34 七人の少女と終わりの始まり
「あー…… あのなマスター、俺……いや私、話があるんだ……です!!」
その日、特に用事が無かったので部屋で本を読んでいたら、1号がやってきて話しかけてきた。
「どうした1号、言葉使いとか語尾とか変になってる……? 俺は、別に気にしないぞ?」
「まぁそうだよな。 うん……ちょっとここ、座るぜ?」
俺が座っていたベッドの隣に座る1号。何故か、体を密着させてきている。顔が赤く、息も荒い。
「おい……? 1号、お前、熱があるんじゃないのか!?」
「はあっ!?」
俺は1号をベッドに寝かせる。これ以上悪くなる前に治れば良いのだが……。
「い、いや、マスター、俺は元気だよ! 俺は…… げ、げん……き……ぃいい……っ!!??」
おでことおでこをくっつけて、熱を測る。
1号の顔は真っ赤になる程で、おでこもとても熱い……。
「あ、あ、そんな、近いっ……♡」
「これはいけない、ものすごく熱があるじゃないか! 寝ていなければダメだ!」
買っておいたヒエピタ的な物を急いでおでこに貼りつけた。
薬は効くのだろうか?
医者を呼ぶべきだろうか?
「あ、あ、医者は……要らないよ。ちょっと、手を繋いでいてくれ、マスター」
「……こうか?」
握った手から脈動を感じ、とても熱く火照っている肌から伝わるしっとりとした感触。手をギュッ…と握り返し、布団の中から俺の事を見つめる1号。
顔はますます赤くなり、沸騰しそうな色合いをしている。
「俺、俺な……? 多分、マスターの事が、す、す、好き、なんだよ……」
「えっ? 俺も1号の事は好きだぞ?」
一瞬、喜びに満ちた目を見せたが、両手で顔面を隠し、布団に潜り込む1号。
「ああ、知ってるよ。マスターは、俺達全員の事が好きなんだよな」
「レム姉さんの事も別に嫌いじゃないぞ? あの人の怖さは別格だが……」
「違うんだ、私の好きは……」
布団の中で、更に小声になる1号。何を言っているのか全く聞こえない。やはり調子が悪いのだろうか……。こんな時でも、俺の恐怖耐性が冷静さを取り戻させてくれる。
「俺、売店で薬買ってくるよ。ホテルに医者が居ないかも聞いてくる。寝て待っててくれ!」
がばっ!と布団から飛び出した1号が部屋から出ようとした俺に抱き着いてくる。
「待った、待った! 俺は元気だから! 全然、大丈夫だからよ!」
「そんな事言って無理してると治る物も治らなくなるぞ。横になって、水分を摂りなさい」
再び1号を横にして、冷蔵庫からスポーツ飲料水を取り出して手渡すが、視線を向けただけで飲もうとしない。
「どうした?」
「ん…… その、何だ…… 上半身を起こしてくれたほうが飲みやすいな……って思ったんだ」
「ああ、これでいいか?」
身体を抱え起こし、後ろで椅子のようになった俺に、真っ赤になってうっとりした表情の1号は体を完全に預けている……。
「あ、あああ、ああああっ…… マ、マス……ター……っ!!!」
息を荒くした1号が、そのまま俺の方向を向いて抱き付き、ゆっくりよじ登るようにして顔を近づけてくる。瞳にはハートマークが浮かんでいるような感じがして、あっ、これ……もしかして、俺……この子に貞操を狙われているのでは……? そんな、まさかなあ……??
その時、突然ドアが開き、他のモンスター女児達がなだれ込んでくる。凄い速度でバッ!と俺から離れる1号。
「マスター! 大変でちゅ! 女子中学校が……何やってたんでち?」
「1号の体調が悪そうで様子を見ていたんだが、女子中学校に何かあったのか?」
「これ、さっき届いた果たし状でぇす!」
中を確認すると、超ボトルマスター連合と名乗る団体からの手紙だった。
これから女子中学校を占拠し、女子中学生達を人質に取り、俺に敗北を要求、飲まなければ一人ずつゆっくりじっくりと辱めてやる! という身勝手な内容であり、最後には大量の記名と血判が押されていた。
「この人数はすごいわね。これだけ倒せばボトルマスターは大体居なくなるんじゃないかしら……?」
「助けに行かなくては……? ならない、のか……?」
俺は気が付いてしまった。女子中学校の女子中学生達は、転生前はボトルマスターの変態おじさん達だ。つまりこれは、変態おじさん達が変態おじさん達を捕まえて、ゆっくりじっくり辱める! という集団ガチホモ展開に他ならないのではないだろうか?
「助けに……いく?」




