記憶は眠り、真実は消えゆく
初投稿です。初めまして!浦麻良平です。
文才能力は皆無ですが、書き殴りました...
面白かったと思って貰えると幸いです。
「君は覚えてないんだね...俺達の約束の花を」
この国には『人間』と『魔法使い』という2つの種がある。基本的に、王族は人間のみで構成されているがなぜ魔法使いが居ないのかは明かされていない...。
そしてこの国の治安は隣国との良い関係で成り立っている。だが、隣国...太陽の国の現王子とその弟によってその関係が、壊されようとしている。何故そうなっているのか...それは我々の国、暁月の国の方が高い地位を持っているからだ。
太陽の国との交戦に勝つために、僕...現暁月の国王子、有栖院 茨薔薇が動かなければならないのだ。
だがどうすればいいか分からぬまま、日々をすごしている...
「王子。少し休まれては...」
茨薔薇の専属執事 時沢は、休んでいない茨薔薇を心配して声をかける。
「大丈夫だ。それよりこの前の資料は出来ているのか?出来ているなら今すぐ渡してくれ。時間が無いのだ」
茨薔薇は太陽の国との交戦に向けここの所張り詰めていた。なかなか良い作戦が思いつかず、徹夜の状態が続いている。
「ではここに置いておきますね。少しは休んでくださいよ」
そう言い残し時沢は部屋を後にした。
「俺の力じゃ無理なのか...」
そういい茨薔薇は机に伏せた。っと同時に机の上に積んであった資料が崩れ落ちた。はやり休んだ方がいいのだろうか...そう思いながら、茨薔薇は面倒くさそうにそれを拾う。拾いながら資料の中で茨薔薇は興味深いものを見つけた。『月桂樹事件』という題名のものだった。
資料には以下のように記されていた...
『XXXX年 9月20日 深夜1時
王族、使用人大量虐殺されたこの国過去最悪の事件。前国王、王妃その他使用人が大量に虐殺された。
現国王、王妃は太陽の国への偵察のため2週間程この国にはいなかったため殺されることなく、王族の血が途絶えることはなかった。
この事件の犯人は【男の魔法使い】と、死体のそばに月桂樹の花が添えられていた、という情報しか有力なものはなかった。そのためこの事件を【月桂樹事件】と記し警察での調査を進めていく。犯人は見つけ次第処刑する。
この所は王族関係者、警察幹部のみ閲覧を許可し外部へ持ち出すことを堅く禁じる。』
茨薔薇はこんな事件が前にこの国でおきていたことを知らず、震えが止まらなかった。それと共に期待が胸を横切った。
この魔法使いがいれば...
だが直ぐに考えるのを辞めた。その魔法使いは殺人鬼であり、茨薔薇の祖父母を殺した憎むべき相手なのだ。
月桂樹事件...茨薔薇にとってとても気にかかるものだった...その日から茨薔薇は月桂樹事件について調べるようになった。
茨薔薇が月桂樹事件を調べるようになって分かったことが幾つかある。まず犯行日である9月20日はこの国で暁月がのぼる日であること。そして月桂樹の花が森から毎年大量に、なくなるという事だ。
この不可解な事件は今でも解決していない。そして何故月桂樹が翌年から大量に無くなるのか...
「王子...王子!大丈夫ですか?」
時沢の声で茨薔薇は意識を戻す。
「え、あ?あぁ。大丈夫だ。」
「長寿の魔女がお見えになられましたよ。それでは」
そういえば今日は長寿の魔女との会議の日だった...と思いながら、応接室に向かう。
長寿の魔女は唯一王族と関係がある魔女だ。見た目は20代後半ぐらいだが、両親より歳上と言うのでとても驚きだ。長寿の魔女という肩書きも伊達ではないらしい。
扉を開けると長寿の魔女が座っていた。
「長寿の魔女、高野宮優香様今回はわざわざお越しくださりありがとうございます」
久しぶりの来客のため、少しばかりぎこちないような感じになってしまった。
「王子。こちらこそお招き頂きありがとうございます」
裾を持ち挨拶をした長寿の魔女。華やかなドレスの裾が落ちると共に、花びらが舞う。この部屋に入る光との共演に、見とれてしまった。
それに気づいたのか長寿の魔女は
「最近は、この様な繊細な魔法が使えるようになりましたの。もし、王子の結婚式がございましたら、花嫁様に是非かけて見たいものですわ」
と冷やかすように茨薔薇に笑いかける。
「王子もそろそろお相手を見つけたらどうです...失礼。今回はこんなことを話に来たのでは、なかったわ。一応話は時沢さんに聞いています」
場の空気が変わるのを茨薔薇は感じた。
「話が早くて助かります。今日は助言を求めるために貴方を__________」
長寿の魔女と話したものの、良い回答は貰えなかった。
茨薔薇はため息をつく。
そう言えば最近は外にも出てないなと、思い気晴らしに散歩に行くことにした。
宛もなく歩いていた、茨薔薇は気づくと森に来ていた。しかも見たことがない風景ばかり。
茨薔薇が困りながら歩いていると人影が見えた。
茨薔薇は声をかけることにした。
どうでしたでしょうか?マイペースですが、続きも読んでいただけたら幸いです。
これからもよろしくお願いします。
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