No.10 Burial ~心配事~
今日も早く起きることが出来たため、余裕を持って朝食を食べることができた。
いつもだったら食事に集中している私だったのだが、今日は思わずテレビを食い入るように見てしまう。
そこでは件の埋葬事件について報道されていた。
昨日の夜、そして今日の早朝に新たに二人の男性の遺体が発見された。
一人目と同じで二人とも地中から発見されたらしい。
地面を掘った跡もないことから同じ犯人ではないかといわれている。
警察もこの不可解な事件を調べているがおそらく真実には辿り着かないだろう。
この事件には魔法少女が関わっている。
科学では解明できないものがある。
それが魔法、私たちが持っている夢を叶える不思議な力だ。
使い方次第でこのようなこともできてしまう。
私は改めて魔法の危険性を感じた。
「……魔法か」
なんとなしに呟く。
一歩でも道を踏み外したら自分もそうなってしまうのか、そう思うと少し怖かった。
テレビを見るともう違うニュースになっていた。
画面の中ではタレントが笑っている。
私はテレビを消し、頭の中から不安を振り払う。
今はやるべきことに集中しよう。
私は学園へと向かった。
ーーーーーーーーーー
学園へ行くと職員室で警察らしき人を見かけた。
近くであんな事件があったからか、注意を呼び掛けるために来たのだろう。
だけどそういうのって普通は文章とかで呼び掛けられるだけのような気がする。
わざわざ来るほど今は警察も暇じゃないはずだ。
なぜ学園に警察がいるのか。
少し考えたが私の頭じゃ分からなかったので一先ず気にしないことにした。
私はいつものように教室へと向かう。
行方不明について調査を頼まれたが、すぐには動けない。
詳しいことを土間さんに聞かなくてはならないだろう。
今のままじゃあ余りにも情報が少ない。
放課後にでも土間さんに話を聞こう。
「らーきちゃん」
考え事をしていると突然後ろから誰かに抱きつかれた。
「はうっ!?」
いきなりのことだったので変な声が出てしまった。
非常に恥ずかしい。
「えへへー、ごめんねー。びっくりしたー?」
振り替えって見てみると唯ちゃんがそこにいた。
相変わらずの笑顔だ、和む。
「いやいや、びっくりしてないよ。私をびっくりさせたら大したもんですよ」
「そっかー」
物まねを華麗にスルーされた。
さっきよりも恥ずかしい。
穴があったら入りたい気分だ。
ともあれ気をとり直して挨拶でもしよう。
「唯ちゃん、おっはー」
「おっはー」
今度は返してくれた。
よかった、よかった。
また、スルーされたら今度こそ立ち直れなかっただろう。
「こんな時間に登校ってめずらしいね」
遅刻ではないのだが唯ちゃんはいつも早めに登校していたので気になった。
「お兄ちゃんがお寝坊さんだったからねー」
「あ、なるほど」
納得がいった。
唯ちゃんは超がつくほどのブラコンなのだ。
それこそお兄さんが学校を休むときは自分も休むほどの勢いだ。
羨ましいがその当人に会ったことはないのでこの感情はどうしようもない。
「もしかして昨日ってそれでーー」
「ううん、違うよー。昨日は家の用事だよー」
「あ、そうなんだ」
昨日は普通に用事だったらしい。
少しほっとした。
別に他意はないのだがほっとした。
むぎゅ
とりあえずハグをした。
別に他意はないのだがハグをした。
「苦しいよー」
唯ちゃんからは柑橘系のいい香りがした。
ーーーーーーーーーー
あの後ハグしている所を氷柱に見つかり、酷い目にあった。
市中引き回しの上打ち首獄門、とまではいかないが気分的にはそれに近いようなことをされた。
ほんとに理不尽の塊だと思う。
私が何かをする度に鉄拳制裁される。
あんな子に育てた覚えはないよ。
まあ、教室前でハグしてたら当たり前か……今度からはバレない所でしよう。
愚痴を言ってても仕方ないので頭を切り換える。
過去のことは過去のことだ。
今は今やるべきことをしよう。
私は二階にある二年教室へと足を運んでいる。
二年二組
確かここであっているはずだ。
うん、夜実ちゃんに聞いたからここで合っている。
土間さんの教室だ。
覗いてみるが姿が見えない。
近くにいた子にどこに行ったのか聞いてみるとホームルームが終わってすぐに教室を出ていったらしい。
何か用事があったのだろうか。
まあ、放課後だし仕方ないか。
そう思い部室へ向かう。
部室まで来るとその前に土間さんが立っていた。
当たりを見渡していて落ち着きがない。
「土間さん」
私が呼び掛けるとこちらに気づいたらしく、近づいてくる。
「あの、昨日の件なんですけどーー」
「うん、私も聞きたいことがあったからーー。とりあえず中に入って」
「は、はい」
土間さんを招き入れてソファに座ってもらった。
テーブルを挟んで向かい合う形になる。
「執行部に報告しておいたよ」
「そうですか、ありがとうございます!」
曇っていた表情が少し晴れたような気がした。
心配だったのだろう。
目の下には隈ができていた。
「あの……。もう一つ心配なことがあって」
「どうしたの?」
「咲がいなくなる少し前から友達が一人無断で学園を休んでいるんです」
二人も友達がいなくなっているのか。
それは心配になるはずだ。
「福祉原陽亮君っていうんですけど。彼ももしかしたら何か事件に巻き込まれているかもって思いまして……」
なるほど、同時に二人も失踪しているとなるとそこに関連がないという方がおかしい。
これは月岡先輩に報告しておいた方がいいだろう。
「そうだね、それも報告しておくよ」
「ありがとうございます」
その後、堀峰さんと福祉原君の写真と行きそうな場所を教えてもらった。
土間さんは疲れているようだったので家に帰ってもらった。
本当は案内してもらいたかったのだが、目の隈も酷かったし、休んだ方がいいと判断した。
遅れて部室へやってきた蓮君を残し、失踪した二人の情報を集めるために部室を後にした。
話の展開遅いので長い目で見守ってやってください




