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彼と彼女のデザイア。  作者: さんまぐ
シェルガイ-雲平とセムラが共に過ごせる世界。

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154/155

第154話 ああ、命懸けだぜ。

クラフティは2回戦目と言って、ミスティラ、マフィン、カヌレ、パウンドと戦う。


カヌレとパウンドの機嫌はかなり悪い。

それこそ「わーい!5年ぶりの子作り解禁!鉄人子作り大会」状態でまだ1日しか経っていないのに、「さあハニー、次を始めよう」、「ああ!やるぞパウンド!」と言っているところで、「おーい、クラフティさんが至急レーゼに戻れだって、1時間後に迎えをよこすからよろしくお願いします」と雲平の声が聞こえてきて鬼の顔になる。


「子作りの邪魔をした報い!!」

「ここで晴らすぞパウンド!」


カヌレはグェンドゥハンマーに酷似したハンマーを武器にしていて果敢に打ち込み、その隙をパウンドが塞いで槍で貫く。


「ははっ。いいね!」と喜んだクラフティが、あの日オシコが生み出した氷の塊と酷似した巨大アースボールを用意して、「私のも砕けるかな?逃げ出すかな?」と言って挑発する。


「ハニー!アレが砕けたら更に惚れてくれるかい?」

「勿論だ!砕けパウンド!」


この言葉に紅潮した顔で「ならばやりましょう!」と前に出るパウンド。


だがその前に出てきたのはマフィンで、「邪魔するね」と言うと、ミスティラを見て、「ミスティラ、僕が砕いたら惚れてくれるかな?」と聞く。


「お前……」と驚きつつもニヤリと笑ったミスティラは、「やってみせろマフィン!」と言う。


マフィンは眩しい笑顔で「ありがとうミスティラ!」と言って槍を構えると、パウンドが「邪魔しないでくれ!」と言い出してアースボールの前に立つ。


笑いながらクラフティが「なら2つだ」と言って更に生み出すと同時に放つ。

面白いのはパウンドが一点突破で破壊をして、マフィンは豪雨と名付けた連続突きを放って削り倒していた。


「おお、これならシェルガイは平和だ」と喜ぶクラフティに、スイッチの入ったカヌレが「殿下!私も砕きます!よろしくお願いします!」と言って、仁王立ちでアースボールを待つと、クラフティは「よく言ってくれた。嬉しいよ」と言いながらアースボールを2個生み出すとカヌレとミスティラに向けて放つ。


カヌレは「ぬぅぅぅぅん!」と言って力を込めると「破砕!」と言って砕く。


「肘とか腰は壊れぬのか?」と心配そうに聞くミスティラに、「パウンドとの子作りに比べたら余裕の衝撃だ!」と返すカヌレ。


ジヤーで壊された小屋の事を思い出して呆れるミスティラ。

離れたところで聞いて、「バッコンバッコンはやべえな」、「ああ、命懸けだぜ」と言って瓜子から「めっ」と言われるアチャンメとキャメラル。


よそ見を心配されるミスティラだが、鼻で笑うとクラフティのアースボールをかるくアースボールで相殺して「大賢者に魔法で挑む?ははっ」と言った。



・・・



苛立った顔のクラフティだったが、すぐに穏やかな顔に戻ると、「皆の戦力把握は済んだよ。大将は私で皆を指揮するから雲平くんと戦うよ」と爽やかに言い切った。


「アァ?」

「嘘だろ?」

「お兄ちゃん?」


アチャンメ達が雲平を見ると、雲平はいつの間にかセムラが用意していた純白の鎧姿になっていて、右手にはデザーブレイドを持って、「セムラさん、やってきますね」と言っている。


セムラは「はい!勝ってくださいね」と言って微笑んでいる。



「うわ、やる気だよ」

「マジか。アグリ、母ちゃんとホイップの後ろに隠れとけ、父ちゃんの側に行くと巻き込まれんぞ」

「うん。そうする」


そう言ったがクラフティ以外の全員は目を丸くする。


「さあ、シュザーク!ビャルゴゥ!グェンドゥ!スェイリィ!」と雲平が声をかけると全ての神獣武器が雲平の元に収まる。


青くなる金太郎が「え?フル装備?」と言うと、瓜子は「あなた離れてください」と言ってアグリのところにいく。


「お兄ちゃん!?ビャルゴゥリングがないと私接近戦しか出来ないよ!?」

「練習だよアグリ。大丈夫。アグリには傷一つ付けないからね」


「くそっ、殿下ぁぁっ!私とキャメラルとアグリでコンビネーションすっからな!」

「ふむ。わかったよ。それではフォーメーションを変えるかな。アチャンメ、キャメラル、アグリは3人で行動。シェイク王子とマフィンで行動。ミスティラはメロンと、パウンドとカヌレで行動、アゴールとホイップ王子かな」


ホイップは青い顔で「え!?僕!?それって囮ですよね!?クラフティ殿下?」と聞き返すが、クラフティは知った事ではなく「さあ、雲平くんはやる気だよ。アチャンメ達、シェイク王子から攻め込むんだ。アゴールは遊撃だ」と言って指示を出した。


「あの…、本気であのバーサーカーに挑むんですか?」


金太郎が見ている雲平は、圧を放って浮かび上がっていて風は吹き荒れて小さな雷が生まれている。


クラフティはウキウキと「ほら、命令だよ」と言って戦闘が始まる。


「くっそーっ!怖えぇぇっ!」

「マジで生きた心地しねえぞ!アグリ!初手だ!」

「うん!アイスナイフ!」


アグリのアイスナイフはシュザークウイングの熱波だけで溶けてしまい、アチャンメとキャメラルの攻撃はシュザークウイングが軽々と防ぎ、アグリのダガーナイフはデザーブレイドで弾く。


そこにマフィンが先制してきて隙を埋めるようにシェイクが斬り込む。

雲平はグェンドゥハンマーでマフィンを止めて、シェイクの剣は魔法で生み出したファイヤーナイフで弾いて「シェイクさん!あんこやアグリ達のことありがとうございます!」と挨拶をする。


「ったく…落ち着いて話がしたいがコレも悪くないね。雲平!」


5年前には見なかった連続技を披露しながらファイヤーボールを放つシェイクだが、その火は雲平に飲まれてしまう。


「君は!シェルガイに!住むのかい!?」

「今まで通りですよ!ただ絶対は、俺の横にセムラさんがいつも居てくれます!」


話しながらの斬り合いにアグリ達も参加するが刃は届かない。


熱くなったアチャンメとキャメラルは容赦ない。「ちっ!ミスティラぁぁぁっ!」、「撃てぇぇぇっ!!」と指示を出すと、ミスティラは「メロン、雲平の苦手な場所は左前足だ。攻撃の切れ間で撃つ。随時位置情報の確認とタイミングを測れ」と指示を出し魔法の構えを取る。


「はい!ふふ。雲ちゃん、お母さんだってやるのよ!」と言ったメロンのタイミングで放つウォーターガンは、確かに雲平の左前足を狙っていたが熱波がそれを阻む。


雲平はミスティラを見て「ははっ」と挑発するように笑った時、雲平の足元でアゴールが「見えたぜ?お前、同時に対処できても4つだな?」と言って切り掛かる。


金太郎に気づいて「ちっ!?」と言いながら本気で回避した雲平。


「狙い通りですぜ!王子!」と言う金太郎の声に、ホイップが着地地点にアイスウェイブを放って、「当てた!?やったぞアゴール!」と喜ぶホイップに、シェイクが「凄いぞホイップ!」と喜ぶが、それを防いだ雲平は「君は本当に忌々しいなぁ」と言って金太郎とホイップに向かってサンダーデストラクションを放つとホイップは必死になってアイスウォールで防ぐ。


そこに「チャンス到来です」「貰います!」と迫るのはカヌレとパウンド。

連携で言えばカヌレとパウンドは練度からして違う。


そこにクラフティも参加をしてしまい、達人同士だからなんとかなるが、少しでも遅れると命が危うい。


最後は本気を出した雲平の攻撃で終わりを迎えたが、後日ニョトーからは「バカじゃねぇの?」と言われていた。

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