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No.16 Burial ~望まない結末でも~

「やっぱり堀峰(ほりみね)さんが犯人なのかなぁ……」



溜め息と共に思わず言葉が溢れる。

今の私は他の人から見たら心配されるような様子に違いない。

そう思うくらいに憂鬱な気分だった。



「どうですかねぇ」



対して隣にいる千藤(せんどう)さんは大して興味が無さそうに社交辞令のように相槌を打つ。


あの後、真地(まち)さんと入れ替わりで千藤さんが執行部へやってきた。

仕事の報告をするためだったらしい。

報告を受けた後、月岡先輩は私にしたように千藤さんに話をした。

話が終わった後も千藤さんは大した驚きはなかったようで寧ろ興味が無さそうだった。



「自分は別に誰が犯人でもいいと思いますけどね」



と千藤さん。



「しょーじき興味ないです。先輩も今回たまたま少し関わりがあっただけでもし関わりがなかったら興味なかったですよね?」

「それは……」



おそらくそうなのだろう。

今回はたまたま土間さんに依頼をされてこの事件に関わったのであって、もし接点もないままこの事件に関わっていたらここまで悩まなかっただろう。

もしかしたら早く犯人が見つかって喜んでいたかもしれない。



「結局人間ってのは自分に関係ないものは興味ないんですよ」

「そういうものかなぁ」

「そういうもんです。てか、何でそんなに必死になるんですか」



何で必死になっているか。

なぜだろう。

少し考えてみる。


最初はいつもより少し違う依頼だとしか思っていなかった。

内容も自分達では手に負えないと思って学園や執行部に任せようと思った。

でも、土間さんと話をしている内に土間さんの必死さが伝わってきて気持ちも変わってきた。

友達を想う心が伝わってきた。

あんなに友達への強い想いを私は今まで感じたことはなかった。

もちろん自分もあんな想いは持っていない。


羨ましいと思った。

自分にはないものを持っている彼女が羨ましかった。

そんな彼女が私を頼ってきた。

純粋にそんな彼女を助けたいと思った。

彼女を助けることができるのならば助けたいと思った。

ただそれだけだ。



「そっすか」



やっぱり千藤さんは興味なさそうにそう言った。


まあでも、と。



「悪くないんじゃないですか」



そう言った。

そう言った彼女の横顔は少し優しく見えた。




ーーーーーーーーーー



私にはやらなければいけないことがある。


たとえ望まない結末だったとしてもこの事件に関わったからには、依頼を受けたからには最後まで見届けなければならない。

土間さんからの依頼である行方不明の友達を探して欲しいという依頼を完遂しなければならない。


でも、諦めた訳じゃない。

最後まで諦めないとあの時決意した。

それを簡単には覆さない。

私の覚悟を裏切らないため、私を頼ってくれた土間さんを裏切らないために。


そのために私は堀峰さんを探しだして真実を見つけ出す。



ピンポーン



私は目の前の家のインターフォンを押す。

色々と考えた結果、少し心が痛むけれど土間さんから話を聞き出すことにした。

友達が一人亡くなり、一人が行方不明になっている彼女に聞くのは気が引けるけど、やっぱり一番有力な情報を持っているはずだ。

そう思ったからだ。



「はい」



しばらくして家の扉が開いた。

出てきた彼女はすっかり変わっていた。


依頼してきた時はまだ元気さを感じたのだが、今は元気さを全く感じない。

今にも倒れそうなくらいだった。



「どうぞ。何もない家ですが……」



居間に案内された私はさっそく話を切り出そうとしたのだが土間さんは居間を出ていってしまった。


手持ちぶさたになった私はしばらくぼーっとしていたのだが、あることを思い付いた。

堀峰さんは親しい仲だった土間さんの家に来たことがあるはずだ。

だからもしかしたら魔力痕が残っているかもしれない。

ないかもしれないがやってみる価値はある。


私は目を瞑って集中する。

あの日、公園でやったように魔力の痕を探す。

できればないことを祈りたいが……。



「!?」



微かだが魔力を感じる。

魔力を方向を探るためにさらに集中する。


なんとなくわかってきた。

土間さんには悪いけど少し家の中を歩かせてもらおう。

この集中がいつまで持つかわからない。

私は魔力を感じる方へと歩いていく。


魔力は土間さんの家の庭から感じた。

私は庭へ出て、辺りを探してみる。


隈無く探していると庭の花壇の端に何かを見つけた。

花や雑草に隠れていて見辛かったが視線が低かったお陰か発見することができた。

その何かを拾って見るとそれは財布だった。


他人の財布を除くのは悪いと思ったけれど何かの手がかりになればと思って開いてみる。

学生証がある。

しかもうちの学園のものだ。

土間さんのものだろうか。

そう思って学生証を取り出す。

そこにはーー。



堀峰咲



その文字を見た時、ガンッという音と共に後頭部に激痛が走った。

そして、私の意識はそこで途絶えた。

魔法らしい魔法を使ってない気がします。

これはタイトル詐欺になってしまうのでは……。

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