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もんもんモンスター  作者: 猪八豚
大怪物屋敷
104/150

104 怪物少女の闘争:八回戦 真実の上級女神ウル vs 踊りの上級女神ジュリ その①

 真実の上級女神ウルが登場した時は、観客席は大賑わいだった。


 どうやら幅広く人気のある神のようで、マルリリッカの時のような特殊な一部の層にだけ大人気という感じではない。


 引き連れている戦士には、素性は分からないが通常の神も居る。ボトルマスターらしき戦士は2名おり、5体のボトルモンスターを引き連れていた。


 なんとなくだが、俺達に似ている感じがする。


「うおっ、あのチーム、ヨルが居るじゃねえか! 生きてやがったな、ははっ!」

「師範も居ます……天狗のお面が凛々しいですね」

「ぶおおおっ……!? あの、隅っこで美味しそうなものを食べている同族……! あの同族は桃魔豚で、おそらく同郷でぇす……!」


 対戦相手である踊りの上級女神ジュリは、レム姉さんの知り合いなのだそうだ。大して深い仲ではないらしいのだが、レム姉さんを無能ちゃん呼ばわりしない人らしい。


「ジュリの踊りはすごいんですよ! 何しろ喋る代わりに踊る事が日常茶飯事な、踊りの上級女神ですからね! ダンシング・バニーの踊りも凄いんですが、あれを上回ったとんでもない踊りが観られますよ、きっと!」


 無能ちゃん呼ばわりしていないのではなく、踊っているので判別がつかないというオチではないのだろうか……?


 その直後、闘技場の空気が一変した。


 闘技場に現れた、踊りの上級女神ジュリだが……。何かがおかしい。具体的に何処の何がおかしいという言葉が出てこないのだが……。


 戦士は3名。全員、大きなマントで全身を隠し、仮面を被っている為、どういう戦士なのかは良くわからない。


「うーん、何か、妙に引っかかるんだよな……。以前にも同じ感覚を覚えた記憶があるんだが」

「ミライくんもですか。私も何故か、あのジュリ……見た目は完全にジュリなんですけど、なんだか違和感を感じてしまって……あの子だったら、入場の瞬間は絶対に踊り狂ってる筈なのに……!」


 観客席にも何故かざわめきが広まっている。何処かに不正があるのだろうか? 七回戦の不正があった為、偽者チェック等は厳重に行っている筈だが……?


 戦いが始まると、まずはウル側から豚人間が歩み出てきた。


「ぶおお~ん!! 我が名は魔豚ラブリー!! 豚人間の人権を守るため……」


 ラブリーが喋り終わるよりも前に、敵の3戦士から眩い光が全方向に放出される。3つの光はラブリーに向かって収束していき、次の瞬間には極太の破壊光線となって降り注いだ。


 これは、試合開始早々にラブリーが無残な姿……というより豚の丸焼きに変貌してしまう!?


「えっ? ……今のって女神ビームだよね? それも3つも……? 全員が女神って事なのかしら」


 3連女神ビームが引き起こした爆煙が消え去ると、そこにはラブリーだけでなく、ウルチーム全員が防衛態勢で集結していた。まるで、俺の仲間達のような会話をしている。


「クハハッ、俺様の腕が痺れやがるぜ! なんだ、今の派手な光線は……? とんでもねーな!」

「葉隠流防衛術だけでは防ぎきれませんでした。皆様のお力のお陰です!」

「ぼくの絶対防壁に加えて、皆の力があれば!」

「強い幸運を運ぶオイラの力……決して無駄にはならないはずだから!」

「ぶおおおお~ん! 助かりました! みなさんのお陰でぇす!!」


 ウルと戦士の女神は女神バリアを展開しており、二人のボトルマスターも装備の力を借りて何らかの防御を固めているようだ。


 だが、これほどの防御を固めていても、3発の女神ビームには強烈な威力があったのだろう。ウルチームの面々は全員が少なからず負傷しているようだ。


「女神ビームを3発同時に集中砲火するだなんて、どういう作戦なのかしら……まとめて撃ったから威力が上がるってわけでもないし、あの技って1回撃つと頭がクラクラして暫く撃てなくなるし、意外と消費が激しいから多発できないんですけど……」


 踊りの上級女神ジュリが、3人の戦士の前に歩み出てくる。


「あっ、踊るつもりですよ! ジュリが踊って、ウルチームの防衛を崩した所を狙い撃ち……」


 レム姉さんの予測は外れた。ジュリは迷わず女神ビームを放ったのだ。ジュリや戦士たちから放たれた連射できないはずの女神ビームが次々に着弾し、ウルチームの防御を削っていく……!


「くそが! ……一族の復興を願うつもりだったが、俺様ではまだ力不足なのかよ……!」

「ああ、私は、里の皆と、再び同じお櫃で……」

「も、桃魔豚のぉ、桃豚舎ぁん……」


 その後も幾度となく放たれる女神ビーム。ウルチームの戦士やモンスター達が徐々に倒れ、闘技場から姿を消していく。地面に落ちていた天狗のお面も、女神ビームに巻き込まれて消えていった。


 残ったのは上級女神ウル、戦士2名、リスっぽいしっぽが生えたモンスターだけ。


「これは、おかしいです! いくら上級女神と言っても、あの踊ることしか能のないジュリですよ!? あの戦士たちも、女神ビームをあんなに激しく連射したら、命に関わります!」


 女神ビームを乱射した戦士たちのマントは弾け飛び、その全貌が明らかとなった。


 伺い知れる限りで消耗しきった表情をしており、下着のような格好で、尻には見覚えのある謎の物体が張り付いている。踊りの上級女神ジュリの尻にも、虹色に光り輝くそれが張り付いている事が解った。


 虹色にキラキラ輝くそれは……どう見ても、あれだ。


「覇邪のタンザナイトが使ってた、洗脳魔道具じゃないのか!? 何故、あれが、こんなところで!?」

「嘘でしょう!? あれはもう、この世に存在しないはずですよ!?」

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