No.28 Immortal ~クオン~
物凄く間が空いてしまいました
すみません
久しぶりだったので色々変だと思いますけどご容赦下さい
夏休みの校舎は不気味なほどに静まり返っていた。
普段は部活をする生徒や勉強をしている生徒もいるのだが今日は誰もいない。
生徒どころか教師すらいない。
人払いをしたのだから当然だ。
誰にも聞かれてはいけない話、つまり魔法少女に関係する話をするためだ。
真地さんから報告があったらしく、円ちゃんから話があるらしい。
私は静まり返った校舎の廊下を歩いていく。
いつも訪れている場所だから意識をしなくても足が勝手に進む。
少し歩くと執行部室へと着いた。
軽くノックをしてドアを開ける。
「未来子か。遅かったな」
円ちゃんはいつも執行部室へ来るのが早い。
私が執行部室へ入ると毎回彼女が来ている。
「ごめんなさい。少し仕事が残ってたから……」
「未来子先輩が仕事長引くのって珍しいですねー」
声の方を向くとソファにもがみちゃんが寝転んでいた。
いつも通りのにやけた表情で、明日雪でも降るんじゃないですかね、なんて嘯いている。
「それで、何かわかったのかしら?」
気持ちを引き締める。
呼ばれたのが私ともがみちゃんだけということは何か重大なことがあったのだろう。
「ああ。真地さんから報告があった。」
「水色さんから?」
「そうだ。土間舞花についてだ」
土間舞花。
先日の埋葬事件の犯人だった少女だ。
堀峰咲、福祉原陽亮を含めた数人を殺害した魔法少女。
魔法という規格外の存在が関係したため、法の裁きは受けられず協会が身柄を拘束した。
犯行はとても残忍なもので被害者の殆どが生きたまま地中に埋められる、文字通り生き埋めにするものだった。
魔法少女とは呼べない。
魔女と言った方が相応しいかもしれない。
「簡潔にまとめると、土間舞花は私たちとは違う種類の魔法少女だということがわかった」
「違う種類?」
先ほどまでソファで寝そべっていたもがみちゃんが体を起こしてそう質問した。
「私たち魔法少女はこの指輪を媒介にして魔法を使うだろう?」
「まあ、そうですね」
円ちゃんが自分の指輪を指差して説明する。
「だが、土間舞花は指輪を持っていなかった」
「持っていなかった?隠してただけじゃないんですか?」
魔法少女の指輪は普通の人間には見えない。
だから、私たちは学園に堂々と付けてこれる。
外れないのだから付けてくるしかないけれど……。
しかし、例外がある。
魔法少女になった者、あるいは魔法少女になる素質を持った者には見えるのだ。
相当の力量を持った魔法少女ならば完全に誰からも見えなくすることも可能らしいのだけれど彼女がそうとは思えない。
「協会が念入りに調べたそうだがやはりなかったようだ。そして、最近この別種の魔法少女が増えているらしい」
「……私たちとは違う魔法少女」
協会の管理下に置かれていない魔法少女が存在する。
なんだか胸騒ぎがした。
もしかしたら今日あたり予知夢を見るかもしれない。
「そして、もう一つ。正直に言ってこっちの方が問題だ。聞いたとき私も耳を疑った。信じたくないがな」
「もう一つ?他にも何かあるんです?」
「土間舞花は『クオン』と呼ばれる人物から魔法を貰ったと言っているらしい。『クオン』、お前ならわかるだろ?未来子」
その名前を聞いたとたんに鳥肌が立つ。
嫌な記憶が次々と甦ってきて吐き気に襲われる。
今まで忘れていたのに、いや忘れようとしていたのに結局は忘れられなかったらしい。
「クオン?誰ですかそれ」
もがみちゃんは首を傾げている。
知らないのも当然だ。
私たちがまだ中等部だったころの話だ。
クオン
久遠薺は私たちが魔法少女になったばかりの頃出逢った最悪で最低の人間だった。
あらゆるものを奪っていってそして百合姫ちゃんの人間性を変えてしまった人物。
「久遠薺。やつはただの人でなしだ」
百合姫ちゃんには絶対に会わせてはいけない。
それだけは決して揺るがない事実だ。




