高校(2)
高校(1)の続きです。
12年前・・・
高校2年生になり、本格的に理系の授業が開始された。
理系だけの生徒は、14人であった。
理系の先生が教えることは、理解できたが、応用の問題になると出来なかった。
1学期の理系だけの教科は、14人中最下位。
しかし、理系組の中で文系の教科の「古典」「現代文」は、14人中1位。文理混合で比べれる。この2教科は、クラス、学年でも1位をとれるほどの成績だった。
文系の教科のテスト勉強をせずとも100点がとれた。
そんな毎日が過ぎていったとき、僕は、ある部活で出来事が起こった。
―文化室―
学校の放課後。
駒の音が廊下まで響いている。
静かな空気の中で「パチーン、パチーン」と聞こえる。
「おー、〇〇君。今日からここの部長よろしく。俺たちは、受験で辞めないといけないから」
「はー。そうなんですか。先輩頑張ってください。」
ここの部員は、30名。
僕に、できるのかという不安があった。
「この子でいいんですか。H部長。ほかにも候補があるはずです。」
「そうだろうな。だが、こいつに勝てる自信があってのことか。副部長。」
「それは、やってみないとわからないです。」
「いい意気込みだな。じゃ、こうしよう。将棋でこいつに3戦勝て。勿論、勝負のるーるは、こいつに任せる。」
「ルールは?」
副部長が、僕に聞いてきた。
「ルールは、真剣勝負でもしも誰かが、邪魔をした瞬間に勝負は中止にします。そして、次のテストの古典と現代文の点数が僕より上だったら挑戦者の勝ち。その逆であれば、僕の勝ちとします。」
「ほほう、お前は、それでいいんだな。」
「はい、良いですよ。副部長。」
机の上に将棋盤を3つ置いた。
「時間ももったいないと思うので3面打ちにします。」
「余裕な顔は、いつまで続くかな。」
と僕に向かって言う。
僕の相手は、副部長と部長候補の2人だ。
「それでは、次の代の部長を決める勝負を開始します。打つ手がない場合や詰んだ状態になれば参りましたと言うように、時間制限は、無しとします。それでは、始め。」
顧問の先生が真剣な顔で言う。
「よろしくお願いします。」
将棋の勝負が始まった。
僕の将棋の守りは、穴熊戦法の振り飛車。
相手は、何も名前のない戦法。
僕は、まず副部長以外を先に倒すことにした。
勝負開始から2分後―
「負けました。」
部長候補の2人同時に言った。
部員たちが、目を丸くする。
将棋の盤面で相手の強い駒が取られ詰み状態になっていた。
「残りは、副部長だけですね。」
と言いながら扇子を扇いで僕が言った。
僕と副部長の勝負は混戦していたが、勝負の結果は、僕の勝利だった。
「まだだ。まだ、勝負が終わってないぞ。次は、テストでお前に勝つ。」
と言いながら副部長は帰っていった。
(挫折し続けていた僕が、ここまで強気になったのは初めての事だった。そして、ゲームで勝つ楽しさを覚えた。)
そして、テストの結果も出てきた。
勿論、僕は古典と現代文の点数が満点だった。
「この勝負、僕の勝ちですね。お疲れ様でした。」
副部長は、顔が真っ白になっていた。
こんなことが、色々あって僕は部長になった。
続く
今回も読んでくれてありがとうございます。
まだまだ未熟ですが、頑張ります。
時間があれば、感想などお願いします。
作者より