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短編

スウィートな魂

 誰かの魂が落ちていた。


 歩道橋を上る時、手すりの平たい部分に心臓そっくりの形をしたそれがあり、僕に『拾って』と哀願するようにこちらを見つめているのに気がついたのだ。


「君は……、誰?」


 話しかけると、彼女は嬉しそうにぱかっと胸を開き、答えるかと思いきや、何もいわなかった。


 そんなところに放置されてあるのが可哀想で、思わず抱き上げてしまったが、僕にはわからなかった。

 魂を家に連れて帰るのは犯罪になるのだろうか? 魂とは誰かにとっての大事なものだ。そういうもののはずだ。

 それを連れ帰り、できれば自分のものにしたいと思ってしまうのは、とても重たい罪になってしまうのではないだろうか?


 しかし魂はその赤い唇を緩く尖らせると、僕にキスをせがむような表情をした。これは愛情表現に違いない。彼女は僕に飼われたがっている、そう思えた。


 僕は辺りを用心深く見回し、彼女をズボンのポケットに入れると、連れて帰った。きっと僕は彼女を幸せにし、彼女は私に幸せをくれるだろうと思って。







 ハート型の魂の飼い主となった僕は、いつの間にかすっかり可愛い女の子になっていた。

 今はインスタで五万人のフォロワーを誇る人気のニューハーフちゃんだ。


 きゅぴ!





 

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◆『500文字小説企画』企画概要◆          『500文字小説企画』作品はこちら↓ 500文字小説企画<500文字小説企画まとめ割烹はこちらへ
― 新着の感想 ―
『フュージョン!!』 僕と君が珍妙な動きで左右対称にポーズを取った。 そして、閃光。 という事だね?
……あっ、そっち?笑 魂ってどんな形をしているんでしょうね。 人によってもしかしたら違うのかも。 読みながら色々なことを想像させて頂きました。 しいなさん、ありがとうございました。
本編。 ジャスト500文字なんですが、『500文字小説企画』としては投稿されていないんですね。 もしタグの入れ漏れだとしたら……。 ポイント入れたら反則になりますので。 魂、霊魂。 ネットなんかでは…
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