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彼と彼女のデザイア。  作者: さんまぐ
シェルガイ-新たなる問題。

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第86話 あれ?居たの?

事態は急を要したが、ここで思わぬ足止めを食らうことになる。

洗脳虫を介したオシコの命令と、ジヤー兵としての折衷案で殺人はしなかったものの、明らかに陣を壊滅させてしまったマフィンの手際により、陣の立て直しを求められてしまう。


雲平は非常に好ましくない顔をして状況を整理する。


「え…っと、ミスティラとパウンドはマフィンの家族への報告」

「すまないな」

「絶対行くからね」


仕方ないと頷いた雲平は、シェイクを見て「シェイクさんは人の手配で城に帰る」と聞くと、シェイクは「うん。医薬品の不足を埋めないと」と返事をする。


「セムラさんは怪我人の為にゲートを開ける」

「はい。お早い方がいい方が多数居ます」


これも仕方がないと頷いた雲平は、「アチャンメとキャメラルは陣の防衛?」とセムラの横に居たアチャンメ達に聞く。


「おう、私達は最後の荒熊騎士団として、働かねーとな」

「ブラウニー団長もあの世でピリピリしてっからよ」


そうなると一緒に並んでいるアグリの事も聞いてしまう。


「アグリ?」

「アチャンメお姉さん達が残るなら私も残るよ。神獣武器の担い手が1人でも居れば安心だよ」


ここでカヌレが「私も残る。離れ離れだがいいなパウンド…ダーリン」と言う。


パウンドは「寂しいけど仕方ないね。帰ってきたら抱きしめさせてくれる?」と言って笑うと、顔を真っ赤にしたカヌレは「神獣武器の担い手同士、これからは更に親睦を深めよう」と言いながらパウンドを抱きしめて、「決意も気迫も実力も見事だった。惚れてやったから、これからもよろしく頼む」と言い、祝福とどよめきが起きる。


パウンドは喜ぶとミスティラに「ミスティラ様!聞いていいですか!?」と聞く。


嫌がりながら「なんだ?」と聞き返すと、「また股間が固まりました!ハニーには見てもらって良いんですよね!」と聞く。


これには皆が顔を赤くして、ミスティラは肩を落として顔を覆うと「まだダメだ。人前で言うな。全ては戦後だ」と言う。


パウンドは気持ちよく「はい!」と返事をすると、カヌレに「ハニー、俺の股間はパートナーを得られるようになったとミスティラ様が教えてくれたんだ。戦後に見てくれるかな?」と言い出す。


意味のわからないカヌレではない。


真っ赤になって「…わ…わ…わかった」と返すと、その横でアチャンメとキャメラルが「見学するか?」、「それだ、私達も見学して大人になろう」と言いながらアグリに「アグリも見学だ」、「滅多にないぞ」と言い、雲平から「お下品だからダメだよ」と言われてしまう。


その顔は少し怒っていて、アチャンメは「お…おぅ…ごめんなクモヒラ!」と謝り、キャメラルも「怒らないで!」と言った。


ちなみに雲平は「ミスティラ、地球のあるある話なんだけどさ、今の会話の流れはフラグって呼ばれてるんだ」と話しかける。


「フラグ?」

「死亡フラグ。帰ってきたら結婚とか、付き合って性交渉とか、約束すると大概死に別れるんだよ」


「…本当か?」

「うん。決戦前に2人きりの時間を作ってあげなよ」


ミスティラはパウンドの股間とカヌレを交互に見て「…カヌレは生き残れるだろうか?」と呟いてしまった。



話を戻すと戦力の分散は好ましくないが、致し方ない事なので雲平はアチャンメとキャメラル達と残る事にする。


「ジヤーの城はパウンドとシェイクさんが居れば平気ですよね?」

「パウンドが居てくれれば心強いから、シュザークウイングは雲平が持っていてくれないかな?」

「ここに三つも神獣武器ですか?」

「うん。セムラ姫が不在でゲートが使えない以上、万一の時には雲平に飛んできて貰いたいんだ」


これにミスティラが「流石に雲平も単独では空は飛べまい」と言う。

雲平は「やだなぁミスティラ」と言って笑うと、「飛べないよ」と言った。


アチャンメ達はどこか雲平ならそのうち飛びかねないと思っていた。

雲平は「そう言う事なら」と言ってシュザークウイングを手にすると、シェイクは「本当に手から離れた」と驚きを口にした。



セムラ達は負傷兵を連れてジヤーに向かうと陣は静かになってしまう。


ここで初めてホイップが取り残されていた事に気付き、「あれ?居たの?」と雲平が声をかけると、真っ赤になったホイップは泣きながら走って行ってしまった。

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