必ずあなたを助けだしますから。」と熱っぽい目で私を見た後、私から離れてどこかへ行く。

カワリー男爵令嬢がどこかへ行った後周りにいた野次馬たちも散ったのを見計らってあなたは何かに勝ち誇ったように笑いかけ、

「エクス様、私疲れましたわ。パーティ会場を抜けましょう。」

と言ってあなたは私をパーティ会場から連れ出す。







パーティ会場を抜け、しばらく歩いて人気のない裏庭まで来ると念のため人避けの魔術をかけた後、メリナちゃんは俺に言った。

「ねー、なんで今日もあんな感じにしたのかしら、エクスくん。」

ニコニコとメリナちゃんは俺の顔で口元は笑っているけど、目が笑ってない。

「わーなんで怒っているのメリナちゃん。」

「毎回言っているけど、今年デビューしたばかりのご令嬢になんてこと言うの。あれで夜会来なくなったら、噂になるの私の方なんだからね。」

「そんな、カリカリしないで。」

「するわよ、もう。」

と言ってそっぽを向いた。


俺とメリナちゃんは変わったことができる。

それはお互いの身体を入れ替えることだ。

小さい時、まだ幼馴染だった時に遊んでいたらお互いの頭をぶつけてしまって以来なぜかできるようになってしまった不思議な現象だ。とメリナちゃんはそう言っている。でも本当はそうじゃない。


俺の父は国王の従兄弟で、その息子である俺は例に漏れず、王族である。この国の王族にはある秘密の力がある。


人と身体を入れ替えられること


なんでそんな変わった力があるのかというと初代の王がとても魔術に優れた人で、それでいて変態だった。

なんでも、大好きなお妃さまの体になってみたいというわけのわからない願望で突き進み 、王さましか使えないおまじないを作り上げてしまった。

そしてそのおまじないをお妃さまにかけて入れ替わり、入れ替わったことに驚いているお妃さまに


「あなたは私の運命の人だから入れ替われたんですよ。」


となんともわけのわからないことを言ったらしい。ここで話が終わっていたら、 変態王とそれに巻き込まれたお妃さまがいただけで、さして印象に残らないだろう。しかしながらその話は終わらず今日まで続く。

作り上げた王しか使えないと思われていたそのまじないは王の血を引いている男が使えるようになったのだ。

以来、その血は歴史の裏で様々な事件を起こして、この現代の俺に流れている。

そして俺もメリナちゃんに一目惚れした時、俺にもその血が流れていることを自覚せざるを得なかった。そう俺自身も変態なのだと。

まだ子どもだったメリナちゃんに同じ子どもだった俺は無意識のうちにそのおまじないを使って騒ぎ起こした後、何やかんやあって、一年前の16歳の時にやっとメリナちゃんと婚約を結んで、現在嬉し恥ずかしいの婚約期間なんだ。


「やっぱりあの男爵令嬢の噂は本当みたいね。」

「噂?あー、あの男爵令嬢が婚約済みの人を別れさせて男の方を取ろうってやつ?」

と俺が聞くと、

「そうなのよ。この前、お茶会に参加して聞いたんだけど、他の皆さんも、あの男爵令嬢に言われたみたい。あの男爵令嬢、さっきの私と同じように騙しているって言うこともあれば、この前みたいに容姿、家柄が釣り合っていないとかいろいろ言ってくるみたいで、

4回もこう言われると、、なんかねやっぱりいろいろくるわ。」

と少し顔を伏せて自信無いような小さな声で言った。

「なに言ってるの、メリナちゃん。

俺、メリナちゃんのことが入れ替わりたいほど好きなんだっていつも言ってるじゃん。」

そう言いながら、俺はメリナちゃんの手を握る。

メリナちゃんが入っている俺の体は、手は、大きくてゴツゴツしてて硬い、

俺が入っているメリナちゃんの体は、手は、それより小さくてほっそりして柔らかい。

この体の持ち主であるメリナちゃんを守りたいと思った。

「エクスくん。」

目を潤ませながら、手を握り返し俺をみる。

「大丈夫だよ。メリナちゃんと別れてたりしないから。」

「うん。」

グズグズと泣き出したメリナちゃんを慰めながら、胸ポケットの中にある時計を取り出して、時間をみる。あと1分くらいで元の体に入れ戻るな。その前に

「メリナちゃん。」

「ん?」

俺は顔を上げたメリナちゃんの頰に唇をつけた。

「エクスくん!ちょっと私の体で!」

俺の顔を真っ赤にするメリナちゃんをよそに俺は、

「ちょっとぐらいいいじゃない。許して。」

とメリナちゃんの顔でにっこり笑って返した。

お題は

メリナの『許して』という台詞を使った「楽しい場面」を作ってみましょう。

#serif_odai

https://shindanmaker.com/74923

です!

読了ありがとうございました!

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