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氷上のシヴァ  作者: 天上杏
第五章 Skater 霧崎洵
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第18話 ALERT(Snooze)

 気付けば二ヶ月以上、前橋のグループレッスンを休んでいた。


 通年リンクの無い前橋FSCは、夏季は陸トレが中心になる。


 殺風景なコンクリートの壁。

 使い込まれた用具。

 薄暗い照明。

 全てが榛名はるなに劣るのに、こっちの方が俺には馴染む。


 高校生が二人抜けていた。

 汐音しおんを知っているメンバーが、また減った。


「うち、霧崎先輩が辞めたんじゃないかって凹んでました」

「辞めないよ。……ここは、俺達の原点だから」

 言ってから、ふと思い立った。


「そういえば、芝浦しばうら刀麻とうまに会った? 俺がエストニアに行ってる間に、見学に来たっていう」

「えー、そんな人いたっけ? 渚、覚えてる?」

「知らなーい」


 首をひねる。


 ……どういうことだ? 

 皆忘れてるのか? 

 あんな強烈な男を。


 俺は不審に思ったが、揃いも揃って皆怪げんな顔をするから、それ以上訊くのをやめた。

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