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ちびっこ殿下の大激怒

作者: 稲井田そう
掲載日:2026/06/17

 婚約者との仲がそこそこ悪い。


 十八歳の頃に婚約が結ばれ、現在、互いに二十五歳。


 敵国同士とか立場上対立しやすい家同士の結婚ならまだしも、一国の殿下と王家派閥の身内枠貴族令嬢との結婚なので、周囲からは協力関係が築けるのではと期待されたが、無理だった。


 分かりやすく、殿下が私を人として好きじゃない。それでも私は次期王妃なので、日々教育も受けている。


 今日は「他国に招待された時の為に他国のダンスを学ぶ」という時間が設けられたが、その他国の講師が悪天候により来れなくなった。


 講師の国は魔法と呼ばれる摩訶不思議な力が存在していて、よく分からないけれど魔法の力によって悪天候の規模が無い国より酷いらしい。


 炎を纏う竜巻や、上からじゃなく下から轟く雷があるそうだ。


 薬を鍋で煮たりするのか聞いたら「おじいちゃんおばあちゃんの頃の話ですね、他の国にはそう思われてんだ」とショックを受ける国である。


 魔法のない国からは想像もできない悪天候なのか……と不安になるも、国境付近の魔法を使っていい所と使ってはいけない所の、微妙な位置が悪天候らしく、規模はそうでもない、場所だけが問題らしい理由という、なんとも微妙な気分になる変な空き時間が発生した。


 退屈しのぎに読書をしていると、ソ……とドアが開いた。基本的にこの国では王も王妃もノックを行う。襲撃の可能性かもしれない。身構えていれば殿下そっくりの子供が現れた。


 隠し子では。


「婚約者を疑うなんて!」と批判されそうな発想という自覚はあれど、どう考えても殿下そっくりだった。


 この類似性で商品展開させれば盗作という嫌疑がかかるくらいのそっくり具合。これで血縁関係がなければ、それこそ幼い殿下を模して内乱や侵略を企てている犯罪組織が殿下そっくりの化け物を作ったとか、そういう国民全体を巻き込みかねない犯罪方面の可能性になるので、最悪だけど隠し子のが200倍マシ、平和まである。


 殿下そっくりの子供はジーッと私を見た後、きょろきょろ頭を振って周囲を確認している。3歳くらいだろうか。人間の成長過程の初期ではなく、頭のほうが大きいちんまりの生き物という印象を受ける。


「えへへ」


 殿下そっくりの子供は嬉しそうに笑ってこちらにやってきた。かわいい。


「ちおちゃん」


 しかし名前を呼ばれた瞬間、一気に怖くなった。


 何でこの子私の名前知ってるの?


 一瞬怖い話の導入の世界に巻き込まれたのかと疑った。私の名前はレティーツィオ。よく間違えられるが、レティーツィアではない。小さい頃は「男の子みたいな名前ね!」と何度言われたか分からない。この国では男性の名前の末尾がオであることが多いから。名前の由来は両親が男の子を望んでいたから。そういう理由なので、名前の由来を話すと空気を凍らせることになる。


「ちおちゃん」


 そして殿下そっくりの子供はツィオが言えないのか、「ちおちゃん」と呼んできた。


「こんにちは」


 年齢が二桁を超えていたら「どちらさまでしょうか」と切り返すが、相手は子供。殿下そっくりの怪異の可能性はあれど、軽く視線を合わせた。目の色も同じ。隠し子では。


「ちおちゃん」


 殿下そっくりの子供は、私に近づいてくる。椅子に座って読書をしていたけれど、子供の身長は座っている私の膝の高さを少し越すくらいだ。身をかがめるか床に座るか考えているとバタバタと足音が響いた。


 ダンッとノックもせずに入ってきたのは、賊ではなく殿下だった。


 勤勉そうな面立ちで、普段も政務を淡々とこなす姿は民からの評判もいいが、そういうのを全て取り払うと、無口で、一応人を拒絶するわけでもないが、愛想よくしていても何を考えているかよく分からず、少し踏み込むと壁を作る印象が強い。他国との会談で、花嫁込みで普段どういうところにデートに行くか、といった話になると気配を消そうとしたり、そういう些細なところで、存在感を0にする特技を持つ殿下である。


「その、子供」


 殿下が複雑そうな表情で子供を指さす。


 やっぱりなと思った。だって私に関心があると感じた瞬間が本当にない。他人のことはよく褒めるが私について肯定した記憶もない。議事録にも無いと思う。


 とはいえ、一応婚約関係にあり、私は城に住んでいる。登録されている現住所も城だ。


 結婚は諸々の喪が重なり式を上げていないだけで、国民からすれば実質夫婦であり時がきたら挙式という状態だった。責める権利が法的にどうなってるのかは微妙として、個人的に軽蔑するくらいは許されるだろう。


「この子の母親はどちらに」

「違うっ」


 浮気した相手、「違う」「そんなつもりじゃなかった」と言いがち。小説で読んだ知識だけど典型だなと眺めていれば、「その子は、俺です……」と殿下は声を震わせた。どういう感情で声が震えているのか分からない。今までは殿下の気持ちを考えようと思っていたけど、こちらが配慮するたびに後悔するような出来事が連続したので、最近は考えることをやめていた。


 殿下そっくりの子供に視線を向ければ、子供は殿下をギロっと睨んでいた。


「ばかおとな!」


 ばかおとなってなに?


 バカ大人?


 混乱していると、開きっぱなしの扉から他国のダンス講師や、政務官たちの姿が現れる。ダンス講師は私のそばにいる子供に気付くと、「レティ―ツィオ様」と私の名を呼び、告げた。


「その子供は殿下の、本能にございます。御心の具現化なのです」



◇◇




「人は年を重ねるにつれ、正直に本音を話すことが難しくなっていくでしょう。幼い頃から大人に並んで気を遣ってきた子供たちもいますが……そうして、隠していた本音や、押さえてきた気持ちが、こうして実体を持つことがあるのです。殿下は──それですね」


 ダンス講師が語る。経緯としては、国境の悪天候が収まりダンス講師がササっとこの国にやってきて、入城も済ませると、大広間にて殿下が発光し始め、明滅が止むとこの子供がぽんと出てきたのを目撃したらしい。


 魔法のある国で言う、筋肉痛みたいなものらしい。


 魔法が使える人、魔法で出来た物に関わると、こうして魔法の国由来の事象がこっちでも起きる。


 こちらはこちらでしか発生しない害虫が向こうに飛んでったこともあるので「魔法が在る国と関わるとろくなことがない!」といった嫌悪はない。国民もそうだ。


 だって魔法の国由来のものは、こうしてファンタジーな感じの問題だが、こちらの国が向こうに渡らせてしまったのは、夏の台所で見かけると最悪な気分になる虫、血を吸った後かゆくなる虫、毛も足もおびただしい量ある虫と、ろくなものじゃないから。


 逆に魔法のある国がどうして自国に関わってくれるか分からない。「ドラゴンと比べたら全然」と言うが、ドラゴンと遭遇したことがないので分からない。


 そんなこんなで殿下の本音の塊が具現化したらしいが……その子供はといえば、殿下を睨み続けていた。


「ある程度本音を出しきったら、自然と戻ります」


 ダンス講師が子供を見る。


「自然とって……?」


 私がおそるおそる訊ねると、ダンス講師は「後ろから飛び掛かったりとか、そのまま直進して、突っ込むみたいな」と付け足した。危ない。殿下に目を向ければ、殿下は疲れた顔をして子供を見ていた。


「ちおちゃんいじめてばっかり! ばかおとな! きらわれたらどうするんだ!」


 子供が怒る。そして潤んだ瞳でこちらを見上げてきた。


「きらわないでちおちゃん。いなくなんないで。みすてないで」

「まぁ、婚約してるのでいなくなれないですよね。いなくするのは殿下なので」


 私は殿下を見た。殿下は気まずそうに俯く。殿下は私を好きではない。よく小説のヒロインが「相手は私のことなんて好きじゃないはず!」なんて言うけど、現実は違う。普通に、殿下は、私のことが好きではない。仮に嫌いではなかったとしても「うっすら扱いづらい、廊下で見かけると避けたくなる、自分からは決して遊びに誘うこともなければ相手からの誘いにも断じて乗らないが、適当に挨拶もするし込み入った話もしなくはない何か」くらいの認識だろう。自分で言ってて悲しくなってきた。国がいけない。殿下の婚約者としてぴったりな年齢と家柄だったことがいけない。向こうはただただ政治がしたいだけ。こちらが夫婦としてとか気持ちを通い合わせてなんて思ったのが悪い。おしまいです。


「ばかおとな!」


 子供が怒りだした。ダンス講師に視線で助けを求めれば、講師は殿下に「好きな子ほどいじめたい気質なんですか」と冷静に問いかけた。


「いや、そういうのでは」


 殿下は冷静に否定した。私もそういうのではないと思う。殿下は世間一般の加虐思考を持ってるようには見えない。そういう能動的な雰囲気はない。ただただ、たまにこちらを助けるが、好意は一切なく、見捨てると見捨てるで自分が悪い人間っぽくなるのが嫌な、そういう人。ある種、人間らしい人とも言える。この先殿下が勇気を出す瞬間もあるのだろうが、私がその機会に関わることは決してないのだろう。それが無性に辛くなる時がある。今だって殿下は受動を極めている。自分の子なのに。自分の子って言うとあれだけど。自分の自我の塊がこうして実体化して動いているのに、殿下はこの時間が過ぎること、この時間をやり過ごすことに注力しているようだった。


「自分が駄目なやつって思われるの本当は嫌なんでしょばかおとなは!」


 静まり返った部屋に子供の声が響く。


「え」


「助けてもらったり優しくされると、みじめなきもちになって、助けなんていらなかった優しさなんていらなかった! もらってないってことにしたり、貰った、優しくされた、自分はそんな助けてもらったり優しくされる人間じゃないって否定して、ちおちゃんいじめて! ばかおとな! かっこわるいくせにかっこつけて!」


 子供が殿下に向かって怒る。


 それだったら好きな子ほどいじめたい気質のほうが200倍マシな気がしてきた。


 殿下、そんな根深いんだ。つまり私が殿下に否定されていたのは、殿下の中で私が近い存在になり、殿下の自己否定に私が巻き込み事故をされていた可能性がある。


「つぎにちおちゃんいじめてみろ! おまえはぼくなんだからな!」


 子供が殿下を指さした。


「ぼくがすっぽんぽんなってあばれてやる‼」


 すっぽんぽん?


「そしたらおまえはすっぽんぽんであばれるやつだ!」


 子供が言う。


 なに?


 実行されると困るので慌てて抱っこして押さえた。


「はだかのおうさまだぞ!」


 子供は何度も殿下に指を差す。ダンス講師を見れば、「ご本人の本音ですから」と答えるが、殿下は視線を落とし居づらそうにしていた。怖いよ。自分が自分の尊厳を脅すって。殿下の中は、どうなっている?


「ちおちゃんいままでごめんなさい」


 子供はこちらに振り向く。


 できればこの話題でこちらに照準向けないでほしい。


 すっぽんぽんという単語が入った話題に関わりたくない。


 というかなんで罰に露出を選んでいるんだ。周囲にそれを強要した人間がいるのでは。殿下の幼少期に何かあったのでは。


 疑いを深めていれば、大きな声が響いてきた。騎士団長と副騎士団長の声だ。


「絶対いけるって! 絶対この順路のほうが早いって」

「絶対違う……方向音痴の癖になんでいつもそんな自信満々なんですか……」

「今回は大丈夫だって」

「絶対大丈夫じゃない……」

「大丈夫、大丈夫。これでもう、駄目だったら俺国民の前で出すよ! 出す出す! もう俺出すよそしたらじゃあ!」

「だからそれやめてくださいっていっつも言ってるじゃないですか。誰も求めてないですし……殿下の前でも言ってましたよね。あれ普通だったら打ち首ですからね、きたない……最低」

「俺の父親も爺さんも一家代々それでやってきてんだよ。なんだお前金持ちに生まれたからってガチャガチャ言いやがって、お前上に立つ人間なら出すもん出さなくてどうすんだ! 」

「お金とか領地とかを、ちょちょいって」

「お前が上なら出せよお前がぁ~金と土地なんか関係ないだろ、心だ!」

「うるさいうるさい……もう、うるさいっ……だから平民の下につくなんて嫌だったんですよ僕は……っていうか上がそういう責任の取り方すると、僕らだってそういうことさせられかねないんですからね?」

「え、そ、そうなのか⁉」

「そうですよ。なんでそんなことも分かんないかな……騎士団長はそれを男気だと勘違いしてますけど、絶対騎士団長よりバカで愚かな奴が、余計酷いことしたりするんですよ。だからもうここで止めないと」

「そうなのか……」

「はーあ……もっと頭いい人の下で働きたいなぁ……でも、もっとバカな副騎士団長になったら止める相手がいなくなる……はーあ」


 犯人が分かった。


 殿下は立場上、騎士団長と接する機会がある。確実に影響を受けているのだろう。


 というか他国の人間にとんでもない会話を聞かれてしまった。下品すぎる。もう何か、王宮内の爛れた関係みたいなゴシップのほうがマシな気がする。どうしてこんな二択ばかりなんだろう。右と左、赤土の泥で汚れるか普通の土で出来た泥で汚れるか選ぶみたいな。どっちもダメ。


 そして殿下は存在感を消していた。殿下いつもこう。大事なところで気配を消す。本人は邪魔しないように務めているつもりだが……導け、エスコートしろとは言わないが、私を主体にしないでほしい。


「ぼくうまくできないけどゆるして」


 ちびっこ殿下が目を潤ませた。殿下本体に対して募る不安が、少し和らぐ。見た目でこうも違うとは。他人の容姿について今までどうも思わなかったし、殿下についても、女性陣が好みそう、周囲に優しいとか穏やかそう、真面目そうと好印象が初回で残せそうで羨ましいと利便性に目がいっていたが、視覚評価は侮れないのかもしれない。今度ダンス講師に年齢問わず全員幼子に見える魔法かけてもらおうかな。そうしたら色々、心穏やかに暮らせる気がする。


「へたくそだけど」

「大丈夫ですよ。あと、人間脅すのは駄目です。服はお風呂以外で脱がないこと」


 私はちびっこ殿下の頭を撫でた。「えへへ」と照れ臭そうに笑うちびっこ殿下に少し安堵してから、殿下の本体を見据える。


「……もしかして殿下って、初対面は完璧、その後どんどん化けの皮が剝がれてきて慣れてくると本性が出て、本性が少し出るたびに、何事もなかったことにするために否定に入り、自己嫌悪してぐちゃぐちゃになる気質ですか」


 視線が合わないが、「別に」と素っ気ない返答が飛んだ。


 当初の殿下は愛想が良かった。段々愛想が死んだ。無くなっていくというより死んだ、というのが正しい。てっきり嫌われたのかと思ったが、この幼子の感じを見ると最初の頃は緊張で明るい皮を被りおかしくなっていて、段々慣れてきて落ち着いてきて、自分でも帳尻が合わなくなったというほうが辻褄が合う。


 確かに最初は第一印象が肝心だし、初対面の相手に高圧的に行く人間も少ないだろう。私はどちらかといえば高圧的に振る舞ったけど。舐められたら終わりなので。ほぼ男として育てられ「舐められるな」が家訓だったから。


 一方の殿下は、そんな私に歩み寄ろうとしてくれた。なのでいざ勇気を出して近づいてみたら、理想が高いとか他の令嬢みたいに振る舞えばとか言い出したので、どうしていいか分からなくなった。


「他の令嬢みたいにしろって言ったのは何なんですか」

「いや普通に、話の流れで。いちいちそんな突かれてたら困るんですけど、何も言えなくなりますよ」

「変わっちゃったらいやだから! 変わらないでねっていいたかったのー!」


 殿下の嘘をちびっこ殿下が暴く。


「てっきり私のことが嫌なのかと思いました」

「……受け取り方が後ろ向きというか、気にしすぎじゃないですか。別にこっちの言葉をそんな、いちいち重く受け止められても困りますよ」

「おいばかおとな! 嘘つくな! 本当は話聞いてもらうの嬉しいのに! お前が嫌なのはちおちゃんが傷つくことだろ! 傷つけるのおまえなのに!」


 殿下の否定に対し、ちびっこ殿下は地団太を踏んだ。


 殿下は私を否定するし否定の言語は確かに出てるわけだけど──本音は違ったのかもしれない。というかその証明として、ちびっこ殿下がいるわけで。というかちびっこ殿下は殿下について辛辣だけど、殿下は自責する気質なのだろうか。黙ってる間、自分を責めて……?


「まぁ、私も、決めつけすぎましたね」


 本人は大変だろうけど、ちびっこ殿下にはしばらくいてほしいと思った。




◇◇◇




 隠し子問題になるといけないので、小さい殿下が現れたことは早々に発表の運びとなった。発表前に元通りになったらどうしたものか、と報道官が心配していたが、普通に元に戻らなかった。隠していた本音が多ければ多いほど、実体化および分離の時間は長いらしい。


「……多かったんですね」


 私は殿下に声をかけた。殿下は「何がですか」とこちらに怪訝な顔を向ける。前までこんな顔するのだから私のことがよほど気に入らないのだろうと思っていたが、ちびっこ殿下いわく「じぶん悪いことしちゃった?」の顔らしい。分かりづらすぎる。


「なんか、言わずにいてくれたことというか、悪く見られないようにする、みたいな努力に、気付けなくて、申し訳ないな……と思って」


 私は殿下に視線を合わさず告げる。


 殿下は私に関心がないのだとばかり思っていた。殿下は「普通に、婚約者なので」と返す。前までその返事の短さに不満を持っていたが、たぶん彼なりの精一杯なのだろう。申し訳ないことしたなと少し反省した。普通に、そういう精一杯に気づけずにいた。復縁ものの小説で主人公がこういう思考に至っていたら、ふざけんな、なんか洗脳されてるのではと思えど、本当に申し訳ないと思った。完全に敵扱いしてたから。私も、子供みたいに拗ねていた。


「別に、こっちのことは、どうとでも」

「やだあああああああああああああああ傷ついたあああああああああああああかなしかたああああああああああああなんでうたがうの! ぼくみてってずっとおもってたあああああああああああああああああああ。ひどいよひどいよひどいよ! ぼくだってがんばってたもん‼ いっぱいいっぱいだったもん! それにちおちゃんすっごい疑い深いもん! たいへんだもん‼ うわああああああああああああああああああああ」


 そばにいたちびっこ殿下が絶叫する。ここ最近ずっとこう。殿下の本音が筒抜けだった。正直同情する。私だったらもう、部屋から出ないから。知られたくないし。色々。そう思っていると、目の前が突然発光した。


 嫌な予感がする。


 ダンス講師に殿下が発光したと聞いて、人間が光るってめちゃめちゃ面白いなと思ったけど、他人事じゃない。まずい。


 光の明滅がおわると、案の定だった。


「おいちおいち、かわいっ。かわいいねえ。かわいいねええええええええええええ! 殿下かわいい。殿下かじる。おいちおいち」

「ふええ」


 私の幼体が、ちびっこ殿下をかじっていた。



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― 新着の感想 ―
「 薬を鍋で煮たりするのか聞いたら「おじいちゃんおばあちゃんの頃の話ですね、他の国にはそう思われてんだ」とショックを受ける国である。」 「だって魔法の国由来のものは、こうしてファンタジーな感じの問題だ…
もっと読みたい..もちょっと読みたい... と思いながらも、最高の終わり方...ふふふふ.. 絶叫ちびっこ殿下最高... 読ませてくださってありがとうございました
なんでここでおわりなのー?!?! ここからが!!みたい!!のにー!!! ここからも!!みたい!!のにーーー!!!!
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