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8月25日 夏休み、隣の席の女の子がいなくなりました。

俺はいつも通り寝て、朝いつも通り起きたつもりだった。

だが、なぜか目が覚めたのはお昼過ぎだった。

リビングに向かうも和奏の姿はなく、机の上には昨日和奏からもらったレシピノートがポツンと一つ置かれていた。


俺はなんとなくそのレシピノートを手に取り、ぱらぱらとめくって見る。

やっぱり、とっても作り込まれている。

そして、俺は昨日は見なかった一番最後のページを読んだときに固まってしまった。


『私からのプレゼントは喜んでもらえたかな。本当は直接言いたかったけど、直接は言いずらいからここで言わせてね。』


俺は急いで家を出て、和奏を探し始める。


『今まで夏休みの間、大地と一緒に生活できてとても楽しかった。』


いつもの川路、学校、神社、手当たり次第に探すも和奏の姿は見当たらい。


『栞ちゃんとも友達になれたし、私には勿体無いくらい楽しい時間だった。こんなに私が幸せになってもいいのかなって思ってた。』


栞に聞いてみても、母さんに聞いてみても分からないらしい。


『みんな私のことを信じてくれるだけじゃなくて、優しく接してくれる。優し過ぎるくらいだった。』


段々日も落ちてきて、街の明かりがぽつぽつと点灯していくにつれて、俺の焦りも加速していく。


『大地の彼女にもしてもらえてとっても嬉しかった。でも、もう私は十分幸せにしてもらった。』


そして、ついに太陽の明かりは見えなくなり月の淡い光が町を照らし始めた。


『大地にはもっとお似合いの人がいると思う。私とだと、やっぱりできないことが多すぎるよ。だから、私は大地に迷惑を掛けないように、消えようと思う。』


「和奏!和奏~!」


俺は大きな声で叫びながら、探し回る。


『勝手に決めてごめんね。じゃあね。』


結局一日中探し回っても和奏を見つけ出すことは出来なかった。

事情を説明した栞にも一緒に探してもらっていたがやはり、俺以外誰も見ることが出来ない存在を見つけるのは相当な困難だったのだ。


寝ずに探そうとしていた俺を栞は全力で止めてきて、今日は帰ることにしたが一人は寂しかったので、栞の家に泊めてもらうことになった。


「なぁ、栞。一つ聞いてもいいか?」

「何?」


俺は眠りにつく前の暗い部屋の中で栞に質問する。


「栞は俺の事、どう思ってるんだ?」

「……。」

「寝たのか?」

「好き…だよ…。でも、忘れて。大地には和奏ちゃんがいるから。」

「うん。……ごめんな。」


俺たちはそうして、眠りについたのだった。




――――――――――――



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