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氷上のシヴァ  作者: 天上杏
第五章 Skater 霧崎洵
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第27話 WAKE UP

 その日、トーマが初めて転倒するのを俺は目の前で見た。


 四回転サルコウでもトリプルアクセルでもない。

 何てことのないステップ中に突然、クラックに呑み込まれるように足元から崩れ落ちた。

 転倒というより、滑落かつらく


 トーマは愕然がくぜんとして、しばらく起き上がれずにいた。

 初めて氷上に這いつくばるその姿。


 確かに衝撃的ではあった。

 だが、朝霞先生と洸一さんがおろおろしながら駆け寄るのを見て、馬鹿みたいだと思った。

 転んだくらい、赤ん坊じゃないんだから一人で立つべきだ。


 あけすけに呆然とした顔が、次第に歪み出す。


 痛いか。それとも、怖いか。


 俺は拳を握りしめる。


 ……立てよ、トーマ。


 氷上は楽園じゃないんだ。


 痛みと恐怖のせめぎ合い。


 つまりは、世界そのものだ。

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