独白(その2)
中学と高校では、陸上部に所属していたわ。
中学に入学したとき、まずやりたかったのが「部活」。
「部活」っていう、何か新しいことが始まりそうな言葉に、ただ憧れていただけだと思う。
運動系のクラブに決めていた。
教室でやる文化系クラブもあったけど、「文化系クラブ」っていう響きが好きじゃなかったし、正直、何をするのかよく分からなかった。
いろいろ見て回った。
バレーボールやバスケットボールみたいな団体競技は、無理だと思った。
ポジションとかフォーメーションとか、ああいう堅苦しい制度がどうしてもイヤだったの。
水泳もいいな、と思っていた。
水泳選手が泳ぐときの身体の動き、フォームが好きだった。
他のスポーツと違って、水泳は身体の全部を見ることができない。
半分以上は水に隠れているでしょう?
それなのに、見えている部分だけでも、動きがとても美しくて、セクシーに見えた。
きっと、水の中の見えない部分まで見えたら、もっと美しいに違いない。
そんなふうに思っていた。
でも、水泳部の見学に行って、無理だと感じた。
顧問の男の教師が、紺の水着姿の女子生徒たちを、必要以上にチラチラ見ていたから。
結局、陸上部に決めたわ。
しかも、短距離。
長距離は死ぬほどイヤだったし、他の種目はフォームがどうだとか、面倒くさそうだった。
短距離なら、ただ十数秒、全力で走るだけ。そう考えたの。
もちろん、現実は甘くなかった。
練習は、死ぬほどキツかった。
でもね、陸上部という選択が、私を大きく変える入口だったなんて。
そのときは、想像もしなかったわ。
じゃあ、続きはまた今度。




