15 五人の少女と混浴大浴場
とびっきりのツインテール女子中学生と化したフリフリリボンおじさんは、素っ裸の1号を見て慌てふためき、学生カバンから包帯を出して1号の胸や股間に巻きつけ、見えてはいけない部位を隠してくれた。
「だめだよ?女の子が、みんなの前で裸なんて……」
「おっ、これ、楽でいいかもしんねえ。サンキュー!」
お礼と共に若干の金銭を手渡す。暫くは暮らしていける金額だ。俺的には慈善事業のつもりなのだが、今回の女子中学生はお金の受け取りを拒むので、無理やりカバンにねじ込んでその場から追いやってしまった。
(……あー…… 汝のレベルが上がったのだが…… 我らの声を聞く気はないんだよな…… なあ汝、そこをちょっとだけでも曲げてはくれたりはしないだろうか……?)
「またとびっきりの女子中学生ちゃんを増やしたんですね! これで3人目…… おそらく解放条件の数字にはまだまだ足りませんが、ボトルマスターとして順調な滑り出しじゃあないですか?」
洗脳お姉さんが浴衣で現れて、フルーツ牛乳をごくごく飲み始めた。話を聞くと、どうやらホテルの大浴場とやらを使ってみたらしい。
「へぇ……! いいなあ大浴場。行ってみようかな……?」
「俺も行くぜ!? 風呂の途中だったから、まだまだ入りてえ!」
大浴場は浴室が男女に別れておらず、完全に混浴だということを係員に説明される。入浴客は俺と1号だけの様子。
「まぁいいか、お互い子供の身体だし」
「お、俺はァ……! いや、まったく気にしない……ぜ!!」
子供の身体…… 少なくとも俺はそう感じているが、全て麻薬による幻覚かもしれない事を忘れてはならない。が、俺は今はとにかく風呂に入りたかった。さっきのおじさんの発言で全身に冷や汗をかいたのだ。尻が無事のようで本当に良かった。
「うひょおおおっ……! でっけえなぁ……! これが大浴場かよ、たまんねー!」
言葉遣いは荒いのだが、1号の風呂マナーはしっかりしていた。かけ湯もちゃんとするし、長い髪の毛をタオルに包んで頭の上に固定している。湯船に入ると言葉少なになって、これは本当に1号か?という気分になってくる。
お湯の温度は高めで、壁には大きな山が描かれている。とても銭湯っぽい。
「なあ、解放条件とかは置いといてよ……? これから俺たち、どう暮らすんだ? 何か分かりやすい目標とかねえの?」
「うーん、早急に、なるべく早く、あのお姉さんに見させられている幻覚から逃れないといけないなぁ…… とは思ってるよ」
1号が頭上に?マークを浮かべている。
「念の為言っておくけどよ? 俺たちもミドルスコールも、幻覚とかじゃあないぞ? ほれ、試しに触ってみろ。俺、実在してるだろ?」
湯船の中で素っ裸の1号が正面にやってきて、耳の上あたりから生えている小さな角を指差し、触ってみろ! というので、遠慮なく触ってみた。
見た目からして、硬いのかな? と思っていたのだが、若干柔らかく、温かみを感じる、これまで触ったことのない感触。つい、必要以上に触ってしまう。
「んぅっ♡ あ、あれっ!?」
先端に向かって指でつまみ上げたり……! 手のひらで撫で回したり……! こねくり回したり……!
「何これっ、な……んっ!? おい、やめっ……ん! んんっ!? んんぅっ♡♡」
ま、まさか……? これは……? この明確な現実感は……!?
この世界は幻覚なんかではなく、本物なのか!?
現実の世界にこんな嘘世界を作り出すのに、どれ程の金銭と労働力を!? 俺は、こういう場合の黒幕に違いないヤバい独裁国家の名前を思い出し、全身を震わせた。これはもはや宗教や薬物などと言う小さな話ではない。何らかの国家的陰謀なのではないだろうか……!?
俺の内心を、強大な恐怖が支配していく……!
「ん! ん! だ、だめっ…… 怖っ……ん♡ ん♡ んっ♡♡♡」




