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ペットの次は従者を獲得しました

  今俺は人生の岐路に立たされている。

 あれから、飯の後にポチが空を飛べるというので空の散歩を行っていた所、下に魔力の揺らぎがあるというポチの言葉で一旦、森の入り口にポチを待機させ、序にもしもの場合に備えて、糸電話ならぬ風電話(俺の発生させる微弱な風を感知して、無線の様に俺だけと会話できるようにした、専用器具)をポチの耳元にセットして、俺だけが森に入ったのだが。

 森を進むにつれ、激しい戦闘の音が増していき、漸く目の前に微妙な光景が映った。

 目の前には見目麗しい二人の美少女と野獣(俺の知識が正しければよくあるゲームの世界のオーガに、一昔前のゲームのトロルに似た化け物)が戦っている光景がある。

美女と言っても年齢は俺と変わらない位の17歳と言ったところだ。

一人は銀髪灼眼で、背は160といったとこだ。

髪を後ろでポニーにして布で結わえている。

服装は見たこと無いタイプの装飾だ。

所どころ宝石があしらわれていて、赤や緑やパッと見だけで10種類は使われているだろう。

そして、手に持つ本に填め込まれている一際輝きのある宝石に何事か呟いている。


それを見ながら焦ったような表情をしているもう一人の美女もまた(俺的には)変わった格好だ。

 金髪碧眼ではあるのだが、顔がもう一人と瓜二つで、ハッキリ言って髪と眼と服装でしか違いが分からない。もっと厭らしいことに、背や髪型まで同じと来ている。ハッキリ言って遊んでいるとしか思えない。

服装は片方が魔道士とすればこちらは剣士言ったところか。

 右手に填められた宝石付きの手袋で触ったその瞬間に左手に持った持った剣が輝きだして、真っ赤に燃え始めた。

その瞬間にオーガは剣士の方へ歩み寄り、その極太の腕を振り下ろした。

対して、剣士の方はその腕を紙一重で避け、足に傷をつけるが、オーガの傷は見る見るうちに無くなって行く。(恐らく化け物だけあって、自然治癒力がべらぼうに高いんだな。俺なら触れれば一発だが)

それからも斬り付けては回復が数度にわたって繰り広げられ、その間トロルの方は腕を組み、ニヤツキながら魔法使い?の方を見ていた。


そして剣士がいう。

「レナ、まだなの?何時までビッグホッグが大人しくしているか分からないから。早めに詠唱を済ませて頂戴。・・・くあっ!」



といいながら、レナという魔法使い(詠唱と言ってたからもうそれでいいや)に話しかけるがその間にもオーガの攻撃は続いていたので、よそ見をした瞬間に横から殴られ、派手に吹っ飛び近くにあった木に打ち付けられ、そのまま気を失った。


それを見た、見てしまったレナ?は途中まで詠唱していたであろう魔法を止めてしまい、その所為で本に込められた輝きが失われ

「あ…しまっ!・・・ひゃっ!」

と呆然としている所をトロルにバレて、悠然と歩み寄ってくるトロルとオーガにガクガクと震えながら腰を抜かしてしまった。

・・・見れば、あまりの恐怖に失禁までしている。

これは、助太刀した方が良いのかな?

とおもい、周りを見渡すが誰もいない。

まー、此方についてからこの森のこの位置から今まで歩いてきた草原の入り口までは結構距離があるから仕方ないか。

それに、この状況は所謂吊り橋効果と助けた亀(この美少女)に連れられて、竜宮城(近くの人里)にご招待の後、お礼にイチャイチャ出来るパターンだろう。(ポチが成長して、人型になって求めても構わんが、元地球人の発想で獣とするのは躊躇いがある。俺は決してマニアではない。)

と言う訳で、声を掛ける事にした。


「あのー、お嬢さん。もしかして、助けが必要ですか?対価として、色々と聞きたいこと(やりたいこと)が有るので了承してくれれば助けますよ?」

といかにも怪しい奴丸出しのセリフを言いながら少女に問いかけた。


俺の言葉を聞き、初めは呆気にとられていた物の次第に状況を理解し始めて、それから迫りくる化け物二匹と俺を見比べて(あー、襲われるならなるべく化け物より人間の方が良いとの判断かな?)、数秒間沈黙し、決心したように俺の方を見て


「お願いします。助けてください。」

と返事をした。


それに対して、俺は

「任された。」

と軽口で返した。


(うーん、軽く言ったが俺の力には致命的に遠距離の致命傷を与える攻撃方法が無いんだよなー?ポチなら出来るが、この状況じゃー間に合わないし。俺の周りだけなら大気の歪を利用した壁やら障壁で身を護れるけど・・・。そうだ!いっちょ、前に試した時に失敗した空間転移を試してみるか。ここの空気は何か体に優しいから、負担も軽そうだし。)


そういう事で、俺は前に世界で幾ら練習しても出来なかった空間転移を試すことにした。

まず、自分の周囲にある風の層を無重力空間に近い、この空間とは違う空間にする。

そして、次に相手(今回は少女の近くのトロル)の頭上に同じような空間をイメージする。

そして、その道筋に風の道を作る(移動速度は風速に倣うが、俺の場合風の操作でかなりに速度が可能。よって、見た目は一瞬)


・・・よし、これで準備万端。後は結果をごらんあれ。


「行くぞ!」

そして、俺は大気の層が体を圧迫する重圧に耐えながら、空間を移動していることを感じ、気付いた時にはトロルの頭上にいた。


「・・へ?」

と、その光景を見た少女がそう呟いたのを耳の片隅でとらえ、笑いながら


「待ってろ?今終わらすから」

と答えながら、トロルの頭に手を置いて脳の血流を止めてやった。

すると、トロルは次第に脳を押さえ、頭を掻き毟りながら


「ガアアアアア」


と雄たけびを上げ、直後動かなくなった。


そして、トロルの頭から降りながら頭を一蹴り。

そのまま後ろに倒れ


  ズドーーーン!!


と、物言わぬ肉の塊になった。


そして、今度はオーガの方を向き。

相棒?のオーガが倒されたことによって、混乱している所で、今度は追い風の速度アップによって、ほぼ一瞬で(勿論、空間転移よりは遅いし、見えるから分かると思うが)オーガの足元へ移動すると。


「ウガッ!?」

と変な声を上げるオーガを無視して足に手を触れると、


「?・・・!ウガーーーー!!」


頭よりは反応が遅い為、直ぐには結果は出ないのだが、何をしているか分からない魔物には関係なく、トロルと同じように頭やら胸やらを掻き毟りながら、次第に沈黙し、やがて倒れた。


その光景を呆然と見ていたレナだが、先ほどの剣士の状態を思い出したのか、急いで吹き飛んだ木の方へ向かって行った。


あーあ、あの状態で受け身も取れずに衝突したから、ヤバいかもなー?

・・・あ!待てよ?けどそうなれば、交渉次第で・・・むふふー♪

・・・コホン!まあ、一応魔石だけでも回収して、後は交渉次第だな。


そう判断した俺は、オーガとトロルの死体に向かい、口から吐き出された魔石を空間に回収した後、後でポチに喰わせるべく、死体を蜃気楼で周りから見えなくした状態で二人の少女に近寄った。


そして、剣士の状態を見るのだが・・・。


「これは・・・、脳震盪を起してるな。どうする?さっきの魔物2体から助けたのを合わせると、とても君一人の体では対価を払うことが出来ないけど?」


そういって、彼女に一応の判断を任す。


「それは・・・。けどこのままじゃー、お姉さまは・・・。」


へー、この人の方がお姉さんか。なら、早いな(どっちにしても同じだけど)

「どうする?さっき、遠くから見た様子だと、君が何かの準備の為の時間をこのお姉さんが護りながら作って居たんでしょ?そして、君の行動の遅さでお姉さんがよそ見をした結果。殴り飛ばされて、木に衝突した。この時点で俺が来ていなければ君たちは既に魔物の餌か欲望のはけ口だ。」


そこで、一旦話をやめ、彼女を見ると。

・・・うわー、可愛そうなくらい涙目になってるよ。(笑)

これは、もう一息だね♪


 「更に、もしココで、君の態度次第で俺も機嫌が悪くなれば、最悪このままお姉さんは死ぬか、近くに来た魔物の餌。そして、君も一人で逃げる道を選んだとしても、見た所前衛タイプで無い君ではこの森を無事に抜けられるとは思えない。結果として、この森で誰にも発見されることなく、二人とも魔物の餌だ。さあ、ここまでで君の意見を聞こう。・・・因みに俺の最低要求は、色々とこの世界に疎いから、世界の最低限の常識と、君の体を自由にする権利。勿論、考えを奪う様な真似はしないし、行為をするにも場所は考えてあげる。誰かに奪われそうになれば、俺が主として護ってあげる。・・・さ、君の意見を聞こう。」


そこまで聞いた彼女は、既にお姉さんの方を向いて手を握っている。

眼には涙も溜めている。


そして、しばらくし、やがて決心したように顔をこちらに向けると


「解かりました。私の体で良ければ好きにしてください。そして、お姉さまにも事情を説明して理解して貰いますので、先ずはお姉さまを助けてください。お願いします。」


そう懇願する様にいうと、俺の前に座り土下座をしてきた。

その時の俺の考えは・・・。

(この世界にも土下座があったーー!?)

とどうでも良いことであった。



「じゃー、要求は後で詰めるとして、手っ取り早くお姉さんを治そうか。」


そういうと、俺は透視を発動し、この人の脳から心臓、手足の先に至るまでの血流を見て、脳と心臓が特にダメージを受けていると判断。なので、躊躇うことなくこの人の上着を脱がせる。

この時、隣で見ていたレナが少し動揺していたような気配があったが、どうせ後日体を頂くわけだから、納得いて欲しい。

そして、脱がしたところで、この世界ではブラを着ける事が無いのか、直ぐに肌が見えて、形の良い、意外と白く先が綺麗なピンクの程よく実った双丘が見えた。

そして、心臓の上と頭に同時に手を翳し、心臓からのポンプの強さを少しだけ強め、頭に溜まった血腫を押し流し、口から吐き出させる。

この間わずか3秒の早業である。(神業ともいえる)


そして、呼吸が出来るように回復したお姉さんが


「・・ガハッ!・・ケホ・・ケホ・・!こ、ここは。・・・は!そうだ、レナ!レナは無事?」


といって、レナを探し


「ここよ、姉様。私は大丈夫、だから落ち着いて?」


そういって、落ち着かせるレナ。


そして、段々落ち着いてくると今の自分のプルンプルンと揺れている上半身裸の状態とレナの存在以外の人の気配(俺)がするので慌てて胸を隠し、俺を睨みつけてくる。

その眼を見た俺の冷たい視線にレナが気付き、慌てて姉に説明する。


「待って、姉さま。その人は私たちを助けてくれたばかりか、頭を打って危なかった姉さまの治療もしてくれた人なの。実は・・・」


そして、気を失ってからのあらましを説明すると・・・。

さっきまでの表情から一変し、何か恥ずかしいやら、何やら分からない顔で


「・・事情は解かりました。助けて頂いたことにはお礼を言います。ありがとう。そして、対価とやらも我々二人が貴方様の従者としてお供をすればよろしいでしょうか?勿論古代遺跡などもお供しますし、体も使ってくれて構いません。・・・ですが、一つだけよろしいですか?」


?なんだろ?


「なに?」


「一応、家族に生存の報告と貴方様の従者になるという旨を伝えておきたいのです。家督を継ぐのは一番上の兄がいますから問題ないと思われますので、報告だけです。」


「ふーん?一応聞くけど、家は近く?」


「この森を抜けた草原から南に歩いて一週間といった所の領地の中です。普段は余所者は入れませんが、私たちが居れば問題ありません。」


?今領地といったか?


「ねえ、領地って事は君ら。何処かのお偉いさんの娘?」


その質問にはレナの方が


「はい・・・、一応。この大陸の聖十二勇者の一人、魔道士クリム様の治める魔道国家クリムシュタットの<4色天>の一角。赤天家の長女が私で、その妾の一人の子供が姉リナです。」


おー、やっと姉の名前が判明。・・・気になってたんだよなー。


「へー、だから髪や目の色が違うのに顔や背丈とかは一緒なんだ。・・・で?なんで、二人だけでこんな所いたの?ハッキリ言わせて貰うと、こんな森に長い時間かけて取りに来るような物なんてないでしょ。」


そして、今度はリナが


「実は、最近領地の中で邪神復活の儀式をしようとする集団の噂がありまして・・・。儀式自体は何処でも出来る物なので特定は不可能というので、私たちがその儀式に必要な鍵をこの森の奥の洞窟に取りに来る事になったんです。こう見えて、私たちは領内では強い方ですから。他の実力者は領地の守備や周辺の警戒で忙しいので。」


「へー、さっきは見れなかったけど、特別な魔法だったの?」


「はい、一種の契約型の召喚魔法です。私はまだ、5分の詠唱で1分の召喚しかできませんが。成功すれば赤の大神クロムウェルを召喚できて、さっき位の魔物なら一撃で葬れるはずだったんですが・・・。まー、なんにせよ、助けられて、命を拾われたのですから、これからは従者として付き従います。」


 へー、魔法にも色々あるんだな。もしかして俺の特異体質も魔法か?

だったらいいなー・・・。それに、使役獣のポチもいるし、この子達も話に聞く通りだと、弱くは無いようだし、何気に強いパーティーになるのか?


あ、ポチの事で思い出した。さっきのオーガとトロルの魔石と肉を上げれば、また強くなるかも知れない。

そう思い呼ぶことにした。

{おーい、ポチやーい。聞こえたら返事ちょー?}{あ、なに?ご主人様。私ならいい子にして待ってるよ?}

{それがね。ポチの言ってた魔力の揺らぎの所で戦闘になって、魔物を倒したから、ポチに上げようと思ってな。一応、俺の風の糸が居場所を知らせてくれてると思うから、こっち来て?}{解った。今から行く。}



これで、よ・・・  


し、と思ったら。イキナリ上が暗くなって、見上げたら・・・。


「早いな・・おい!今会話が終わったとこだろ!二人に説明する時間位くれよ!」


「ごめんなさーい♪さびしかったから、急いできちゃった♪えへへー。」


・・・なんか、可愛くて怒る気も失せるな・・・。


「まー、いいか。ほれ、これが魔石だ。」


と、俺が放り投げてやると


「わーい。あーん♪」


と見事に二つの魔石を飲み込んだ。

そして、ステータスの確認の為、眼を閉じる


使役魔獣

名前 ポチ

階級 レベル6

魔力 8万

能力

ラーニング 


ファイアーバード

魔法 火 風 雷 

魔力 21万

属性 火

種族体質 気流操作

     不死の素質

     気圧操作


特異体質 

     王者の威圧

     魔力探査


ビッグホッグ

魔法 無 重力 身体強化

魔力 5万

属性 無

種族体質 筋力上昇


ゲルマンドーブ

魔法 無 重力

魔力 5万5000

属性 無

種族体質 自己治癒力上昇(大)


・・・この能力なら、オーガがゲルマンドーブで、トロルがビッグホッグと見るのが妥当だな。

しかし、あの鳥に比べたらしょぼいな・・・。

デカさといい、見た目といい、あの鳥が凄かっただけか?


まー、いいか。後は肉を喰わせて強くさせるだけだな。


「後は、そこに転がってる魔物の肉を食べとけ。あ、待てよ?リナ、レナ。」


二人を呼ぶと、ポチを見て今まで唖然としていた二人が我に返り、先に立ち直ったリナが


「なんですか?主様。」


「ああ、俺の名前は各務総司なんで、総司でいいよ。それと、食事は持ってる?無いなら、この肉を持ってくけど。」


「ああ、食事でしたらこの水晶に魔石を触れさせる事で欲しい肉が手に入りますよ?魔石によって等級の違いはありますけど、この森の魔物の魔石ならどんな魔物でもそれなりの味の肉になるんじゃないですか?」


そういって、何やら手持ちのバックからヘンテコな色の水晶を出して見せる。


・・・?なにやら見覚えがあるような?・・・ま、いいか。じゃ、肉は要らないってことで。


「じゃ、ポチ。喰っていいぞ。あ、これから移動だから、もしもの為に腹が一杯になったら言ってくれ。残りは晩飯にするから。」


「はーい。いっただっきまーす♪」


そういって、また凄まじい勢いで食うかと思ったが・・・。

ほぼ一口で体長3M級のビッグホッグの手足を一本ずつ食いちぎって食って、あっという間に一匹分を消化した。


「ふー。後は晩ご飯で良いよ?ご主人様。」


「おう!・・・それと。リナかレナに聞くが、使役魔獣の使役条件は知ってるか?」


「?いえ、召喚獣なら、召喚したい魔物別の魔法陣に己の血を垂らし、血の契約を「あ、それで思い出した。この世界で奴隷なんてのはあるか?しかも、口約束とかじゃなく、魔法で縛られた契約の奴隷。」・・一応ありますね。魔法陣が刻まれた奴隷の首輪が。しかし、それがどうしました?心配しなくても、首輪が無くても逃げませんよ?」


「ああ、その心配はしてない。唯、二人とも美人だから、いきなりどっかに連れ込まれた時、防ぎようのない時はあるだろ?だから、俺と主従の血の契約をして貰う。これは、いわばお前らの身を護る物だ。俺の血には変わった効果があってな?自分には意味がないし、少量でも意味が無いから分からないんだが。大量に血を与え、その相手からも貰うと、その相手に致命傷の様な危害が加えられそうな時は除いて、相手に電気が走り、感電して場合によれば相手を殺せる者だ。例えば無理矢理凌辱されそうになった時は、先ず助からない。・・・まー、欠点はいきなり斬りつけられたりした時は反応しないことだな。あくまでこれは、意識のある場合の話だ。・・それで、だが、契約してもいいか?」


俺の質問に、二人は顔を見合わせ、共に笑い、頷いた。


よし、んじゃー、血の契約の道具(唯の輸血用の道具だが)を出して、血の譲渡と行きますか。


そうして、俺が空間から道具を出すと、また横で驚く気配がしたが、敢えて無視して準備を急ぐ。


「・・・よし、出来た。まずはレナ。こっち来て。」


「はい。」


「ちょっと、チクッとするけど大丈夫だから、怖くないからね?」


「解かりました。」


そういって、無駄に緊張するレナを余所に淡々と準備を完了し、セット完了。


「よし、後は・・・一時間くらいかな?その間の周りの警戒と護衛はリナとポチに任せたよ?」


「うん(はい)」


そして、心配した魔物の襲撃も起こらず(実はポチが王者の威圧を垂れ流しにしていた)、リナと交代し、更に一時間の血の交換をして、契約は終了した。


「これで、俺流の血の契約は済んだけど。召喚獣の血の契約は?」


「はい、魔法陣に血を垂らして、血の契約をしたら、後は壁や地面など接地面のある所なら、何時でも召喚したい召喚獣を呼び出せます。それに、用が済めば帰っていくので食事の心配も要りません。難点はその魔法陣を手に入れる事が凄まじく困難な事と、他の契約者が使っている場合があり、場合によっては呼び出しに応じないことですね。更に、これはかなり稀なのですが、詠唱召喚と媒介召喚ですね。両方とも条件はその召喚の名前の通りです。しかし、ハッキリ言ってあまりいませんね。使う魔力がけた違いですから。召喚獣一体呼ぶのに掛かる魔力が最低10万と言われてますから。・・・そして、残念ながら使役獣召喚は聞いたことが有りませんね。」


んー?じゃー、俺のはなんだ?特異体質か?・・・分からん。まー、もう一つ。


「んじゃー、この森の中で魔法を使える魔物は何種類いる?」


「・・・全部で5種類ですね。さっきの魔物2種はどっちかというと使わない部類ですし。」


「じゃー、全部の魔物の魔石を一通り手に入れようとしたら、どれ位かかる?」


「あー、それは殆ど掛かりませんよ。強さとしては、さっきのビッグホッグ達の方が厄介ですから。それに、良い魔石を取ろうとしたら洞窟の方が良いですよ?奥の主の強さは桁違いですが。手を出さなければ襲われませんから。」


「んー。まあ、今はこの森にいる奴のだけでいいか。それぞれ、特徴を教えてくれる?」


「あ、それならそれなりの大きさの魔石が何個かあれば辞典がでます。」


「・・・なんか便利な水晶だね、これ。」


「ええ・・・。何でも、この世界の管理者の神はひたすらに強い者が好きらしいですから、強さ以外の物なら大抵は揃います。ま、強さにも色々ありまして、技術なんかが要る物、例えば魔道具や装飾品は出ませんが?情報なら、魔石次第です。その魔石も強くなければ手に入れる事は出来ませんが。・・・・っと、この位あればいけますね。」


といって、拳大サイズの魔石を5.6個を取り出した。

・・・魔石だと情報料が高いのか安いのか分からんな。

その後、その魔石を水晶に触れさせると、あら不思議。

魔石が砕け散って、代わりに水晶から辞典が出てきたではありませんか。


「・・・はい、これが辞典です。これからどうするんです?」


「ああ、これから少し狩をするから、このポチと一緒に待っててよ。」


「・・あ、それなら、知識という面でレナを連れてってください。色々と役に立ちますよ?」


「?じゃー、行こうか。レナ。」


「はい!」


こうして、魔石狩りに出発する事になった俺だった。






     


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