第121話 お前…ものすごく嫌な予感がするぞ。
日本に数日間滞在した一向は日本を満喫する。
ホイップはかのこの後をついてまわり、キチンと家族として荷物持ちから手伝いまで世話をしていて、あんこに対しても姉のように慕っていて、シェイクは「こんな物しか贈れませんが」と言って雲平謹製ゲートを通ってジヤーに一度戻ると、かのこ、あんこ、あんこの母に豪華なネックレスを持って戻ってきて感謝を伝える。
あんこはホイップには姉の顔で「ホイップくん!似合う?」と聞いたりしたが、シェイク相手には頬を染めて、「つけて欲しい…なんてはしたないですよね?」と聞きながら付けてもらっていて、「アグリちゃん!ムービー撮った!?送って!!」とやり、あんこの母は「まあ雲ちゃんがシェルガイ美女だから仕方ないけど現金ねぇ」と笑う。
カヌレとパウンドはロクでもなかった。
日本で買った地球の服を着たカヌレが美人すぎると喜んだパウンドは、「ハニー!今すぐ!その綺麗なハニーとが良いんだよ!」とやり出した。
何を言うんだと怒るミスティラとバニエに、「草むらとか人気のない所なら!どこか!?」とやらかして、バニエが頭を抱えながら日本政府にラブホテルの確保をさせてフリータイムを満喫してきた。
パウンドは地球は最高だと言っていて、雲平に「僕もゲートを通ってまたハニーと来たいんだけど」と言い、「たまになら交代しましょう」と言われて喜んでいた。
アチャンメとキャメラルは「バッコンバッコンってすげえんだな」、「な、カヌレの奴が女の顔でパウンドにベッタリだ。やっぱり見学…」と言った所で、瓜子から「だめよ。アチャンメちゃん?キャメラルちゃん?」と注意をされると、2人は嬉しそうに「うへぇ、ママは強いな」「逆らえない」と言って笑っていた。
手巻き寿司に関しては、ホイップがシェイクの為に用意をしたり、「兄上、これは皆で食べるものです。皆を見ながら皆と食べる素晴らしいものです」と説明してシェイクは心から喜んで、「かのこさん、あんこ、本当に弟をありがとう。母上を早くに亡くしてしまい、どうしても女性の目線や手が足りなかったようです」と感謝をする。
あんこは「いえ、いいんです。でもホイップくんも帰っちゃってシェイクさんに逢えなくなるのは寂しいです」と言うと、「雲平、あんこはシェルガイに遊びに来ても良いのだろう?」とシェイクが聞き、あんこは小さくガッツポーズを決める。
急な話に「えぇ?」と言った雲平は、「そういえばあんこって何に目覚めたの?」と聞くと、これにバニエが「目覚めた?何を言っているんだ雲平殿」と聞いてきて、「え?飛鳥山のゲートに近付けて、万一の為にシェルガイの空気に触れさせたんですよ。もう目覚めても良いんだろうけど、あんこだからなぁ」と返す。
「シェルガイに…触れる?」
「…またやりおった」
あんこ自身は「別に何も変化はないよ。アチャンメちゃんやキャメラルちゃんみたいに、速く走れたり跳べたりもしないよ」と言う。
雲平は想定外の内容に「えぇ…何だろう?」と言い、グェンドゥに「グェンドゥ」と確認をする。グェンドゥは「…その子、雲平みたいで面白いよね」と楽しそうに返事をした。
「グェンドゥには能力が全部見えるの?」
「うん。雲平みたいな大魔法の素質はないけど、火と雷とヒールの適性持ちだよ。まあ全部初期段階のボールとかだね」
この説明に雲平は「ふむ」と言うと、庭先にあんことホイップと金太郎を連れていく。
「お前…ものすごく嫌な予感がするぞ」
「アタリだよ父さん」
「雲平?」
「ホイップくんは父さんの前にアイスウォールね。失敗したら父さんが怪我するから。まあ父さんなら失敗してもいいけど、ばあちゃんの息子だし、シェイクさん見てるから頑張ってね」
雲平は金太郎を立たせてホイップにアイスウォールを使わせると、あんこの手を取って「あんこ、俺に合わせて、途中から俺があんこに合わせる」と言うと、眼前に雷の球を生み出す。
「これ、雲平がやったの?」
「そうだよ。あんこもやれる。見てどんなものか見えてこない?」
あんこは少し眺めると「見えるかも。真ん中は雲平だよね?」と言う。
「うん。大正解だ。だからあんこは真ん中があんこで周りに雷を纏わした球を作って」
雲平は「俺のはもういいや」と言って、見向きもせずに生み出したサンダーボールを金太郎に向けて放つと、アイスウォールは全壊寸前で「バカ!ノールックはやめろよ!怖え!俺の息子怖えよ!」と叫びながら、「王子!次です!次の奴をお願いします!」とホイップに言う。
ホイップは「ええぇぇぇ…、ザリガッソウの攻撃も防いだし、あの日からも練習してるのに」とボヤきながらアイスウォールを張り直す。
あんこはサンダーボールの生成はできたが、維持は苦手で、途中で霧散してしまう。
だが雲平が横で指示出しをする事で無事に放てるようになると、アイスウォールに無事に当てた。
当然アイスウォールは破壊不能で「ホイップくんの壁はすごいね。私には壊せないよ」と言うあんこ。
だが貴重な雷魔法の使い手として、ホイップからは「いや、あんこは凄いよ。まあ僕も鍛えているから防げただけだから落ち込まないで」と言われるわけだが、話すホイップの顔が気に食わないと雲平はアイスウォールを一撃で粉砕して「これで?」と言う。
その後はファイヤーボールも試してみて、ヒールの話になった時、雲平はホイップの頬をぶん殴り「あんこ、治してあげてね」と言う。
殴られた経験のないホイップは、左頬を腫らして涙目で安倍川家の庭先に転がっていて、あんこが駆け寄る。
小狡いのがシェイクには「心苦しいですけど、多分可愛がっているホイップくんになら成功しますよ」と言って、悪意ではなく仕方なくだとアピールをする。シェイクは雲平を心の友くらいに思っていて、「うん。雲平が言うならそうなのかもね」と言って、納得をすると手巻き寿司を食べて「美味しいです」とかのこに言う。
庭先ではホイップに駆け寄ったあんこが「わかんないヨォ!雲平っ!」と慌てるが、「俺ヒールできないもん。母さんかセムラさん、後はミスティラに聞いて」と言って3人に丸投げをすると、シェイクに向かって「全部あんこらしいです」と言って笑った。
「雲平?」
「地球で仲のいい俺と、今仲良くなっているシェイクさんと、初めて友達になったシェルガイ人のセムラさん、その3人の力をそれぞれ持ってるなんてあんこらしい」
雲平はアグリとアチャンメとキャメラル合作の手巻き寿司を食べて、「俺の妹達は料理上手で嬉しいなぁ」と喜んでいる。
シェイクは立ち上がってヒールを頑張るあんこに、「あんこ、僕は火の魔法を使えるんだ。雲平程ではないけど指南もできるから、シェルガイに来たら訓練をしよう」と誘う。
あんこはシェルガイ行きもシェイクとの訓練も決まって、「はい!嬉しいです!よろしくお願いします!」とニコニコ笑顔でシェイクにお願いをしていた。




