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71 新たな決意

 あれからどれほどの月日が経っただろうか。修一の死という、あまりにも重い事実が葵の心を深く凍らせていたが、時間だけは残酷にも流れ続けていた。その中で、葵は少しずつ、まるで深い水底から浮上するように、ようやく物事を考えられるようになりつつあった。


 修一にもう二度と会えないという、途方もない寂しさ。絶望の淵から救い出してくれた彼への、改めての深い感謝。そして、死を選んでまで葵の幸せを願った、その深く大きな愛。さらに、彼の死の遠因が自分にあるという、拭い去れない自責の念。様々な思いが葵の心の中で複雑に錯綜し、彼女を苛み続けた。


 そんな感情の渦中で、葵はようやく気づき始めた。彼の遺書に綴られた最後の言葉。「葵には必ず幸せになってほしい」。それは、修一が命を絶つ瞬間まで抱き続けた、唯一の願いだった。葵が自分を責め続け、悲しみに暮れることを、彼は決して喜ばないだろう。

 『今度こそ、私が修一さんの思いに応えないと』


 葵の心に、静かだが確かな決意が芽生え始めた。修一が自分に遺したものは、後悔や罪悪感ではなく、未来への希望だった。彼の最後の願いを、必ず叶える。そのために、自分は立ち上がらなければならない。葵の瞳に、再び光が宿り始めた。



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