10 五人の少女の解放条件
「聞いての通りだ。こいつメチャやべえストーカーなんだよ……」
「はぁっ!? お、お前のような極悪モンスターが、女神を愚弄するとは!!」
顔を真っ赤にして怒り、虚空からムチを取り出すお姉さん。仕組みが全く分からない。割とすごい手品だな……?
「グハハッ!! やれるもんならやってみろ。俺らは今、このマスターの下僕なんだぜ。モンスター調教の権利が、あんたに在るとは思えねえんだけど?」
「うっ、ぐうううっ! 覚えていなさい! 転生部屋の牢屋に戻ったら…… 戻った、ら……?」
ハッ、とした顔になって、下を向いてブツブツとつぶやき始めるお姉さんを眺めながら、2号が呟く。
「やっと気が付きまちたか……もう、帰れないんですよ、あたちら全員」
「あの空間が消滅してるらしいですから、マスターが負け続けた場合……」
「ヒィンッ!? どうなっちゃうんですかぁっ??」
何を言ってるのでぇす?という顔の豚女以外は、全員が事態の深刻さに気がついてしまったようだ。そう。我々が、無理やり薬物による洗脳を受けて、あやしげな幻覚を見せられ続けているという悲惨な事実の事だろう。
「ひぃ、ひぃ、大変…!本当に戻れない……!嘘でしょ!?私、何も悪い事してないのに!?」
お顔を真っ赤にして、両手を上にあげてぴょんぴょんと飛び跳ねるお姉さん。何気にこのお姉さんも薬物洗脳の被害者なのでは…?俺の胸に新たな疑惑が浮上した。
「俺たちは昨晩話し合ったんだけどよ、こうなっちまった以上、ボトルマスターとのバトルに勝ち残りながら、解放条件を満たすしかないんだよな」
「解放条件……?」
ゴクリ…と唾を飲み込む音。解放条件とは一体…?全員の視線が様々な方向に飛び、最後は俺に集まってきた。
「解放条件……っ?」
俺は解放条件を知らない。そもそも、解放とは一体どういう事だろうか?俺の視線はお姉さんに向かい、皆の視線もお姉さんに向かう。
「えっ?解放条件……?」
ポカーンとした顔のお姉さん。オロオロした後、視線を1号に向けた。場の皆の視線が1号に集まる。1号は、手元のコップに注がれているりんごジュースをじっと見つめて、口を付けた。
「ああ、解放条件だ……っ!!」
りんごジュースを飲み、ふう……と一息つきながら、1号が呟き、全員を見渡す。
「あの……もしかして、全員知らないんじゃないでしょうか?解放条件の事……。私も知りませんけど……」
5号が突っ込みを入れた後に全員の視線を浴びて怖くなったのかプルプル震え、シュンと消えて隠れた。
「解放条件の設定……私、気絶しちゃって弄ってないから、今回は初期設定のままだと思うんだけど、そうなると、まぁ、アレな条件よ……」
「どういうアレなんだ?」
お姉さんは困った顔をしながら、答えてくれた。
「この国に無数に存在するボトルマスターを出来うる限り全て倒しまくり、女子中学生を大量に産み出して神に捧げる……だったはずです」




