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ケンちゃん 02

 二回も鳴らないうちに「はい」ぶっきらぼうな、低い声が答えた。

「あ、けん、ケンイチくん?」

「うん……」

 誰からかかってきたか、ロクに見ずに電話に出たのか、返事は相変わらずつっけんどんだった。

 しかし、がさごそとしばらく音がしてから急に

「今どこ?」

 こう訊ねてきた。

 テンションはたいして変わっていないが、相手が誰なのか分かったようだ。

「こっちにいる、今は青沢駅前だけど。今から元白鳥行きのバスに」

「乗るな」

 鋭い声で彼はそう制す。

「駄目だ、こっちに来ちゃ。待っていられる?」

「え? う、うん」

「二十分くらいで行くから、マック分かる? 駅北の」

「分かるよ」

 確か歩いて五分くらいだ。

「そこで待ってて」

 すぐ行く、ともう一度言ったようだったが言いながらすでに電話を切ろうとしていたようだった。


 以前からあわてん坊、そして早口で自分の興味のあることだけをまくし立てるようなマイペースな少年だった。

 かなり小柄でやせっぽち、いつも連れ歩いている(というか彼が引っ張られている)妹がころんと丸い体型だったので、ふたり一組でイメージが出来上がっていて、先日会った時にまるっきり気がつかなかったのだ。


 それでも、ようやくミワは大きく息をついた。


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