表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/76

第52話 廃村のダンジョン

 レンガ作りにおいてメインといっても過言ではない作業、それは焼き入れ。数日干して余計な水分を抜いてから窯で焼けば、粘土はレンガへと生まれ変わる。


 そしてレンガを焼くために必要な物とは燃料、つまり薪だ。


「おっしゃ! 思いっきり暴れてリフレッシュするでぇ!」


「お、ケムシン今日は元気だな」


「昨日の作業は大変だったっスからね」


 俺達は薪を求めてダンジョンへとやってきていた。




~廃村のダンジョン~


区分 :ノーマル

タイプ:廃村

人数 :4名以下

難易度:☆☆☆☆




 目の前には村。木造平屋で古さと粗末さを感じさせるボロ家が並んでいた。あばら家と言っても良いかもしれない。


 このボロ家を解体して薪として持って帰るのが今回のミッションだ。必要な量は荷車満載を4つ分。なのだが……



「きゃー! 襲撃よ!」


 廃村のはずの、というかダンジョンのはずのこの村には住民が居た。村の入口に居た奴が俺達を見て一目散に逃げ出す。その姿は――


「牛が2本足で走っとる!」

「喋ったぞ!?」

「頭にリボン付けてたっスよ!」


 牛が村に逃げ込み騒がしくなる。どうやら村にはそれなりの数の人数が居るっぽい。


 俺達は村に入ってみた。そこには――


「ブヒー! 人間が入って来た!」


「豚が2本足で立っとる!」

「喋ったぞ!?」

「帽子かぶってるっスよ!」


 沢山の豚と、



「ヒヒーン! 皆逃げろー!」


「馬が2本足で立っとる!」

「喋ったぞ!?」

「スーツ着てるっスよ!」


 同じくらいの馬と、



「コケ―! コケコッコ!」


「ニワトリが2本足で立っとる!」

「いやそれは普通だろ!」

「あ、そうやったわ!」

「すごく……大きいっス」


 人間サイズのニワトリも居た。



 こちらを見てパニックになる動物達。リアル鳥獣戯画な光景に立ち尽くす俺達。


「お、男を集めろ!」

「武器! 武器持ってこい!」

「コケコッコー!」


 おっとまずい。戦える奴らが集まって来た。槍とか抱えてる奴もいる。蹄なのに随分器用に武器持ってるな。


「どないする!?」


「殲滅あるのみっスよ!」


 シリルさん血の気多いな。だが俺には1つどうしても気になる事があった。


「ちょ、ちょっと一旦ダンジョン出よう」


「了解や!」


「え、戦わないんスか?」


「いいから」


 俺たちはUターンし村を脱出した。




(マオ、あいつらってモンスターか?)


『モンスターです。間違いなく敵ですね』


(喋ってたし、なんか普通に暮らしてるっぽいんだけど……)


 俺が気がかりな点。それは彼らがマオみたいな心を持った存在かどうかである。さすがに殺人(?)は忍びない。


『あれはそう動くようプログラムされているだけですね。私のように友人が欲しいという願いから生まれた存在ではありません。おそらく転生者側の戦意を削ぐための演出でしょう』


 あ、ふーん。ってことは……


「皆、もう1回行ってみよう」


「ダンジョンにスか?」


「ええけど、なんかあるん?」


「多分だけど――」


 俺達は荷車を外に置いといて再び村へと入っていった。




「きゃー! 襲撃よ!」

「ブヒー! 人間が入って来た!」

「ヒヒーン! 皆逃げろー!」

「コケ―! コケコッコ!」


 ワ―ワーワー。騒ぐモンスター達。2度目の突入だというのに、さっきの事が無かったかのような驚きっぷりである。


「完全に1回目と同じリアクションやな」


「一気に茶番に見えてきたっス」


「本当に決まった通り動いてるだけなんだな……」


 見た目ではそうだと分からないあたりにこのダンジョンの悪意を感じる。プログラムだと気づかなかったら大半の人は躊躇してしまうだろう。なんなら俺なんかまだ躊躇しそうだし。


「お、男を集めろ!」

「武器! 武器持ってこい!」

「コケコッコー!」


 敵の戦闘員が集まって来た。俺は斧を召喚する。


「とりあえず襲い掛かってくる奴らだけ倒すか」


「まあそれでもいいっスよ」


「クワ効くやろか?」


 とりあえず戦闘態勢に入る俺達。


「人間は殺せー!」

「「「うおおおおおおおお!」」」


 こうして侵略者(おれたち)住民(モンスター)達の凄惨な戦いが始まったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ