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8月7日  夏休み、隣の席の女の子とデートに行きました。

「映画を見に行こう!」


俺が昨日の夜スマホで検索し続けて出した答えはこれだった。


「良いじゃん映画。何を見る?」

「今はこんなのやってるみたいだけど何か気になるものある?」


俺は和奏にスマホの画面を見せながら聞く。

しばらくスマホを眺めていた和奏は1つの映画のタイトルを指さした。


『今、後ろに。』


それは今話題の《《ホラー》》映画だった。


「これ、ホラー映画だよ?」

「知ってるよ。だから見たいんじゃん。」

「こういう時って普通、恋愛映画とかじゃないの?」

「いや、こういう時だからこそホラーでしょ。あの独特の緊張感と言い、追われるハラハラ感それに.........。」


ホラー映画の魅力を捲し立ててくるオバケと言うなんとも奇妙な光景に呆気に取られていると、


「まさか大地、ホラー映画無理な人?」

「ま、まさか、そ、そんな事ないよ。」

「そうだよね〜。男子高校生がホラー無理な訳ないよね〜。」

「あ、あぁ。よ、余裕のよっちゃんだ。」

「よし!じゃあ、決まりね。そうと決まれば出発だー!」


この時俺は強がるんじゃなかったと公開したがそれは後の祭りだった。





映画を見終わって出てきた俺たちの様子は正反対だった。


「面白かったね〜。」と満点の笑顔で映画の感想を語る和奏に対して俺は、生気を失っていた。

人気沸騰中かつ、長編なこともあり俺は最後まで耐えることは出来なかった。


近くの椅子に腰掛けて、映画館で買った飲み物を飲み心を落ち着ける。


「大地、大丈夫?」


最初は笑って弄ってきていた和奏も今は心配そうに俺を見つめてきている。


「まさか、そんなにホラーがダメだなんて思わなかったよ。映画中も本気で叫ぶんだから。」


その様子を思い出してか和奏は笑みを浮かべる。


「しょうがないだろ、怖いのは本当にダメなんだ。和奏を初めて見た時だってそうだっただろ。」

「そうだっけ?ごめんって。今日の晩御飯は大地の好きなハンバーグにしてあげるから。」


いつもならそのメニューに喜びの声をあげるところだが今だけは違った。

ハンバーグ、つまりひき肉を焼いたものに俺の頭の中で変換されて余計に気持ち悪さを増した。


「すまん、今飯の話は辞めてくれ。」

「ごめん、ごめん。」


そう言って和奏は俺が持ってきていたタオル越しに俺の背中を気が済むまで摩ってくれた。


俺の気分が良くなってからは少しぶらぶらとショッピングモールを回ってから、真っ直ぐ家に帰ってゆっくり過ごしたのだった。




――――――――――――――――



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