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挫折したその先に・・・  作者: 風雷
6/9

死別(父)

今回は、挫折よりは悲しい内容となっています。

では、どうぞお読み下さい。

13年前・・・

―僕の家(夜)―

僕が、中学2年生の3学期の頃だった。

急に、父が、家で倒れた。

直ぐに、救急病院へ。


―病院(深夜)―

直ちに、父の検査が始まった。

血液、レントゲン、色々な検査をした。

結果は、「末期のスキレス胃ガン」だった。

病院の先生は、母だけ呼んだ。


―診察室―

「あ母さん、しっかりと聞いてください。」

「はい。」

「今回検査したところ、ガンが、発見しました。病名は、スキレス胃ガンです。」

「ステージは?」

「末期です。余命は、3か月です。」

「たった、3か月ですか。そうですか。家族に伝えます。」

「そうしてください。」

その後、母からの声で伝わったのは、先生から呼ばれてから、1時間後であった。


―病室(朝)―

父が、目を覚ました。

「せんせいを呼んでくれ。」

父が、言った。

「先生、俺は、まだ仕事が一段落してないんです。俺のことは、妻から聞きました。」

「動くのが、やっとの体です。仕事なんてしてないで少しでも長く生きてください。」

「先生、俺の人生は、俺が決めるものです。仕事が、一段落したら、治療に専念します。ただ、仕事が一段落してなかったら後悔します。」

「そこまで言うのであれば、私が出す薬を必ず飲んでください。」

「わかりました。」

先生との会話が、終わると直ぐに帰る用意をした。


―僕の家(夜)―

父が仕事から帰ってきた。

直ぐに家族会議になった。

「朝、言った通り。仕事が一段落したら、治療に専念することにする。それでもいいか。」

父は、妻、兄、姉、僕に、聞いた。

僕は、「それでお父さんが、十分やったら良いです。ただ、後悔は、しないでください。」と。

僕以外も僕みたいな事を繰り返して言っていたが、僕は、泣かず、僕以外は、泣いていた。

これは、まだ普通の事だった。僕の肉親が亡くなる実感が無かったのだ。

けど、なんとなく分かっていた。でも泣きたくは、無かった。

そんなこんなで家族会議は、終わった。


―僕の家(朝)―

少し、違う朝だ。

今年から、僕は、受験生。

そして、最後の2年生の授業がある。

家族は、いつもの通りの慌ただしい朝では、無く少し時間の流れが遅く感じる。

僕は、いつものように家を出るが、家の周りも時間の流れが遅かった。


―学校―

学校の授業が、始まった。

勉強に集中出来なかった。

それもそのはずだ。親が亡くなるかもしれないのに集中など出来なかった。

勉強態度が悪いと先生に呼ばれた。

「どうした、勉強に集中してないみたいじゃないか。何か、あったのか。」

「いえ、何もありません。」

「今回は、いいかもしれないが、本当になにかあったら俺に言ってこい。」

「はい。」

先生は、優しく相談に乗ってくれた。


月日が流れ、父の病状も段々悪くなって行った。

父は、杖をついて、歩くようになった。

そうして、仕事が、一段落したのは、3月に入って直ぐだった。

父は、病院に入院。

僕は、学校の帰りに病院に寄り、父の看病をした。

父が、入院して、2日後のこと。


―病室―

賑やかな声が室内に広がっていた。

僕が、病室に入ると

「君が、○○君」か。大きなって。」

おじさんが、僕に向かって言った。

「おう。こちらは、俺の姉夫婦とその家族だ。」

「あ、初めまして。」

「覚えてないと思うが、赤ちゃんの時に一度会ってるぞ。」

父が、言った。

父の姉夫婦の隣には、父の弟夫婦とその家族が来ていた。

父曰く、母が、電話で呼んでいたらしい。

僕は、姉夫婦、弟夫婦と仲良くしていた。


その3日後。

次は、僕の姉が彼氏を連れて来ていた。

僕は、姉の彼氏を見たのは2回目だった。

以前から、姉は、彼氏と結婚したいと話をすることがあった。

父は、楽しく話をしていた。

そして、時間が過ぎ、僕の両親は、姉の結婚を認めていた。

父は、婚姻届の一部を書いていた。

父が書いている姿、動いている姿を見るのは、これで最後であった。


その次の日。

僕は、地元の集会に母の代理で出席していた。

勿論、姉の事の報告も兼ねていた。

集会が終わったのが、1時間後で早く終わった。

集会所に出ると僕は、違和感を覚えた。

この違和感が、僕を急がせた。

僕は、集会に出席していた仲間に僕を「病院に行かせてくれ」と必死に頼んでいた。

病院に着くと「ありがとう」と言って、直ぐ父が居る病室に急いだ。

エレベーターから、降りると泣き声が聞こえた。

その声は、父の病室からだった。


―病室―

病室に入ると家族全員と病院の先生がいた。

「全員揃ったようですね。では、19時40分、永眠致しました。この度は、ご愁傷様です。」

と言って病院の先生は、病室から出た。

僕は、絶句するが、泣かなかった。

余命宣告から、まだ1か月しか経っていなかった。


「父側の 伝えの力 常弱く 唯々思う 父の姿を」

この川柳をメモに残して夜風に当たっていた。

3時間ぐらいに母がやってきて、「少しでも父のそばに居てやって」と。


川が流れるように過ぎ、父のお通夜、告別式が行われた。

詳しい内容は、覚えていない。

お通夜、告別式が終わった後、僕は、インフルエンザになっていたこと分かった。

小児科の先生が、「もっと早く来てくれなかったんですか。」言っていた。

そうして、僕のインフルエンザが治った。

また、時間が元通りに慌ただしくなっていく。

いつもの日々が始まる。


今回も、読んでいただきありがとうございます。

文章は、まだまだ未熟ですが、頑張ります。

もし、良ければ感想を書いて頂くと嬉しいです。

作者より

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