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8月18日 夏休み、隣の席の女の子の友達が泊まりに来ました。

今日一日は家で、テレビゲームをしたり、映画を見たりしてみんなでワイワイガヤガヤとお泊りを楽しんだ。

和奏と栞は先に風呂に入ったので、最後は俺の番だ。


「和奏、栞。お風呂上がったよ~。」


ソファーに座っている和奏と栞に声をかけるも返事がない。

聞こえなかったかな?

そう思って、もう少し近付いて、声をかけてみる。


「和奏、栞…?」


よく見ると、ソファーで座っていた彼女たちはクッションを抱きしめた格好で、寝息をたてていた。

「何この二人の光景、癒されるな~」と思いながら、彼女たちをしばらく見つめる。


和奏は可愛いのはもちろん、栞も綺麗な目鼻立ちをしている。

この俺の今の状況は羨ましがられるだろうと考えていたが、ふと我に返り、こんなとこで寝てたら風邪引いてしまうから、起こして布団に移動して寝てもらわないと。


「栞。」


和奏には触れられないため栞に、後ろから呼びかけて、肩を揺するとバランスを崩して、前に倒れそうになったために、俺は慌てて抱き留めた。

それは無意識にも抱きしめた形になってしまう。


「……ん、大地?」


その時、栞の目が覚める。


「なに?彼女いるのに、違う女の子の寝込みを襲おうとしてたの?」

「そ、そんなことしないよ。ただ、ここで寝てたら風邪ひくと思ったから。」

「そっか、そうだよね。大地は優しいね。」

「そんなことないよ。」


栞はどこか遠くを見つめてそんな言葉を言った。


「大地ならいいのに……」

「はい?」


俺がそう聞き返すと、


「いや、何でもない。忘れて。寝ぼけてただけだから。おやすみ。」


とすぐに否定して、すぐに布団のある部屋に入っていった。

俺はその彼女の背中を見送りながら、栞のさっきの言葉の意味を考える。

そんな時、和奏の目が覚める。


「大地?どうしたの?」

「あ、いや。布団で寝ないと風邪ひくから移動しな。」

「……うん。おやすみ。」


軽い会話をして和奏も布団に送った俺も眠りの準備に入るも、栞のさっきの言葉が頭の中をリピートする。


『大地ならいいのに……』


例えば、栞には好きな子が居て、その子は栞に対してすごくひどい態度をしてくるけど、どうしても嫌いになれないから、そんな言葉を言ったのか。

それとも……。


「そんなわけないか。」


俺はどれだけ考えても結論の出ないので考えることを辞めた。



――――――――――――



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