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彼と彼女のデザイア。  作者: さんまぐ
シェルガイ-火のシュザーク。

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第71話 カヌレさん、合体攻撃です。

雲平は剣を構えて指示を出す。


「ビャルゴゥ、ありがとう。アグリ、壁をやめてウォーターガンの用意。ミスティラはカヌレさんに魔法を教えて、パウンドはカヌレさんとミスティラをあのタコ脚から守ってください」


雲平の言葉でウォーターウォールは消えて、アグリが「ビャルゴゥ様が疲れたって怒ってるよ」と言う。


キャメラルは「なあクモヒラ、二刀流なんてやれんのか?」と聞くと、雲平は「確かに」と言って、左のシュザークウイングを見る。


「邪魔だな。棄てるか?」


そう言いだしてアチャンメが引いた目で雲平の顔を見る。


雲平は「そうだ!」と言うと、左のシュザークウイングに「間違いでキャメラルを殺しかけた罰だよ。無理して」と言った。


その直後に左右のシュザークウイングを重ね合わせて「俺好みの剣になって」と言って、一振りのショートソードに変えてしまう。


「はぁ!?」

「何をしている!?」

「やったら出来ました!ここでアイツを殺して名前を日本に連れて帰ります」


雲平は言うなり一気に距離を詰めて国府台帝王に切り掛かるが、直撃をしても致命打にはならない。


一度距離を取ると忌々しそうに赤とオレンジの刀身を見て、「シュザークウイングってなまくら?」と不満を漏らす。


雲平の声に合わせてシュザークウイングから「違う。奴が様々な魔物の力に加え、ファイヤーハミングの力も持っているからだ」と聞こえてくる。


「シュザークの声だ」

「異常者め、何故我が翼を合体させられる?何故リングを纏わずにビャルゴゥの力を奮える?ビャルゴゥが哀れに見えてきた」


雲平は剣に向かって「火の知識をください。ミスティラはカヌレさん係だから出来ないんですよ」と言うと、「奴は不死者のインフェルノフレイムすら耐えたぞ?」と返ってくるが「いいから」と雲平は言う。


「こう言う時こそラピッドウェイブであろう?」

「は?何言ってるんです?じゃあシュザークをラピッドウェイブで倒せますか?」

「無駄だな。我が炎を舐める…あ」


「だから鳥頭なんですよ。あの本体はサンダーデストラクションに耐えた。ウォーターガンもあのタコが邪魔をしてる。なら火しか無いですよ?」

「風は?」

「カヌレさんを見てから決めます」

「お前なら撃てる気がしてくるな。この異常者め」


シュザークは楽しそうにインフェルノフレイムの知識を授けると、雲平は「アグリ!俺が奴を押さえ込んだら声をかけるから氷結結界!そこにカヌレさんとミスティラが一撃を放つ!パウンドは変わらず蛸足の迎撃!アチャンメ!キャメラル!奴を殺すから手を貸して」と言うと、挨拶代わりにインフェルノフレイムを叩き込んだ。


ミスティラ以上の火力に身悶えるが致命傷にはならない国府台帝王。

そしてかつて食べた人間のヒールと、自信の超回復で治してしまうと「また殺してやるよ!」と言って雲平を目指す。


「うん。やれる。ビャルゴゥ魔法力は俺、展開速度を頼む。シュザークは見て学んで、その両方だ」


そう言うと、シュザークウイングにウォーターソードを纏わせて国府台帝王の右腕を切断した。


「何!?」

「その身体を覆う火さえなんとかすれば水は当たる」


雲平は更に切り掛かると国府台帝王はストロングオクトパスの触手で迫るが、今度はウォーターソードで斬った先に火を放つシュザークウイングを当てて斬り落とした。



身悶えて苦しむ国府台帝王に、「ようやく殺せます。あなたの家族に名前を返します」と言って離れると「アグリ!氷結結界だ!」と言った。


「うん!氷結結界!!」

「俺も!氷結結界!!」


雲平とアグリの氷結結界で胸まで埋まった国府台帝王は、ストロングオクトパスの触手で逃れようとしたが、パウンド、アチャンメ、キャメラルの攻撃で触手が使えずに閉じ込められたままになる。


だがいくら待ってもグェンドゥハンマーは振るわれない。


「ミスティラ?」

「カヌレの奴、魔法の才能が無さすぎる!」


雲平は「なら」と言ってカヌレの横に立ち、グェンドゥハンマーを握って「グェンドゥ、追い風の魔法ってある?」と聞く。


「ウインドブラストかな。雲平は凄いねぇ。僕とシュザークで火炎竜巻なんかも撃てるかもね」

「なるほど、ありがとうございます」


雲平はカヌレに「カヌレさん、合体攻撃です。カヌレさんは全力でアイツにグェンドゥハンマーを打ち付けます。魔法は俺が使います」と言うと、カヌレは「かたじけない」と言って力を溜め始める。

ビキニアーマーにマントの痴女がハンマーを両手に持って、ガニ股で力を込めるのは見てはいけない気がするが、カヌレ自身本気の顔なので邪魔はできない。


「ウインドブラスト、ウインドカッター」と言った雲平が「カヌレさん、いつでもどうぞ」と言うと、カヌレは歯を食いしばり足跡はクレーターのようになりながら渾身の一撃を放った。


「ぬぅぅぅん!」という掛け声の後、雲平達は立っていられないほどの揺れに晒され、ハンマーを打ち込まれた国府台帝王は飛び散り原型を留めていなかった。



・・・



「はぁっ、はぁっ…」と肩で息をするカヌレを見て、ミスティラが「見事だな」と言い、「終わったぜ!」、「やったな雲平!」とアチャンメとキャメラルの言葉に皆が終わった気がしていたが、雲平は「違う」と言うとシュザークウイングの特殊能力で飛び上がった。


そこには脊椎と頭に羽根が生えてなんとか逃げようとする国府台帝王がいた。


「ひぃぃぃっ!?日本人!!?」

「逃しません。ここで殺します!」


国府台帝王は涙ながらに「い…いやだ!俺はまた強くなってお前を殺すんだ!お前は一度死んだんだ!なんで…なんで死なない?なんで向かってくる!!?」と言ったが、雲平は冷たい目で「いえ、いい加減殺します」と言うと、一度深呼吸をしてから「サンダーデストラクション!!」と唱えた。


雲平のサンダーデストラクションは国府台帝王の頭に直撃し黒焦げの炭に変えていた。

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