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66 後悔の波

 どれほどの時間がそうして過ぎたのか。虚無に囚われていた葵の意識に、やがて痛みが押し寄せてきた。うつむいたその瞳から、大粒の涙がとめどなく溢れ出し、ポタポタと床に落ちては、小さな染みを作っていく。それはまるで、枯れ果てたはずの泉から、最後の水が流れ出るかのようだった。

 「…私、なんていうことを…」


 か細い声が、途切れ途切れに喉から絞り出される。

 「修一さん…、ごめんなさい…」


 言葉にできないほどの罪悪感が、葵の心を容赦なく苛んだ。彼の無償の愛を、その最後の願いを、自分は踏みにじってしまった。彼の寂しげな表情の裏に隠された絶望に、なぜ気づかなかったのか。

 「ほんとうに…、ほんとうに…」


 その言葉は、もはや意味をなさず、ただただ深い後悔と悲しみが込められた、魂の叫びとなって部屋に響いた。

 「バカだった…」


 自らを責める言葉が、葵の心をさらに深くえぐる。修一の死は、彼女にとって、あまりにも大きすぎる代償だった。その重みに、葵はただ、床を浸す涙の中に、打ちひしがれるしかなかった。



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