第21話 ボスの攻略法
一旦死んで頭が冷えた転生者一同。
「あ、最後のグループも戻ってきたぞ」
「全員集合だな」
「おつかれー」
教会に百人は過密なので外へ。
「っていうかなんで俺たち死んだんだ?」
「何されたか分からなかったぞ」
「なんで先に死んでたんだ前のグループ!」
口々に喋る転生者。一斉に喋るもんだから収集が着かない。どうするんだこれ。
「注目!」
ケロンチョが台の上で声を張り上げた。司会進行を務めるつもりらしい。恥ずかしくないんだろうか。正直すげー助かるけど。
「この中に犯人が居ます!」
「「「な、なんだってー!」」」
何のだよ!? ノリいいなお前ら!
「ダラントさーん! 佐藤はじめさーん! 出て来てくださーい! あなたのボスの能力について教えてくださーい!」
そ、そうか! ボスにはそのチートを設定した転生者が居る! そいつから情報を聞き出せば攻略につながるんだ! てかさっきの言いたかっただけだろ!
どこだ! 佐藤はじめ!
シーン……
誰も名乗り出ない。もしかして不参加か?
「居ないなら仕方ありませんね。では皆さん、マップを開いてください」
マップ?
「一度挑戦したボスダンジョンにタッチすると、そこのボスのフレーバーテキストを読む事が出来ます」
おお、マジだ! 新しいウインドウが出てきた! 結構な文量だ。
「ここにボスの能力が書かれている場合もあるので、今から読み上げたいと思いまーす」
読み上げる必要あるか? 各自で読めば……んん? こ、これは!?
「佐藤はじめはどこにでも居る普通の高校二年生である。スポーツ、勉学共に並。クラスメイトとの仲は良好」
やめろケロンチョ! それ以上言ってやるな!
「だがそれは世を忍ぶ仮の姿。実は彼は裏社会に名を轟かせる暗殺異能者集団、STAMPのメンバーなのだ!」
いやもうほんと、やめて差し上げろ。
「佐藤はじめのコードネームはゼロ・ソード。気が付いた時には敵が切り伏せられている事からついた異名である。それを可能にした彼の異能は『超加速』。だがゼロの称号に込められたもう一つの意味を知る者は、STAMPメンバーでも一部しか居ない」
鬼だ! ここに鬼が居る!
「理論的にあり得ないとされる異能の複数所持! その唯一の例外が佐藤はじめ! 彼が持つもう一つの異能は『遠隔斬撃』! 距離すらも彼からすればゼロなのである!」
確かに攻略に役立つ情報だ。ケロンチョの言った通り。だがあまりにもむごい!
だってほら、ケロンチョの朗読が始まってからプルプル震えてる奴いるもん! もうみんな察してるじゃん!
「だが、最強の名を欲しいままにする佐藤はじめには、どうしても償う事が出来ない罪があった! それは前世での約束! 魔導帝国アクアホルンの姫を救えなかった大賢者としての記憶が、彼の魂に刻み込まれて――」
「やめろー! もうやめてくれーっ!!」
そうだよな。ボスって、黒歴史の塊だもんな。
旧名、佐藤はじめ。ここに悶死。
佐藤はじめ改めダラント君のこころよい協力により、ボスの能力が判明したぞ!
ダラント君が神に要求したチートは以下の通り。
・目で追えないほどの速度で移動する超加速能力
・刃物を使って遠くの物を切れる遠距離斬撃能力
・火炎極大魔法
・嘘と敵意を感じ取る能力
とにかくこれでボスの能力については分かった。俺たちはこの情報を元に作戦を立てる事になったのだった。




