王都への旅路6
アンキ、マナ、クロの二人と一匹は海上をグラックーの背にのって進んでいた。天気は快晴、海も穏やかなのにグラックーが警戒の鳴き声を上げた。
ぐわほー
「どうしたグラックー、何かあるのか。」
「でもアンキ、どこもなにも見えないけど。」
キュウ キュン
「やっぱりなにか来る、ほらみろ、クロもおびえているだろ、なにかが近づいて来ている証だ。」
ばっしゃーん
海中から、いきなりデカトビが飛び出してきて、
「おそい!」
アンキに斬られた。
「アンキ、そいつは、囮よ。」
マナの言った通りそのデカトビに人は乗っていなかった。
「今頃気づくたあ、どんくせえ奴らだな。」
声がして3匹のデカトビが海中から飛び出してきた。
そして飛び上がるとその内一匹がアンキ達めがけてつっこんできた。
「グラックー。」
グオー
そしてグラックーのしっぽが起こした波で海中にひきこまれた。
「これにこりたらもう攻撃をしてくるな。」
アンキが叫ぶと、
「俺たちの本気はここからだ。」
そういって残りの2匹に乗った海賊が鉄砲を撃ってきた。
「うわ、アンキやっつけちゃってよ。」
「無理だ、てきがはやすぎる。」
飛び回りながら銃を撃つ海賊の銃撃から逃れるのがやっとのアンキ、マナ、クロは逃げ回っていて反撃できる状態ではなかった。
が、戦っているアンキ達から5キロも離れていない所にセンリュウオウがいた。いち早く異常に築いたグラックーは回避行動を開始したがデカトビ達はまるで気づいていない。
そして、センリュウオウの渦巻きにデカトビがのまれた。
「助けてくれー。」
「くそおおグラックー何とか逃げろー。」
「アンキ、大丈夫なの?」
「大丈夫、ここは海、海上でグレンドクランにかなうモンスターはいない。行くぞグラックー!!」
アンキは、グラックーの背に立ち思いっきり剣を振った。
ものごい音がして、空気の刃がセンリュウオウを襲った。
だが、センリュウオウは何とも感じないようでのんきに進みつつける。
「何とか逃げられないの?」
「くそっ全く効いてない。無理だ、もう少し早く気付いていれば何とかなったかもしれないけど気付くのが遅かったんだ。もう一発おみまいしてやる。」
アンキが何発打ってもセンリュウオウはびくともしない。それどころかグラックーが疲れてグラックーとセンリュウオウの差が縮まってきたのだ。
「くそおっこれまでかよっ。」
その時、アンキの放った痛恨の一撃が当たった。しかし、これまでの斬撃とは違って、刃の後ろに竜巻が発生したのだ。
だんだんセンリュウオウが海に押し戻されて、とうとう、センリュウオウは去っていった。
「今のは、何だったんだ?。」
「さ、さあ。」
・・・・・・・・・・・・
「ありがとうグラックー、またなー。」
ブウホー
アンキ達は、グラックーと別れて島から王宮の近くにある門へと続く道を探していた。すると、
「私の謎々を解けたらアドバイスをやろう。」
と、言う謎々ばあさんにであった。
「よし、お前の謎々、受けて立とう。」
「だが、失敗したら教えてやらない、チャンスは一回だけじゃ、それでもやるか?」
アンキとマナはしばらく相談していたが、
「よし、それでもやる。」
「ほう、よく言った。では問題、雷龍、火龍でやってくる龍はどちらだ?答えはだじゃれになっておるぞ。」
「ふん、それくらい簡単だぜ。答えは雷龍だ!。」
「正解、だがそのわけは?」
「雷龍を来龍にすればやって来る龍、になるからだ。」
「よくぞ答えた。そちらの探す物は人混みの脇にあるじゃろう。これがアドバイスじゃ、ではまたな。」
そういって謎々ばあさんは去っていった。
「さて、人混みはどこだあ。マナお前も探せ、二手に分かれようお前は市の西へいけ、俺とクロは市の東へ行くから。」
「わかったわ。」
さて、市の東に向かったアンキとクロは、結局道は見つけられなかった。
一方、市の西へ向かったマナは、うまく道を見つけられた。何しろ、他の家や建物はみんなハウタケや木造建築、大理石で作られた建物であるのに対し、その道の入り口、門は鉄でできていたのだ。
「ふーんこれが、と、どうみてもここだけ世界が違うよな。」
そして、宿や売店、レストランが近くにいっぱいあった。
「ねえアンキ、どこが私たちの通る門なの?」
「簡単だよ。マナ、武器を開いている門の脇にある穴に差し込め。」
ガキッ スポッ
アンキとマナが武器を差し込むと、門の上に、王宮前行き、と光の文字で浮かび上がった。
「よし、行くぞ。」
「え、ちょっとまちなさいアンキ。」
アンキとマナとクロは王宮前行きの門へ飛び込んでいった。
つづく
これから旅の出ます。「3日」なので物語りはかけません。