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彼と彼女のデザイア。  作者: さんまぐ
シェルガイ-水と氷のビャルゴゥ。

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55/151

第55話 有能な子はきちんと名前で呼ぶわ。

食後の話し合いは簡単に済ませた。

ミスティラは、オシコ…コジナーが人と魔物の一体化に成功したと言ってきた。


首を傾げる雲平達に、ミスティラが説明をした。


「そもそも、サモナブレイドでコジナーを隔絶してしまい。結界の外の大物を神獣武器で圧倒する事にしていた。人間なんて、魔物と同じ場所に入れられれば食糧に成り果てる。このまま何千年でもコジナーを隔絶してしまう計画だったのだが、おそらくコジナーは魔物との一体化に成功をした。結界を抜けてオシコがこちら側に来た時はわからなかったが、レーゼの戦闘で雲平が奴を本気にしてくれた事でわかった」


雲平はあのレーゼの戦いで魔物の姿になったオシコと、先ほど対峙した国府台帝王を思い出していた。


「それでオシコは国府台帝王を魔物に変えた」

「ああ」


「シェイクさんの言っていた、敵が地図の左上から攻め込んでくるのは、ゲートを越えてやってくる」

「ああ。だがゲートの突破なんて並大抵の事ではない。きっとカラクリがある。まあそこら辺は明日になればビャルゴゥに聞ける。あの性悪め、私達ではないと申して、会話すら放棄しやがった」


ビャルゴゥが性悪の部分が気になった雲平が理由を聞くと、「奴には世界視や予見の能力がある。ある程度先が見えているのにそれを口にしないで、そうなるように話してくる。今回だって、誰が神獣武器の担い手なのか分かれば連れて行けたのに、明日になったら我々とアゴール、メロン、アグリも連れて来いと言いおった」と面倒くさそうに言った。



・・・



その頃の国府台帝王は、蜥蜴騎士のおかげでなんとかオシコの元に戻れていた。


「うふふ。見てたわよ。惜しかったわね。あの地球人が邪魔ね」

「すまない…。簡単な仕事のはずが…」


国府台帝王は親に怒られるような不安感を覚えるが、オシコは笑っている。


「良いわよ。でもあの雷の子は邪魔よね。シェルガイに気配がないから、こっちに戻って来ないように地球に放ったワイバーンすら倒してしまったのよ」


国府台帝王はワイバーンと聞き目を丸くする。

自分では手も足も出ない存在。

それを倒す雲平。

力と女、その2つを手に入れた雲平に嫉妬していた。


「まあビャルゴゥはいいわ。今からじゃ手が出せないもの、治してあげるから休みなさい」


オシコが手足の千切れた国府台帝王に向かって手をかざした時、国府台帝王は「もっとだ…もっと力が欲しい。半魔半人は一体だけか?」と聞いて来た。


オシコは流石の申し出に目を丸くして、「あなた…」と言った後で「なら風魔法を使う馬、ウインドホースと合わせてあげるわ」と言った。


「どうなる?」

「人喰い鬼の特性と、ウインドホースの特性を混ぜた人間になるわね。別に3割人間、残り魔物にはならないわ半魔半人よ」


国府台帝王が「それで頼む…」と言うと、オシコはすぐにウインドホースを連れて来た。

そして合成させると、体の欠損部分はあっという間に埋まり元の姿に戻る。


「…力が更に漲るな」

「ふふ。素敵よ帝王」

「名前…。初めて呼んだな」

「ええ、有能な子はきちんと名前で呼ぶわ」


国府台帝王はかつてない程の喜びに震える。


「さて…早速お願いがあるのよ」

「なんだ?」


オシコは2人の女を連れて来た。

1人は虚な目をしているが見覚えがある。

あの詐欺村から連れて来て半魔半人に仕立てた人間だった。

だがこんな虚な目だっただろうか?


答え合わせのように「うふふ。わたしが支配してるから、夢を見てるようなものよ」とオシコが言う。


もう1人の女は、怯えた目でオシコと国府台帝王を見てくる。


「この子は半魔半人の素材用に拾って来た地球人よ。地球には帰りたくないって言うし、折角だから、あの壊れた女みたいにして欲しいのよ。貴重なサンプル。人間のまま人喰い鬼とウインドホースになった帝王の子を宿すとどうなるか…ね?」


オシコの言いたいことはわかった。


「どっちから?」

「出来たら人間から頼める?」


国府台帝王はわかったと言うと、怯えて震える女の服を剥いで挿入した。

痛がる女は、必死に「やめてくれ」、「地球人だろ?」、「国籍は違うが地球人だから見逃してくれ」と懇願したが、国府台帝王は気にすることなく動くと一度目の精を放つ。


そして女が艶やかな声をあげるようになると、ゴリコニ同様にイチモツだけを人喰い鬼やウインドホースのモノに変えて襲う。


この女にとっての不幸は、シェルガイ適性は低かったが、能力は自動回復だった事で、国府台帝王の責苦にも耐えてしまい、責めの先にある快楽を見つけてしまえる事だった。

オシコは魔物の部分が増えても問題ないと言ったが、国府台帝王は前以上に心まで魔物になっていた。

わざと魔物の姿になって女を怯えさせて、「お前は俺の子を宿す。人の子ではないな。何が生まれるだろうな」と言って心を壊して高笑いしていた。


「うふふ。本当素敵よ帝王。こっちの女はご褒美ね」


オシコは虚な女に「発情しなさい」と言うと、途端に紅潮した顔で身体を震わせて国府台帝王を求めた。


「この女は?」

「シェルガイ人で弱いから人喰い鬼は勿体無いの。だからオークよ。嫌かしら?」


国府台帝王は首を横に振ると、「壊れなければいい」と言って全力を出してみた。

女は面白いように反応して国府台帝王を求め続けた。

女に名を聞くとタラーベと言った。


夜が明けて身体を震わせてベッドに横たわるタラーベを見ながら、国府台帝王は「オシコさん、コイツ俺にくださいよ」と言った。


「あら、気に入ったの?」

「ええ、弱いのに俺を受け入れるところなんて堪らないですね」

「ふふ。変な子」

「そうですかね?とりあえず許してくれたら、今からもう一回乗り込んできますよ?」

「ありがとう。時間的にアイツらが神獣武器を手に入れてるでしょうし、神獣武器相手だと帝王は勝てないと思うから、旗色が悪ければ帰って来て良いわ。神獣武器は厄介だけどなんとかなるもの」


この言葉を聞きながら国府台帝王は再度ビャルゴゥの神殿を目指した。

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