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転生特典に雷魔法チートを要求したら最凶最悪のボスが誕生してしまった(詐欺)  作者: 源平氏
第一章 だから俺は生まれ変わりたいと思った
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第19話 春のボス祭り、開催!


 デップリンとホスディアが去った後。


 俺は、原っぱの上で体育座りをしていた


「はぁー……」


 ため息がそよ風と共に流れ消えていく。空は青かった。俺の心は曇天だった。



「ミョンチー、どないしたん? 元気ないな」

「……デップリンの事が、頭から離れなくてさ」


 三人がかりで追い出されたデップリン。一人とぼとぼと去っていく後姿を見て、俺はある種の同情を抱いていた。


「俺さ、デップリンを追い出すのが決まった時、少しざまあって思っちゃったんだ」

「あれを追い出したのは仕方ないで。ミョンチーのせいや無いよ」

「そうじゃないんだ、ケムシン。複数人で一人を責め立てる事に、俺はさ、優越感みたいなものを感じてたんだ。多数派である事への安心とでも言えばいいか」

「ざまあくらい俺も思ったで。それくらい普通やって」

「俺さ、中学の時いじめられてたんだ。クラス全員が俺をいじめてた。俺はなんでそんな事するんだって、自分ならそんな事はしないって、そう思ってた。自分は他の奴らとは違うって思って自分を慰めてたんだ」


 だがどうだ。多数派に回った俺は、あいつらと同じ事をしているじゃないか。


「そのクラスメイト達は正当な理由があってミョンチーをいじめてたんか? ちゃうやろ? デップリンを仲間にしなかったのは正当な判断や。自分を卑下したらあかん」

「……でも」

「でもじゃないで! 今こうしてミョンチーは心を痛めとる! 立派や! 誰でも出来る事やない! 普通は自分を正当化したがるもんや!」


 びっくりした。急に叫ぶから。


「それに、ミョンチーが優しい事くらい、今までの付き合いの中で何回も見せつけられたで。俺の事も助け出してくれたやろ?」

「ケムシン……」


 やばい、涙腺がゆるんでる。自分を肯定してくれるだけでこんなにも嬉しいなんて。


 ……ケムシンにあまり心配かけられないな。


「ありがとな、ケムシン」


 俺は上半身で助走をつけて一気に立ち上がった。


「よしっ! 取り合えず次のダンジョンについて考えるか!」

「了解や!」


 ステータスはお互い悪くないものを引く事が出来た。次はランク4に挑めるな。




 ゴーン、ゴーン……



「なんか聞こえへん?」

「聞こえるな。鐘の音かこれ?」

「町の方からやな」


 俺たちがそう言っていると、目の前にウインドウが出てきた。


「うわっ、なになに……春のイベント開催?」


 ゲームかよ!? 元からゲームみたいだけど!


「詳細は教会で説明って書いてあるで」

「行ってみるか」

「やな」



 俺たちは鐘の音に誘われて町へと入っていった。音の出どころは教会だった。クソ神父が教会のてっぺんにあるでかいベルを鳴らしていた。


「なんだなんだ?」

「イベントだと!?」

「うるせえ!」

「何事だ!?」

「なにやってるんだクソ神父!」


 教会前に行くと、すでに他の転生者たちも集まっていた。俺たちは流れるように少し離れた所に陣取る。


 クソ神父がベルに手を触れて音を消した。同時に静まり返る転生者たち。クソ神父はてっぺんから俺たちを見下ろしながら、おごそかに口を開いた。


「転生者共がゴミのようじゃ」


「死ねー!」

「ぶっ殺すぞジジイ!」

「くたばりやがれー!」


 なぜ開幕煽るんだあのクソ神父は。


 クソ神父がスッと手を上げた。今度こそ何かあるのかと黙る転生者たち。


「ルール説明」

「「「なんのだよ!?」」」


 いや多分イベントのだろうけど!


「ボスダンジョンの人数制限解除。死んでも戦闘中に復帰可能。戦闘に参加していれば戦死者でもスキルガチャの対象。ただし全滅すれば参加判定はリセット」


 え? ……えっ!?


「イベント中はボスを倒しても転生は無し。イベント中はアイデムはロストせず。倒されたボスはイベント終了まで復活せず。期間は明日のこの時間まで。ベルで合図しますぞ」


 ざわざわ、ざわざわざわ!



 え、つまりこういう事か!?


 1.ボスダンジョンも普段は最大挑戦人数が設定してあって

 2.しかも普段は死んだら途中復帰出来なくて

 3.普段は討伐後に生き残ってないとガチャが引けないというのが


 全部解除!?



「春のボス祭り開催ですぞ。Fight(ファイッ)!」


 ファイじゃねーよ! 唐突すぎて皆ざわざわしてるぞ!


「え、これもう開始なの?」

「ファイッ!」

「スキル……ガチャ……!?」

「ファイッ!」


 ……ざわざわ、ざわざわざわ!


「う、うおおおおおお!」

「ガチャだ! スキルだ!」

「ボスを倒すぞおおおおおお!」


 こうして俺たち転生者の、長い長い24時間が始まったのだった。


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