3話
俺達はスキル獲得のためギルドへやって来ていた。
「スキルを獲得するためには3つの方法があります。
1つ目は、魔法書を読んで習得する方法です。魔法書はかなり分厚く読み終えるには1日以上かかるものが殆どですが、その分強力なものもあります。
2つ目は、職業を選んで習得する方法です。これは職業を選ぶことで、レベルアップごとに習得可能スキルが出現し、ポイントをふることでスキルを覚えられます。また一つの職業の上限レベルは40で、下位職をマスターすることで上位職になることができます。このときレベルは1に戻るので注意してください。またその職業をマスターすれば別の職業を得る事も可能です。しかし過去3つ以上の職業をマスターした者はおりません。
3つ目ですが、これは自身で魔法を編み出すという方法で、高度な魔法学を仕様しますのでオススメはできません。
基本的には1つ目と、2つ目の方法を使用します」
うん、色々あるようだ。俺は別に頭は良くないから3は論外として、1か、2だか、これはやはり楽にできる2だろう。
「じゃあ職業を選びたいんだが、どうすればいいんだ?」
「なりたい職業を叫びながらステータスを更新することで所得できます。職業は、剣士、魔法使い、聖者、狩人、盗賊、テイマーと、6つあり、テイマー意外の職業は全てに二種類の上位職があります。テイマーは例外でして、レベルの上限が50以上の上限が不明となっているんです。またテイマーのみ他途中で他の職業に変更可能で、変更後もレベルは1になりません。理由は不明です」
うん、職業に盗賊があるのは驚いたがなかなかにバリエーション豊富だ。剣士はカッコいいがどうせならここは魔法使い、いやそれとも盗賊とか・・・
「カインはどうする?」
「私は剣士にするわ。もともと斧とかが私の主戦武器だからね」
そうか、なら俺は支援職をとった方がよさそうだな。
「わかった、じゃあ俺はテイマーにする」
「お二人とも決まったようでしたらステータスの更新をお願いします」
「剣士!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
カイン・ロベルト 剣士 LV 5
VIT 70 DEX 120 AGI 65
STR 100 INT 75 LUK 60
HIT 65
固有技能
乙女の力ミラクルパワー
家事万能、ステータスを倍加。LVに応じて倍率上昇
可愛いは正義キューティーイズジャスティス
相手を恐怖状態にする
スキルポイント 4
所得可能スキル
月光斬 使用ポイント 1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
うん、カインは無事に職業を所得できたようだし、次は俺のばんだ!
「テイマー!!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
タケル・サトウ テイマー LV 23
VIT 23 DEX 23 AGI 23
STR 23 INT 23 LUK 23
HIT 23
固有技能
最凶アンラッキー
不死、ダメージ倍加
M能力キモイヤツ
ダメージの総量分ステータス倍加
スキルポイント 38
所得可能スキル
テイム 使用ポイント 5
ヒール 使用ポイント 2
一体化 使用ポイント 20
狂化 使用ポイント 10
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ずいぶんとマイナーなものを選んだんですね」
「どうせならと、レベル上限のないテイマーにしてみたんです」
それにこれならこの職業1つをレベル40にすれば他の職業をいっぺんにとれるし、ね。とりあえず訳のわからん一体化と狂化意外を習得する。
どうやらカインもスキルを習得するしたようだ。
「結構あっさりと終わっちまったな」
「そうね、暇だしまた近場の依頼でも受けとく?」
「そうだな、稼げるうちに稼いどくか。それに俺の相棒も欲しいしな」
て、いうことでスキルを習得した俺達は依頼を受けるべく、依頼ボードの前にいた。
「三つ首ウサギの討伐に、逃げた三股蛇の捕獲、赤ちゃんのお守りに、スライムの討伐。これ、まだあったんだ・・・」
「ねえ、ねえ、これなんていいんじゃないの?金魚の討伐、報酬五万ゼノ難易度も2って、高くないし」
「ん、いいんじゃねぇのか?じゃあそれにしようぜ」
俺達は依頼を受けるとギルドをでた。今回は北の森にある湖のほとりが目的地だ。
「あのさ、俺短剣か何か欲しいからお店寄っていいか」
「じゃあ私も剣でも戦斧でも、買ってこようなか」
町の中央通りを歩き武具店へ行った。実は俺、武器持ってなかったりする。昨日のは仮もんだったし、少しいいのが欲しい。
「らっしゃい。なんだ坊主、ガキに売る武器はねぇぞ」
「あぁん、なんだとゴラァァ!?素直に売りやがれ!」
うん、どこのチンピラだろう。やべぇ、おっさんめっちゃ睨んできてる。こりゃ、売ってもらえないかもな、でもそれは困るな~
「あの━━━━」
「ぃんや、よくやった。今ので帰ってたらどっちみに取られて終わってたからな。そんだけ言い返せれば十分だ。何が欲しい?」
「じゃあ俺は短剣を1本。できればいいやつがいいな」
どうせならいい武器を買って大事に使い続けたい。だって絶対その方があとあと安上がりだし。
「ん、じゃあミスリルのやつにしとくか?丈夫でよく斬れるし、軽い。金があるならこれほどいい武器はねぇぞ」
「ならそれで頼む。幾らだ?」
「五十万ゼノだ。今持ってないなら紙に名前を書いて血印を押してくれれば後で俺が引き出して来るぜ」
「それで頼む」
渡された紙に名前を書き親指に針を刺して血を滲ませるとそれを紙に押し付けた。針を刺した瞬間少し気持ち良かったのを確かに記憶している。ん、またやろう。
「あたしは戦斧をお願い、お金がないから分割でお願い」
「あいよ。じゃあ紙に名前と血印な」
どうやら分割払いもできるらしい。凄いな、町は遅れているのにこう言うところは進んでいるらしい。
無事、武器を手に入れた俺達は湖へ向かった。
「綺麗な湖ね~」
「確かにな~。ただ1つあれがいなければな」
そう。目の前の湖はよく澄んでいてとても綺麗なんだ。ただやつら、空飛ぶ金魚さえいなければな。
「なんなのあれ!?めっちゃでかいんですけど!あれを倒せと、いや、いや、ムリゲーでしょ!」
「そんな事言わないの、さっさとやるわよ」
おぅ・・・やつらをやるのか・・・
「で、どうやって飛んでるのを倒すんだ?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「おぃ!また策無しか!どうすんの?ねぇ、あれどうやって倒すの!?」
「奴ら肉食らしい・・・」
よっし!わかったぞ~。
俺は短剣で、思いっきり腕を斬った。傷口からどくどくと血が溢れてくる。
「タケル何やってんの!?」
「ん、肉食なら血の臭いに反応してやって来るかと・・・ほら」
前方をみてみると金魚達がこちらへ向かって飛んできていた。奴らの目は完全に血走っており、エサを求めてやって来ているようだった。
「んぁぁぁぁぁ!!」
あぁぁぁ、絶対的な捕食者だと思っていた自分が捕食されそうになっているなんて、あぁぁ最・高~。
「タケル!あんた、そんな顔を赤くして身悶えてなくていいから早く戦いなさいよ!」
「だってこんな強烈なシチュもうないかも・・・あぁぁぁ、イっちゃいそう」
パクッ
「ンァァァァァァ!!タケルー!!あんたなに食われてんの!」
「あぁぁ、生暖かくて、ヌルヌルして、きも・・・ちぃぃ・・・」
ごくっん。
あ、飲まれました。流石にやばそうです。このままだと溶けちゃいます。あぁ、なんか足がヒリヒリしてきた・・・そろそろマジでヤバイかも・・・
「ねぇ、今いけないおとしたけど!!それより、この金魚、鱗が固すぎて切れないわよ!」
おぅっ自力で脱出しろと、仕方ない・・・ソード!
「よいしょとんとん。ぷはー新鮮な空気はいいぜ」
「新鮮な空気はいいぜじゃないわよ!あのまま殺されてたらどうするの!」
「いや~ほら俺死なないし。結構気持ちよかったぞ!他では体験できない貴重なプレイを堪能できて満足です!」
ほんと、捕食プレイとかめったに体験できないからな。しかも固有技能で感度(痛覚)増し増しだし!もうこれだけでここまで来た甲斐があったというものだ。
「もう一回やって来るわ。死なないように頑張れよ」
「待ちなさいよ、あんたも一緒に倒すのよ!」
実に素晴らしい。今度は消化されないように気をつけて排泄されてみようか。やばい想像しただけでイけそうだよ。
「あ、いい忘れたけど、どんな強敵でもよく観察するとどこかしらに弱点はあるらしいぞ」
パクッ
ちなみにあれはラノベに書いてあった台詞だ。まぁその通りだと思うからいいが。
にしても、本当にいいな。あ、漏れた・・・
流石に小便垂れ流したままいるのは嫌なのでさっさと出て湖にダイブすることにした。
「ただいま~って、なにその格好!?」
戻ってくるとカインは茶色くて臭い物体にまみれていた。なかなかに素晴らしい格好だ。ちなみに茶色い物体は金魚のうんこだ。
とりあえず湖にダイブする。そしてまた捕食プレイ→湖へダイブ→捕食プレイ→湖へダイブ。これを何回か繰り返しているといつの間にか金魚はいなくなっていた。
「ふぁぁ、疲れた~そういえばカイン、スキル使ってみた?」
「あ、使ってなかった・・・」
スキルを使うために来たようなものなのに、なぜ使わない。いや使っていたらあんなうんちまみれになることもなかっただろうに。
「じゃあ帰る前に、『安らかな癒しを【ヒール】」
カインの怪我などはある程度治ったが、うんこの臭いは取れなかった。ちなみに俺はこの後テイムを使うのでヒールは使っていない。
とりあえず、回復を済ませた俺達は帰りがてら探すことにした。
読んでいただきありがとうございました。
次回の投稿はいつになるやら、なるべく早く投稿しますのでどうぞよろしくお願いいたします。