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彼と彼女のデザイア。  作者: さんまぐ
地球-襲われた地球。

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第94話 お兄ちゃんは凄いんだよ。

雲平は不要だと言ったが、日本政府はそうはいかないと言って警察に消防隊までくる騒ぎになり、その中で大魔法を試す事になった。

性能テストとでも言いたいのか、いらない車とか機動隊のコスプレをしたマネキンが用意されて、「さあ撃ってください」と金太郎くらいの年齢の偉い人に言われて、雲平は「見られながらやるの嫌すぎですし…カメラで撮ります?」と言って肩を落としてからマネキンを指差して、「あれ、何体あります?一回で壊れますよ?」と言うとバニエが「ご安心ください。20体は用意させました」と言う。


雲平はそれならと言うと「ビャルゴゥ、聞こえる?シェルガイにいた時と同じ風に撃てるかだから、余計な手助けは不要だよ。皆にもそう伝えて」と指示を出してから氷結結界を放った。


校庭一面を覆った厚い氷に日本人達は目を丸くして、バニエですら「こんな完璧な氷結結界は見た事がない」と言う。


だが雲平は知ったことではないし、待ったなしで「溶かすよシュザーク、インフェルノフレイム」と言って校庭を焼き尽くす炎で氷を溶かすと、そのまま「ラピッドウェイブで土を冷ます」と言いラピッドウェイブを放ってからシュザークウイングで空を飛ぶ。


「降りたら次に行きますからマネキン並べてください」


そんな雲平の声を聞きながらアグリと手を繋ぐあんこは、「ふわぁ〜、雲平凄いんだね」と言うと、「うん、お兄ちゃんは凄いんだよ」とアグリが答えた。


消防隊と警官隊は消滅した車とマネキンを見て言葉を失いながら、次のマネキンを並べ終えると、雲平は超上空からウォーターガンで狙撃をしてから距離を詰めて、シュザークウィングの自動攻撃とウォーターソードの切れ味の確認を済ませると、一度着地をして「さて、本番だ」と言い、残りのマネキンに向かって「スェイリィ、行くよ。サンダーフォール!サンダーボルト!サンダーデストラクション、アースランス!」と言い魔法を放ち、「グェンドゥ、お待たせ。風塵爆裂」と言ってマネキンの全てを破壊した。


KEEP OUTの外には人だかりが出来ていたが、雲平には関係なかった。


「シュザーク、スェイリィとグェンドゥには恩恵はなかったと伝えて」

「こちらでも確認した。ビャルゴゥと私は肩代わりが出来たが、それでも減衰をするな」


雲平は手元を見て「うん。それは感じた。とりあえずスェイリィとグェンドゥ経由で、ミスティラとシェイクさんにはその旨伝えて」と指示を出した。


「やっておく。だが安倍川よもぎは試させないのか?」

「ダメだよ。地球人の周りで見せて、アグリだけでも日本にとか言われたらダメな奴だ」

シュザークはシュザークウィングから日本の景色を見て「…そうだな」と答えた。


小さくシュザークとやり取りをした雲平は、バニエに「ありがとうございました。撃てますけど、神獣武器を持ち込まないと魔法力は全部俺に依存しますね」と言った。


「き…君は本当に全ての大魔法を放てるのだね…」

「ええ、まあ。カヌレさんも鍛えたから風魔法を使えますよ」

「鍛えられるのかい?」

「はい。とりあえず俺は休憩しますからウチのアグリに念入りに、ホイップくんは適当に氷魔法を見てあげてください」


雲平は言うだけ言うとあんこの横に行って、「あんこ、喉乾いた。ジュース買いに行こう。アグリのは俺が選ぶからホイップくんのを選んでよ。あ!あの臭いコーラみたいなやつにしてみようかな」と言うと、あんこは呆れながら「まったく、でもこうしてると雲平なのに、魔法使って空飛んでドカーンって凄いね」と笑う。


「そう?別にそんなもんだよ」

「ふーん。まあいいや、ジュース買って休憩したら帰らなきゃ、酢飯沢山だからお手伝いしないとお婆ちゃんに怒られちゃうよ」


「うわ、確かにだね」と笑った雲平が歩くと、人だかりは蜘蛛の子を散らすように散り散りになりながら、「あの子、安倍川さんの」、「シェルガイに行ったって」、「それはご両親でしょ?」、「でも飛行機でデカい龍を倒したらしいわ」なんて声が聞こえてくる。


雲平は知った事なく自販機でジュースを買って戻ると、アグリとホイップはバニエからアイスウェイブを教わっていて出来を褒められていた。


「雲平殿、この2人に教える事なんて…」

「え?そうですか?」

「ジヤーではわかりませんが、レーゼなら戦場に出られる実力ですよ」

「まあウチのアグリは可愛いし、ビャルゴゥ護衛隊の一員ですから」


「この若さで護衛隊とは凄いですね。ですが雲平殿の大魔法を見た後では、見劣りするのか周りは退屈そうですね」

「ええ、それが狙いです」


「お兄ちゃん?私もビャルゴゥリングを試す?氷結結界は?」

「ううん、アグリは可愛いだけでも大変なのに、大魔法まで撃てちゃうと、シェルガイに帰したくないとか言われそうだから見せないよ。隠し球だよ」


アグリはそこまで考えていなかったので、羨望の眼差しで見てくる群衆をみて身震いしてから、「ありがとうお兄ちゃん」と言って缶ジュースを見て、「これ、どうやって開けるの?」と聞いていた。


ジュースの美味しさに驚くアグリを見ながら、ホイップには「ホイップくんはやれる所を見せて、日本に残ってと誘われたら自分で断るんだからね」と言うと、真っ青な顔のホイップが「え!?帰れない!?」と聞き返す。

あんこが「大丈夫。雲平はこんなこと言っても助けてくれるよ。キチンと断れる人になってねって話だよ」と教えてしまう。


雲平は不満気にバニエにミルクティーを渡して「どうぞ」と言うと、バニエは感謝をしたが「私はそんなにミルクティー顔でしょうか?」と聞いて来た。


勝手に英国騎士顔と思っていたバニエを見て、ミルクティーなら喜ぶかと思った雲平だったが、話を聞くと本庁でも親しくなった日本人達は雲平同様にミルクティーを勧めてくるらしい。

ちなみにバニエの好みは緑茶飲料だったので、あんこのほうじ茶と交換して貰って丸く収まった。


雲平のイタズラは止まらず、休憩中と言っているのにあんことアグリを逃すとホイップの図上にサンダーフォールを落とす。


いち早く察知したアグリが「ホイップ!上!!」と言うと、慌ててアイスウォールを発動させて直撃を防ぐホイップ。


「アグリは気付けて凄いし優しいね」と言って頭を撫でる雲平に、アグリが「お兄ちゃん、休憩じゃないの?」と聞く。


「ホイップくんは人生ずっと休憩をしていたようなものだから良いんだよ」と答える雲平に、あんこが「止めてあげなよ、ホイップくんが泣いてるよ?」と止める。


バニエは雲平の創作魔法が気になって教わりたいと言うので、ホイップに任せると1時間かかったがなんとかバニエもアイスウォールをマスターしていた。

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