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彼と彼女のデザイア。  作者: さんまぐ
シェルガイ-レーゼ城での決戦。

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116/155

第116話 約束なんて知らない。

オシコは国府台帝王の死で狂っていた。

元々はクラフティが死にかけて、身体をオシコの魔法で生かされる代わりにサモナブレイドの封印を解いてコジナーの結界を解く約束になっていた。


それはクラフティが命に執着がある風に見せていただけで、ジヤーさえ滅びれば後はどうでも良かった。


だが国府台帝王を失って狂ったオシコは、城に来るなり「時間稼ぎをしなさい」と要求した。


「大体4ヶ月、それまではあの地球人を足止めしなさい。負けても勝っても構わない」


そう言ったオシコはクラフティに送り続けていた生命力を止めると言った。


「約束が違うぞ」

「構わないわ。約束なんて知らない。でもまあこの部屋だけは時を止めてあげる。ここから出たり、扉が開けば貴方は死ぬ。もう寿命よ。貴方は間も無く死ぬわ。だから最後は好きにしなさい」


オシコは言うだけで言うと、最後に「この部屋にいれば寝食も排泄もない。今の時間が流れるだけ。外の空気に触れたら一気に時間が進むわ。そうね、1時間も生きられないから。後は好きにしなさい。ただ魔物の目から見て、貴方が城の周りの魔物達や私の用意した半魔半人を殺したり、貴方が死んだらレーゼを蹂躙するように、レーゼ中の魔物達に命じるから。最後まで裏切らない事ね」と言って消えていった。


「だからアースランスを俺が放つタイミングで…」

「はい。お兄様の手紙には、雲平さんがサンダーデストラクションを放つタイミングでアースランスを放って、アースランスも撃てるのかと演技をするとありました」


後の事はクラフティが全て話していて、手紙には国民にはオシコにたぶらかされたことにして欲しいと書かれていた。


「終わりましたがこれからどうしたら良いんだろう?」

「とりあえず、レーゼの魔物を蹴散らした後は、一度シェイク王子達と合流しましょう。お兄様が死にました。いくら今はアースランスで魔物が死んでもレーゼにはまだ魔物は居ます。お願い出来ますか?」


雲平は勿論と返すと、セムラに兵士を呼ばせてクラフティのことを任せさせる。


「私達はオシコの命令でレーゼを蹂躙する魔物や半魔半人を倒したら、一度ジヤーの地に赴き、賢者ミスティラ達と合流します。浮足立たずに民達を守りなさい」


兵士達は荒唐無稽な話に驚くがセムラは「私には雲平さんがいてくださいます」と言い、当の雲平は使用人に「一度戻るからお弁当とかお願い出来ます?」と言った後で「シュザーク、サモナブレイドって魔物を殺せる?カオスチタンの剣もサモナブレイドと斬り合って傷だらけなんだよね」と聞いている。


シュザークは不満げに「使えぬ事はないが、我が翼の何が不満だ?」と聞くと、雲平は「不満はないよ。ただ剣は3本欲しいだけ」と返す。

雲平の答えに納得したシュザークは、「成程な、お前ではゲート操作は出来ぬが、剣としては一級品だ。使ってやれ」と言った。


雲平はセムラを見て「行きます。一度戻りますが、セムラさんはどうします?」と聞くと、セムラは「ついて行きます。宜しいですか?」と聞いた。


「勿論です。セムラさんと離れるのは心配でした」と言った雲平は、セムラを抱きかかえると「飛ぶぞシュザーク!ビャルゴゥ!川や水辺で使う!心してくれ!グェンドゥ!平地では頼りにしてる!スェイリィ!人の多いところは頼む!」と言って飛び立つ。


レーゼの街で魔物化した半魔半人を見て逃げる人々を避けて、「スェイリィ!アースランス!サンダーデストラクション!」と指示を出しながら急加速で地面スレスレを飛んで、「シュザーク!敵を斬り裂け!俺も斬る!」と言って魔物を斬る。


人のフリをしてやり過ごし、雲平が離れると人を襲う輩にキレた雲平が「グェンドゥ、浄化の風とか魔物が触れたら痛がるようなのやろうよ」と提案をして、ビャルゴゥにも「浄化の水とか言ったよね?風と合わせて嵐にするよ」と言って町中に雨を降らせると、隠れていた魔物達は苦しみ出してアースランスで一網打尽にされる。


レーゼ城付近の魔物達が軒並み倒せたのを見て、雲平は一度城に戻って弁当をもらった時になってセムラを濡らしていて服が透けて肌が見えてしまった事に気付いて真っ赤になる。

雲平は「セムラさんごめんなさい!」と謝るが、セムラは真っ赤になりながら「雲平さんなら構いません!」と言って再び抱きつくと飛び立ち、次々に街を襲う魔物達を蹴散らしていく。


「雲平さん…。そんなに無理をして倒れませんか?」

「平気です。セムラさんこそずっと抱かさっていて疲れませんか?」


そんな会話をして食事休憩だけを済ませて、国中の魔物を蹴散らし終わる頃には朝になっていた。


雲平は最後に選んでいたパウンドの親が住む街の魔物を蹴散らすと、「無理をしすぎました。少し寝かせてください」と言って倒れ込む。


起きた時には昼をとうに過ぎていて、雲平が謝るとパウンドの母は「あれからロクな休みも取らずにずっと戦ってたんだろ?仕方ないって」と言われた後で、「ミスティラ様達に連絡してあげな。皆待ってるよ」と言われて初めてアグリの事を思い出して連絡をした。

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