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8月31日 夏休み、隣の席の女の子を笑顔で送りました。

「全員、しっかり掃除しろよ~。」

「「は~い。」」


和奏との別れの最終日、クラスメイト達が安和神社に集まり、掃除をする。

地域の方たちも含めて三十人以上もいると、掃除をするのにそうは時間がかからなかった。





掃除を終えて、最後。


神社の本殿の方を向いて全員が並ぶ。

和奏は本殿の前に立ち俺たちの方を向ている。


全員が掛け声で手を合わせて、お辞儀をする。


「「ありがとうございました!」」


その言葉の直後、和奏は空高く浮上していく。

俺は流れる涙をこらえることが出来ずに、流しながら全力で和奏に向かって手を振る。見えなくなるまで。


そして、俺たちは解散となる。

クラスメイト達は何も知らずに、ただいつも通り帰っていく。

俺は別れを受け止められずに、帰らずに自分の教室に向かった。



自分の席に座り、隣の席を眺める。

思えばここから始まった。

教室の前に掛けられている時計に目を向けると、11:55を針は指していた。

あの時もちょうど、こんな時間だったな。

そう思いながら、もう一度隣の席を見て俺は固まってしまった。


「ただいま。」


そこにはさっき別れたばっかりの和奏が座っていたから。


「ん?何そんなびっくりした顔して…。」

「だって、さっき。」

「まだ、大地にお別れ言ってなかったからね。」


和奏はこっちを向いて真剣な顔で話し始めた。


「私ね。あなたとはもう一緒に居れなくなっちゃったんだけど、無理言って少しの時間だけ、大地にお別れを言いに来たの。だって泣いてばかりなんだもん。」


俺はそう言われて急いで涙を拭く。


「そんな悲しい顔しないで。私までかなしくなっちゃうから。私はもう大丈夫。寂しくなんかないよ。だから、私のことは心配しなくていいから。あなたには、新しい人と恋をしてしっかり前をむいてあなたの人生を歩いて欲しいの。」

「嫌だ。俺は和奏をずっと好きだよ。」

「ん?うん。ありがとう。私も。大好きだよ。ホントはね。…私もまだ離れたくない。あなたとやりたいことも沢山あったし、もう少しあなたの横で笑ってたかったかな。」

「だったら、まだ一緒に……。」

「でもね。もう、行かなきゃ。私は次の場所で働かなきゃいけないみたいなの。私は新しいところで、楽しくしてるから。じゃあね…行くね。」

「待ってよ。」

「今までありがとう。バイバイ」


俺が掴もうとするも、その手はすり抜けて和奏は消えてしまった。

そうして、本当の別れを迎えたのだった。



――――――――――――



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