人体部品化計画
2xxx年。
人類史上、最も画期的な発明がなされた。
人体のすべての構成要素を部品化《オブジェクト化》した上で、取り外しを可能としたこの発明。
研究チームの一人に話を聴いた。
「開発の原動力になったのは何でしょうか?」
「絶対的な需要です」
「なるほど、医療の現場では、それほど逼迫していたという事ですね」
「違う、我々日本人全体の話だ」
「どういう事でしょう」
「ほぼ全ての日本人が追い詰められ、この発明を待ち望んでいたのだ!」
「はぁ」
「我々はついにやった。我々はついに成功したのだ! 祖父よりも、もっと前の時代から、ずっと待ち望んでいた……!爺ちゃん、やったよー!俺はやったんだー!!!」
「申し訳ありません、ここでインタビューを中止します」
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「いやー、マジでこのオブジェクト化って、最高だよね」
ジャブジャブ
「本当に、もうこれが無い人生なんて考えられないね」
ジャブジャブ
「俺なんか、夜寝る前に冷蔵庫に入れて、朝、キンキンに冷えたのを付けてるんだぜ」
ジャブジャブ
「あーそれわかる!」
ジャブジャブ
「本当、死んだ爺ちゃんも、いつも言ってたもんな。目を取って洗って、冷やしてからまた入れたいって」
ジャブジャブ
「うちの婆ちゃんも、よく言ってた。鼻の奥を直接水洗いしたいって」
ジャブジャブ
「「「本当に、いい時代になったよなー」」」
ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……ジャブジャブ……
今日は、こんなことばかり考えてます。