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遥か遠くの星と月  作者: 夜月唯夏
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星と月はまだ遠い3


「セイちゃん、こんなことあんまりないんだけど、新しい任務がきた」

「え、任務中に?」

「うん。滅多にないんだけどね。向こうからの指名だからだと思う』

「ちなみに内容は?」

「…うん、それが、あんまり言いたくないんだけど…」


そこに続いた言葉に星望は大きなため息を吐いた。



―――――――――――――――――――


「(最っ悪…。学校に行って叶月に会いたかったのに…)」


任務中の任務という異例のことで星望が来ていたのはアメリカだった。シャンデリアが輝くパーティ会場。シャンデリアと同じくらい煌びやかな格好をした人々がいる。更に彼らは、誰もが1度は見たことのあるような著名人ばかりだった。



―――――――――――――――――――



「セイちゃん、言いづらいんだけど…お偉いさんの接待だって」

「…いつ?」

「明日の夜、アメリカで。どうやらいつものパーティが開かれるらしいの。それは表の顔で、パーティ全体じゃなくて、一部で非合法な取引が行われてるそうよ。それに参加するお偉いさんの接待が今回の任務」

「わかった。しばらく空けるけど、気をつけてね」

「セイちゃんもね。変なことされてらぶっ飛ばすんだよ!」



―――――――――――――――――――


その話をしたのが昨日の夕方。そこから朝一番でアメリカに来た。任務とあって豪華なホテルに泊まらせてもらえる。しかし、任務の内容には辟易してしまう。

今回の接待は、政治にも関わっている強い権力者。しかし裏ではそれよりも名の通った人物だった。非合法なパーティにも積極的に参加しその度に星望を呼ぶのだ。

若く綺麗な星望を連れ歩くことで自分の強さをアピールしている、というのが星望の抱いた印象だった。周りが星望を見る度に綺麗だなんだと騒ぐから、自分がそういう評価を貰える顔をしている、という理解はしていた。しかし、あくまで周りが言うから、というだけで自分自身見た目を自慢出来る、とは思っていなかった。周りがそう言うのなら、それらしくしていようとは思うけれど。


そろそろか、と辺りを見ると接待の相手が視界に入った。そいつに気に入られようとする人間を周りに連れている。呆れた表情に出ないようによし、と気合いを入れ顔を引き締める。

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