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61 出会いの公園

 葵との別れから、しばらくの日々が過ぎていた。そんなある日、修一は、いつも葵と共に歩いたあの公園を、一人で散歩していた。木々の間を抜ける風の音、鳥のさえずり、そして、かつて二人が交わした穏やかな会話の残響。すべてが、修一の心に静かに、深く、そして何より懐かしく響いていた。


 出会いをさかのぼれば、二年ほど前になる。

 「葵と出会ったのは、確かここだったか…」


 彼は、初めて葵を見かけたベンチの前で立ち止まった。あの日の葵は、深くうつむき、どこか壊れそうなほどに寂しそうだった。その姿を見た時、修一は、何故かたまらなくなり、衝動的に声をかけていたのだ。

 「今日はいいお天気ですね」


 今でも、昨日のことのように鮮明に当時の情景が思い出される。あの時の葵の表情。少し驚いたような、しかし、どこか救いを求めるような瞳。そして、そこから始まった二人の関係。葵の心を癒やし、光を見せることだけを願っていた。だが、その願いは、「遠山幸樹」という男の出現によって、脆くも崩れ去った。


 修一の心は、決して穏やかではなかった。月美を失った悲しみ、そして、その元凶である男が、再び葵の人生に現れたことへの激しい怒り。そして、何よりも、葵を失ったことへの深い喪失感が、静かに、しかし確実に彼を苛んでいた。

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