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In a Dream ~魔法少女の夢を見る~  作者:
夢の始まり
5/28

No.5 会長Assault

「それじゃあ、よく見てて下さいよ」



そう言って千藤さんは一歩踏み出した。

得体の知れない不気味な影に怯むことなく向かっていく。



「こいつらって放っておくと人を襲うんです。だからこうやってーー

「滅するんですよっ!」



目の前にいた三体の夢魔(ナイトメア)が真っ二つになる。

どうやら一瞬で斬ったらしい。

手には昨日も使っていた身の丈よりも大きな大剣を持っている。

魔法少女とは不釣り合いな武骨なフォルムの大剣だった。



「魔法少女も何人かやられてるんで見過ごせないらしいです。結構この仕事は頻繁にあるんで覚悟しといた方がいいですよ」



魔法少女の先輩として説明しながらも襲いかかる夢魔を倒していく。

決して扱いやすいようには見えない大剣を状況にあわせて適切な扱い方をしていて、それはまるで舞のように綺麗で思わず見とれてしまっていた。


私という足枷がいるのにも関わらず流れるような動きで確実に仕留めていっている。

大量にいた夢魔の数はもうすでに残り一体になっていた。



「これで仕舞いです!」



最後の一体が縦に真っ二つになって消える。



「どうですかね、こんな感じですけど」



最後の一体を倒した千藤さんは変身を解いて呆然としている私の方へ振り替える。

あんなに動いたのにも関わらずその顔から疲れは一切見えない。

基本的な体力が多いのかそれとも魔法のお陰かはわからないがとにかく千藤さんが凄い人ということはわかった。



「とりあえず考えといて下さい。命の危険もあるのでじっくり考えるといいです」



これで説明は終わりですと言って千藤さんは帰ろうとする。

私の隣を通りすぎたときに見えた顔が中学生にしては大人びすぎていて思わず声をかけた。


だけど何を言えばいいのかわからなかったから、凄かったよと言った。

千藤さんはいつも通りのにやけた顔で、天才ですからと言って去っていった。




ーーーーーーーーーー




仕事の見学が終わった私は深山学園の高等部生徒会室を訪れた。

今日の報告をするためだ。


息を整える。


月岡先輩の前ではどうしても緊張してしまう。

規則に厳しいと評判の先輩である。

自分が何か校則を破っていて怒られるのではないかとつい思ってしまうのだ。


服装がきちんとしているかを確認しドアを叩く。


……返事がない。


もう一度叩く。


…………返事がない、ただの空き室のようだ。


もう一度だけ叩いてみよう。

ゲームだと何回か調べるとイベントが発生することもある。


………………やはり返事がない。


どうやらイベントは発生しないようだ。

無言だけが帰ってきた。


誰もいないのだろうか。

ドアノブに手を伸ばし鍵がかかっているかを確かめる。


ガチャ


ドアには鍵がかかっていなかった。

そのまま中に入る。

月岡先輩や他の生徒会役員の人はいないようだ。


いくら学校とはいえ無用心すぎる。

生徒会には学校に関する重要な書類があるというのに。

特に高等部ならなおさらである。


誰かが帰ってくるまで待っていようと思い生徒会室の奥に進んでいくと人の気配があることに気がついた。

よく見てみると生徒会室の一番奥にある他の机より一回り大きい机に誰かが突っ伏して寝ている。


その机には『生徒会長』と書かれた腕章が置いてあった。


もしかしてこの寝ている人物が生徒会長なのだろうか。顔が見えなくてよくわからない。

見える位置まで移動しようとして近づく。


シュバッ


そんな風切り音が聞こえていつの間にか目の前にいた人物が消えていた。


むにっ


何か胸に違和感を感じた。

視線を下ろすと誰かの手が私の胸に添えられていた。



「女の子の気配を感じたと思ったら、この感触は知らない娘ですわね」



背後から声がする。

振り替えると縦ロールのないすばでぃーなおねえさんがいた。


むにむに


巨乳のお姉さんはお世辞にも大きいとは言えない慎ましい私の胸を無言で触っている。


脳が危険信号を送っているが時すでに遅し。

獲物を食わんとする大蛇のごとく体をホールドされ、身動きがとれない。


顔はかろうじて動かせるので様子を伺ってみると恍惚の表情を浮かべていた。


あ、終わった。



「やっぱり女の子はいいですわ~。このスベスベした柔肌、高級な香水にも負けない香り(フレグランス)、華奢な肢体。JC最こーー

「やめんか!!」



さっきまで密着していた体の感触とプレッシャーがなくなった。


いつの間にか来ていた月岡先輩が引き離してくれたようだ。

気づくと生徒会室には私と謎のお姉さんの他に月岡先輩ともう一人の人物がいた。


あの人は確か、高等部の生徒会書記の未来子(みくね)結子(ゆいこ)先輩だ。

いつも笑みを絶さない母性溢れる大人な女性だ。

教師や後輩からの信頼も厚い。

高等部と関わりがほとんどない私でも知っているこの学園の有名人だ。

ちなみに巨乳である。



「お前は目を離すとすぐこれだ。少しは反省してくれ」

「可愛い娘と仲良くなりたいのはわかるけれど、いきなりそんなことされたらびっくりするんじゃないかしら」



呆れた様に肩を竦めている月岡先輩と諭すように優しく話しかける未来子先輩。

そのやり取りを見ただけでこの人たちは仲がいいのだとわかる。

そんな雰囲気を感じた。



「放しなさい、円!あと数十センチ先に(わたくし)の理想郷があるの!この美園(みその)百合姫(ゆりひめ)が求めた世界が!」



二人の制止を聞かず、暴れる会長。

これは流石に恐怖を感じる。



「お前は少しは会長としての自覚を持ってくれ!」



月岡先輩は会長を必死に止めようとしている。

だが、会長は止まる気配がない。



「JCが目の前にいる、このシチュエーションは神が私に授けてくれたもの。この期を逃すこと、即ちそれは神への冒涜!私は神へとこの身を捧げる聖女!この信念は揺るがないものですわ!」



拘束を解き、会長が襲いかかってくる。

だが、その魔の手は私に届くことはなかった。

なぜならーー。



「ごふっ!結……子なに……を……」



会長の腹に未来子先輩の拳がめり込んでいた。



「百合姫ちゃん、少し落ち着きましょう?」



未来子先輩が笑顔でそう言い、会長は気絶した。




ーーーーーーーーーー




「いきなりこんなことになってすまない」



騒ぎが収まってすぐ月岡先輩が頭を下げて謝罪をした。



「いえ!別に大丈夫です!」



その姿に慌ててしまう。

否定の言葉がつい大きくなってしまった。



「百合姫ちゃんは可愛い娘を見かけるとこうなっちゃうの。ごめんなさいね」



未来子先輩も少し困った顔で謝る。

そんな先輩に大丈夫ですよ、と言ってこの話を終わらせようとする。

あまり気を遣われるのは好きではない。



「それであの、月岡先輩……」



仕事の件の報告をしようと思ったのだが今言っていいのだろうか。

私の言いたいことが伝わったのか月岡先輩から話を切り出された。



「未来子は関係者だ。問題ない。それで仕事を直に見てどうだったかな」



どうやら未来子先輩も関係者らしい。

ならば大丈夫だろう。



「なんというか……凄かったです。私の知らないところであんなことが行われてたなんて……。今でも信じられないくらいです」

「そうだろうな。だがあれが魔法少女の仕事だ。もちろん危険はある。私たちと共に活動するならそれ相応の覚悟はしてもらう」



これまで以上に真剣な表情で私に視線を向けられる。

その真剣な表情が魔法少女の仕事が楽ではないことを物語っていた。



「できる限り危険がないように尽力する。だがもしもの場合もある。だから悔いのないように悩んでそれから決めてくれ」



私の決意に迷いはない。

これは仕事を直に見た時から変わることはなかった。

月岡先輩の話を聞いても迷うことはなかった。


自分にしかできないことが目の前に現れた。

自分を変えることができるかもしれないチャンスが現れた。

これはきっと運命だ。

こんなわかりやすいチャンスなんてこの先きっとない。

だから今こそ一歩を踏み出そう。

何もしてこなかった自分とはここでお別れだ。


私は頷く。

自分の決意が伝わるような表情で。



「私、なります」


「魔法少女に」



そして私は魔法少女になった。

文章書くのって難しいですね……。


書き溜めしてたものが尽きたので投稿ペースが遅くなると思います。

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