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Last Assassin ~偽りから作られた未来~  作者: †リオ†
第三章 ガラスのハートをした死神
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第四十三話 楽しい時間をお過ごしください

「わ~! 見てみて! お兄ちゃん! 専用ジェットっていうやつでしょ!」


 明美の隣で有村が絶句し、その上口が開いている。って、あれ? 有村……さん? 細長い、だけどしっかりと筋肉の付いた手足。ずっと男だと思っていたそいつは、きれいな肌で長い黒髪をしていた。


「有村、さん?」


「はい、有村ですが?」


「ね~、有村ちゃん、こっちこっち」


「なに? 明美ちゃん?」


小声:「お兄ちゃんたぶんついさっきまでずっと有村ちゃんのこと男だと思ってたんだよ」


「何ですかそれ、フフフ」


「っというわけで、お兄ちゃん、こちら“ジョ・セ・イ”が私の親友の有村さんです!」


「いつの間にそんなに仲良くなったんだよ」


「それは、男子禁制、女の子同士の秘密です」


「それにしてもお前ら全然驚かないんだな」


「あ、いたんだ」


「いたんですね」


「お前ら……」


「こんな扱いをされたのは小さい頃以来だ。まあいい、どうせお前ら英語はうまくないんだろうから、俺と一緒にいれば大丈夫だ。アメリカには月一くらいのペースで行ってるからな。チャレオツな店に連れていってやるよ。なぁ、自由行動の時間はあるんだろ?」


「ええ、もちろんです。ですが、お客様の身の安全のために、こちらの時計を常時つけていただきたいです。万が一の時に、こちらのボタンを押せば、地球上どこへでも我々の社員が駆け付けます」


「それは、ずいぶんとなのもしいですね」(他意あり)


「はい! ぜひご旅行を楽しんでください」


 そう、優しそうなお姉さんが微笑みかけてきた。この人は、たぶん、何も知らない。


 エンジン音が始まり、すさまじい勢いで大空へと飛び出した。


「こちらの機内のものはすべてご自由に飲食してください。自由に外を出歩けないですが、こちらのモニターにてアニメやゲーム、映画などすべてご自由にお楽しみください」


――――――――――――――――――――


「しね~!!」


「お前がな~!!」


 ゲームはゲームでも、やはりこのメンツだと、気が合う女子二人に、気が合わない男二人、そんな四人がゾンビゲームを遊んでいると


「やられたら倍にして返すのが俺のやり方だ!」


「一回ミスしただけだろうが!」


 人間同士で打ち合いをしている男二人、そして、巻き添えをくらうゾンビたち。そして、年相応に遊び疲れた四人はぐっすりと眠りについた。


「おはようございます、おはようございます」


 そう呼び起こされまぶしい陽の光で目を覚ますと大きな施設の隣にある空港で、ジエットが着地の準備が入っていた。


「ご満喫したようで何よりです。それではまずホテルに荷物をあづけましょう、そのあとはご自由にハリウッドを観光してください」


 そして、荷物を置きみんなで出かけた。


「お兄ちゃん! あそこ行こ! マダム タッソー蝋人形館」


「明美、それなら東京にもあるぞ」


「ハリウッドで見るから意味があるんじゃん!」


「そう言われたらなんかそう思ってくるな~」


――――――――――――――――――――


 そこに立っているのは今にも動き出しそうなほど精巧に作られた蝋人形の数々だ。近づいてみても、光の反射具合がかすかに強い以外まるで本物。一体にはどれだけ時間がかかるのだろうか。


「見覚えのあるハリウッド俳優が多いな~」


「俺実物と会ったことあるぜ!」


「「「へ~」」」


「うっ、まあ、その程度の話だ」


「すみません、写真を撮ってくれますか?」


 そう英語で聞かれ、鈴木賢治が前に出る前に、頼まれていた本人の明美が流ちょうな英語で


「もちろん!」


 智也は、賢治の肩をたたき先に進んだ。


「おい、普通に英語使えるのかよ」


 明美が若干ドヤ顔で賢治のほうを見た。


――――――――――――――――――――


 その日の夜


「なぁ~、いつくか聞きたいことがあるんだけど」


 ?


「お前も、英語ペラペラなのか?」


「それなりには」


「あ~~!! 今までの行為のすべてが恥ずかしい!」


「まあ、周りの女子たちにチヤホヤされてきたんだろうけど、あの二人は多分、いつものお前のそばにいるような女子とは違うよ」


「なあ、どうすればお前らと友達になれる」


「一般庶民の生活を知ることかな」


「そう、か」


「まあ、うちも一般とは言えないかもしれない」

次回は17日の予定です。

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