独白(その3)
私、昔から、どうして私たちに性欲があるのかって、よく考えていた。
「種の保存のため」なんて言われるけど、本当にそれだけか、って。
種の保存って、要するに子どもを産むことでしょう?
確かに、性欲がなければセックスしたいなんて思わないし、子どもはできない。
でもね、私、セックスしている最中に、子どもが欲しいなんて考えたこと、一度もないの。
ただ、気持ちよくなりたい。それだけ。
「それは、あなたが本当に好きな人とセックスしていないからよ」
そう言われたこともある。
でも、それって本当なの?
子供が出来た後で相手を嫌いになる事だってあるんじゃないの?
私、この手の、中途半端な説明を、もっともらしく口にする人を見ると、どうしても冷めてしまう。
言う前に、もう少し考えればいいのに、って。
私の時間を無駄にしないで、そう言いたくなる。
……ちょっと脱線したね。
そう、それで性欲の話。
性欲って、ずいぶん早くから芽生えるでしょう。
小学生くらいで、もう身体は反応を覚える。
もし性欲が、子どもを産み育てるためだけに与えられたものだとしたら、
どうして、まだその能力も責任も持てない年齢で、芽を出すのかしら。
生物学的には「早熟な性的成熟」が進化的に有利だった、なんて説を持ち出す人もいた。
でも、全然ピンとこなかった。
だって、この進化の果てである今の日本で、そんな有利性が本当にあるの?
もしそれが本当なら、それは人類のバグじゃない?
じゃあ、私の性欲は、何のためにあるの?
こんなことを考えたところで、世界が変わるわけじゃない。
それは、最初から分かっていた。
それでも私は、自分の人生のかなりの時間を、この問いの答え探しに使うことになる。
たぶん、無駄だと分かっていながら、ね。
じゃあ、続きはまた今度。




