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彼と彼女のデザイア。  作者: さんまぐ
シェルガイ-火のシュザーク。

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第72話 なんだお前は?人間か?

あれだけしぶとかった国府台帝王はあっけなく死んだ。

それを見て、ようやくホッとした雲平は地上に戻るなり、言いたい事を一気に言う。


「ジヤーには明日帰りましょう。シュザークのやつが結構魔法力を持っていったから、これ以上は休まないと倒れます」


そう言うと、セムラとキャメラルとアチャンメを捕まえて小屋の方を見る。


「後回しにした震えが帰ってきたから昼寝します。ミスティラはカヌレさんに魔法を教えてあげてください。アグリも教わってね。あ、起きたらご飯食べますから」


そう言って小屋へと戻る雲平。


程なくして小屋からは、アチャンメの「バカ!バカになる!頭おかしくなる!嘘ついてごめんなさい」と言いながらの鳴き声と、キャメラルの「アチャンメと同時はヤダァ!危ない真似してごめんなさいぃぃ。アチャンメと同時に震える!ダメ!アチャンメ!アチャンメ!クモヒラ!」と言う鳴き声。

1時間して解放されたアチャンメとキャメラルは、足をガクガク震わせながら肩を貸し合い「うぅ…ビシャビシャだ」、「ミスティラに洗って貰おう」と言ってミスティラの前で力尽きて「またか」と言わせていた。


その後は2時間セムラの鳴き声がコレでもかと聞こえてくる。


「アチャンメとキャメラルのお陰で両手が使えるんですか?2倍?えぇ?もっとですか!?はぁぁぁぁ…バカになるぅぅぅぅ!!」


そう最後に一際大きな声が聞こえた後は、雲平はセムラをベッドに連れ込むと「今からセムラさんは世良ですからね」と言って何度も世良と名前を呼んで、別の意味で震えるセムラを抱きしめて眠った。


昼過ぎに「うん。震えなくなった」とニコニコ顔で小屋から出てくる雲平。

アグリは「お兄ちゃんってやっぱり変態?」と聞き、ミスティラは「またアチャンメとキャメラルの下着を洗ったからな?それと本当にしてないんだろうな?」と聞く。


聞かれた雲平は「酷いなぁアグリ。俺は変態じゃないよ」、「ミスティラ?また?まあ清潔って大事ですよね。してる?何をです?俺は心が落ち着くまでアチャンメとキャメラルとセムラさんを撫でて眠っただけですよ?」と返していた。



・・・



昼食後、グェンドゥハンマーをキチンと握ってみた雲平は、「重いなコレ」と漏らすと、「グェンドゥかな…ハンマーかな?重さを俺好みにしてよ」と言う。


ハンマーの力でバランス調整の済んだ雲平は手足のようにハンマーを振うが、それは先に小さなハンマーがついた棒の扱いで、ハンマーとしてではなかった。


「風魔法か…グェンドゥの所で触れた時は理解出来たけどどうだろう?」

「わかっている。どうせ風塵爆裂を放つのであろう?ついてこい」


ミスティラの後を追った雲平は、グェンドゥの恐ろしさを知ることになる。


ラピッドウェイブやインフェルノフレイム、サンダーデストラクションや氷結結界とも違う、次元の違う攻撃力に目を丸くした。


「何これヤバい…」

「わかったか。だがこれこそ屋外限定だ。ラピッドウェイブと氷結結界は室内での発動が可能…インフェルノフレイムは天井さえ気にしなければ撃つことも出来る。だがサンダーデストラクションと風塵爆裂は室内で放てば自滅する。コレを狭い室内でやられたら全員お陀仏だ」


雲平はその後でとんでもない訓練に出るが、その前にグェンドゥハンマーをカヌレに持たせると「カヌレさん、グェンドゥの声って聞こえます?グェンドゥ、カヌレさんに呼びかけてよ」と言ったがそもそもカヌレはグェンドゥの声が聞こえなかった。


「グェンドゥ?」

「んー…、カヌレは心の壁が分厚いね。余裕が無いんだよ。なんだろうね?服を脱ぐか服を着るかしてみる?」

「えぇ、それ言ったら俺が変態みたいだよ」


これはビャルゴゥ経由で聞いていたアグリが、「お兄ちゃんは変態だから大丈夫ってビャルゴゥ様が言ってるよ?」と言ってくる。


「えぇ?おかしいよそれ。アグリからカヌレさんに言ってよ」


アグリの提案で久しぶりに服を着たカヌレが、「ようやく人目が気にならない」と言って、グェンドゥハンマーを握るとうっすら声が聞こえると喜んでいた。


「ちっ、恥じらう顔が好きだったのに」

「ミスティラ!何を言う!気になって気になって身動きが取れなかったんだぞ!マントはヒラヒラ邪魔くさいし良いことはない!」

「あ、ハニーの動きがぎこちないのってそれだったんだね」


こうしてカヌレはようやく着衣が認められて本来の戦闘力を取り戻していた。



・・・



その後は雲平がアグリとカヌレの許可を貰って、脅威の神獣武器3個持ちをやってのけた。


「お兄ちゃん…凄いね」

「うぉぉぉぉっ!クモヒラすげぇぇぇ!!」

「おい!姫様!クモヒラの横に立てよ!うぉぉ!シェルガイの王と妃ってコレか!?」

「なんだお前は?人間か?」

「…過ぎた力は人を不幸にすると言うが、体現している」

「わー…やば」


皆が一言ずつコメントしてシュザークの護衛隊が土下座するくらいの勢いの中、雲平の横にいるセムラは「雲平さん、凄いです」と言った。


「別に凄くないですよ。それにビャルゴゥは邪魔にならないけど他の武器は手が二本しかないし…あ…」


雲平が何か閃いたという顔をして、セムラが「雲平さん?」と声をかけると雲平は、シュザークウイングに向かって「シュザーク、シュザークウイングって手に持たなくても使えない?自動攻撃とか」と話しかけた。


「…何を言った?」

「羽根って名前なんだからさ、飛ばしてよ」


「かなりの魔法力を使うぞ?」

「それ、さっきも思ったけど取りすぎだよ」


「あれでも最小値だ」

「え?シュザークって…燃費悪っ」


雲平はシュザークウイングを魔法力で浮かせて自動攻撃をさせて、右手にグェンドゥハンマーを持って左手にビャルゴゥリングを装着する。


これには練習と言って六対一で戦ったが圧倒してしまう。


だがまだ終わらない。

今も手を見て「んー…」と言う雲平。

最近になってミスティラはその顔がとても怖いと漏らすようになっていた。


そのミスティラを追い詰めるように、「グェンドゥ、ビャルゴゥ」と呼びかけた雲平は氷結結界と風塵爆裂を合わせた風塵結界と氷結爆裂を編み出す。


雲平オリジナルの魔法にミスティラが「んが!?」と言って物凄い表情をすると、雲平が「あはは、ミスティラが変顔してるよアグリ」と声をかける。


「お兄ちゃんがやり過ぎなんだよ」


アグリに言われてもピンと来ない雲平は「グェンドゥだよ。グェンドゥが合体出来そうとか教えてくれたんだよね」と言って笑った。

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