表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Last Assassin ~偽りから作られた未来~  作者: †リオ†
第三章 ガラスのハートをした死神
38/69

外伝:ホア→ローズ

「少し前の話をしましょう、私が今、ここにいられるようになった二人の優しい人との出会いの話を」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これからお前の父親になる男だ」


 そう話しているのはバルタザールといういかついが本当は優しい大男。その男がホアに一枚の写真を見せて


「中国系三世のアメリカ人、輸出業をしているつい最近娘と奥さんを交通事故でなくしてしまい、君のことを知って引き取りたいと連絡を取ってきた、この人でいいなら頭をたてに、嫌なら横に振ってくれ、安心しろ、信頼できる男だ」


「……」


「なぜ泣くんだ、やはり俺の顔は怖いか?」


 ホアが涙を流しながら、頭を横に振った


「この男は嫌なのか、ならばもうしばらく」


 バルタザールの袖を引っ張り、何かを言いたそうにしている。だがそののどからは声なんて出したくても出ない


「俺には、お前の意志は理解できない」


「この男が嫌なのか?」


 そう聞かれたホアは頭を横に振った。伝えたくても、伝えられないただ、感謝の気持ちを伝えたいだけなのに。


「この男でいいんだな」


 そう聞かれて、ホアは一度だけうなずいた。


「あの子が生きていたら、今お前と同じくらいの年か」


 そう言って、バルタザールはホアをそっと抱きしめ、方に触れているその手はその手は強く、優しく、だけど、少しだけ、震えていた。


「これからのお前の人生が、幸せでありますように」


そう言われ思わずホアは思わず大泣きしてしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そのあとの生活はかなり裕福な生活を送っていたと言える。新しい父親のHaoran・Zhouはバルタザールの紹介通り、輸出業を個人でしているから本来なら家族とともに幸せない生活を送っていたはずなのだ。


「すごく、暖かいです」


 季節は冬、狐の毛皮コートをzhouからもらった。ホアは新しい父親と湖の近くの別荘群の中の一つの貸し別荘で休みを過ごしていた。そこで出会った一人の少女は体が弱く、環境のいいこの大自然の中で病気を治そうとして頑張っていた。その子と一緒にいるのがなんだかとても居心地がよかった。

 二人で一緒にテレビを見ていると、その子はカナダの女性歌手のミュージックビデオをよく見ていた。


「私も、元気になったら、あんな歌手になりたい」


(きっと、成れるよ)


 ホアは頭がいいみたいで教えたらすぐ覚えた。英語の読みは無理だけど書いて自分の思いを相手に伝えることはほんの数か月で簡単な会話程度なら辞書を持っていればすぐに書けるようになっていた。

 もちろん、英語が書けるようになってから、最初に書いたE-メールはバルタザールに向けたものだった。


 病弱な少女はアブリル生まれたころから心臓が弱かったようで、この別荘からあまり移動したことがないという。


「成れるといいな~」


 そう言って、ミュージックビデオに合わせてアブリルが歌い始めた。それを聞いてローズはリズムに合わせて体を左右に揺らして、知らない間に二人は仲良くなった。ほんの一か月の間だったが。ローズにとっては大切な友達ができた。だけど、それから3か月後アブリルの心臓が止まった。遺書には自分の声帯を人生の最後に出会った友達へというメッセージを残して、彼女は旅立った。


「わ、たし、は」


 友達から声をもらったローズはその娘の夢を引き継ぐと決心し、そして、もともときれいな声を生かし世界的に有名な歌手になった。

次回は13にちのよていです~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ