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彼と彼女のデザイア。  作者: さんまぐ
シェルガイ-新たなる問題。

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第90話 クモヒラの婆ちゃんってそんなにやべーの?

雲平が戻ると、ミスティラとパウンドも戻ってきていて、パウンドは約束だからと言ってカヌレを抱きしめていた。カヌレも満更ではない顔をしている。


「ふむ。状況は聞き及んだ。どうする?」

「シュザークウイングとビャルゴゥリングは持って行きたいかなと思ってます。まあコジナーに入らないなら、シュザークウイングはいらないからシェイクさんに返しますけど」


「お前、持って行ける前提か?」

「ええ、なんとなくやれますよ」


「雲平、シュザークウイングは君が持っていってくれ。万一オシコが神獣武器を移動できないと思っていて、そちらに魔物を集中した時にはやはり神獣武器が無いと困る。こちらにはグェンドゥハンマーとスェイリィスピア、そして賢者ミスティラが居ればなんとでも出来るよ」


シェイクの言葉に雲平は「わかりました」と言った後で、「セムラさん、婆ちゃんが会いたがってますから行きましょう。アチャンメもキャメラルと来るんだよ?アグリのお姉ちゃんなんだからね」と声をかける。


「雲平さん?…はい。ご一緒させてください」

「マジか!私も良いのか!?」

「うぉぉ!これでスェイリィの服もアンコに貰えるぜ!」


ここでやや難色を放つのはアグリで、話の流れ的に仕方ないのだが、やはり日本は心細い。

だがこのジヤー城に雲平と離れて神獣武器の担い手として居るのは心細い。


「ごめんねアグリ。アグリとセムラさんとアチャンメとキャメラルを連れて行かないと、父さんがばあちゃんに殺されるからさ。でもゲートとウチと東北のゲートくらいで余計な所には行かさないから頼んで良いかな?」


雲平の背後では金太郎が必死に手を合わせて頼んでいて、アチャンメはキャメラルに「なあクモヒラの婆ちゃんってそんなにやべーの?」と聞いて、キャメラルは「んー…、レーゼのバニエはタジタジだったな。婆ちゃんならもしかしたらインフェルノフレイムもアースランスも撃てそうな気がする」と説明をしている。


「うん。お兄ちゃんが一緒にいてくれるな…」


そう言いかけたアグリだったが、「お兄ちゃん、ホイップも連れて行っていいなら行くよ」と言った。


起こるどよめきと露骨に嫌そうな顔をする雲平。

驚きのホイップとトラブルを見越して唖然とするアチャンメとキャメラル。


「アグリ?」

「ホイップに地球を見せてあげたいの!お父さんもお母さんも良いよね?」


金太郎と瓜子は、知らぬ間に娘が王子と仲良くなっていて困惑するが、「第二王子が帯同すれば来るのか?」、「本当なのアグリ?」と聞けば、アグリは「うん!お願い!」と言う。


ホイップの意見が気になるが、ホイップは置物のように周りを見るだけで発言をしない。


その事に苛立った雲平がホイップを指さして、「えぇ?こんなだけど氷魔法はそこそこ使えるよ?アイスウォールで俺のサンダーフォールに耐えたし、アイスウェイブでオークくらいなら凍らせられたし。ジヤーに居て貰えば?」と言うと、シェイクは「雲平!?君のサンダーフォールをホイップが防いだのかい!?」と聞き返してくる。


「まあ弱めだけど防げましたから戦力にはなりますよ」


雲平の言葉にシェイクは「凄いじゃないか!ホイップ!!」と褒めると、ジヤーの兵士達は雲平の戦闘力を知っているので、皆が「ホイップ様が!?」「やはり鍛えればシェイク様をお支えする存在に!」と感動を口にする。


ホイップは顔を真っ赤にして「僕はまだまだです」と言って照れていた。


「お兄ちゃん、私お婆ちゃんに会いたいし、お兄ちゃんの話を聞きながら寝たいよぅ」


これみよがしに甘えるアグリに、「アグリは甘えん坊だね。俺もアグリに俺の部屋を見せたいから日本に連れて行きたいよ」と返す雲平。


「でもホイップが居ないと行かないよぉ。ホイップには日本を絶対に経験させてあげたいの。お兄ちゃんお願い!」


アグリが可愛らしく手を合わせて雲平にお願いをする。


雲平がグラッと来たところで、アグリは更に「セムラ姫も行くんだよね?レーゼのお姫様とジヤーの王子様が来たら薬もたくさん貰えるよ!」と言い、効果的なんだとアピールをするが、雲平は「俺がセムラさんと活躍すれば平気じゃない?」としか言わない。


だがここには瓜子がいる。


「雲ちゃん、セムラ姫とアチャンメちゃんとキャメラルちゃんも来るのよね?皆が来るなら、お母さん久しぶりに雲ちゃんの好物のグラタンを沢山作ってあげるわ」


一気に飯の顔になった雲平は、「仕方ない。でもうちに泊まるのはダメだからね」と言うと、瓜子は「はいはい、わかったわよ」と言ってアグリにピースサインをする。

アグリは「お母さんありがとう!」と飛びついた。

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