多網と夜中の語り合い
『多網と夜中の語り合い』
プールからの帰り道
二人は駄菓子屋に寄っている、多網が冬馬君にお菓子を買ってくれたのだ。
泳いだ後でお腹が空いてたからか、駄菓子屋のお菓子がいつもより美味しく感じる、泳いだあとは、毎回お腹が減った。
それにしても多網の海パンが脱げたのは笑えたな、思い出して笑ってしまう
「いやーあの白いプリプリケツは最高だった」
多網が言った「シーっ」
「分かった言わないよ」
「そう言えば多網今日はどうするの?」
「泊まる」
「やったー」冬馬君は今日も多網と一緒に過ごせる事が嬉しかった。
家に着くと正子が「二人共お風呂に入っちゃいなさい」
「はあーい」多網も頷く
お風呂の中で多網は冬馬君の肩を叩いてくる、そして自分の二の腕を出し顔を真っ赤にして力をいれた
多網がうなる「うーーーーっ」
本人的には、力コブを出し見せている様子だが、全く何も変化はない、とりあえず冬馬君は「すごい」と驚いた
多網はニッコリして満足している。
時々、冬馬君は多網の事がオラウータンに見える
「しかし多網プール面白かったね、また行こう」
多網はボソッと言った
「自分のサイズの海パンあったら」
また、あのプリケツを想像しては笑った。賑やかな風呂であった
二人は風呂からあがり
「あーっサッパリした」
多網は頭にタオルを巻いている、よく見かけるこの姿。
好きなのだろうか?このスタイル。
二人は冷蔵庫からジュースを取り出し一気飲みほす
「ぷは~っ最高だ」
途中クドイくらい思い出されるプリケツをまた思い出してはふき出しそうになった冬馬君
それ程強烈な光景。
白いケツが光に反射しプリプリプリプリ、慌てて逃げる多網の姿も滑稽だった。
程なくして隆も帰って来て、また皆での食事が始まる
冬馬君は夏休みに入ってから、誰かしら泊りに来てるこの賑やかな雰囲気が好きだった
普段は三人だが、誰かが泊まりに来て賑やかな時を一緒に過ごせるのは、やはり嬉しい。
TVでは映画がやっていたので見ている
「バックトゥザフューチャー2」が放送中
冬馬君は何度もTVでこの映画を観た事があったがTVでやってるとついついまた観てしまうのだった。
まあ、つまりは好きなのである
「多網この映画観た事ある?」
多網は頷く。
みんな知ってるんだなぁと冬馬君は思ったが、正子は全く知らないようである。
結局最後まで映画を観て、二人は冬馬君の部屋がある、二階にあがって行く。
大喜が泊まる時には、ここから布団の中での夜中じゅうの語り合いが楽しいのだが、多網はしないだろうなと冬馬君は思った。
しかし、それも分からないと思い、布団に入った後、多網に夜中じゅう語り合わないか、先に眠った方が負けと企画してみた
すると、多網はやる気満足で、むしろワクワクしているようである。
さすが多網
しかし喋る事が思いつかず、しばし沈黙
冬馬君は、ある質問を思いつく
「多網は好きな人いるの?」
返事がない
くそっ、オラウータンめもう寝たのかと冬馬君は一瞬思ったが、多網は起きていた。
顔を真っ赤にしている
これは何か掘り出し物があるかも知れない、冬馬君は思い、すかさず突っ込んだ「どんな人?」
多網がゆっくりと口を開いた
「近所の子」
多網も好きな子が居たのか、冬馬君は何だか嬉しかった
「どんな所が好きなの?」
「顔」
多網は正直だった
ここで、いきなりまさかの多網が質問する
これ以上突っ込まれたくなかったのか?
「居るのチュッチュッ?」
なんじゃ?全く訳が分からなかった。
なんだ?居るのチュッチュッって? どうやら、多網は舞い上がっているらしい。
この話題、多網には刺激が強かったのだろうか?
しかし、何故かこう言う時、多網は良く喋った
夜中に寝ないで喋るという機会など、多網には、あまりなかったから嬉しかったのかも知れない
「近所の子可愛い」
「話かけたら」
「逃げちゃった」
「多網何て言ったの?」
「顔が似てるね」
最初からあんたは強烈な事を、と冬馬君は思った
しかし話を聞いてると、その後どうやら仲良くなったらしい
冬馬君はそれを聞いて、興奮して嬉しくなっている。こーゆう話題、自分に好きな子が居る今、女子の様に盛り上がってしまう。
突然、多網が立ち上がり自分のサイフから何かを取り出した
写真である
「一緒にとった」
冬馬君は自分の目を疑った、その子の顔は多網にそっくりなのであった。
これでこの子の髪の毛が角刈りだったら多網である、なんだろう顔も似てると言っちゃ似てる気もするが、なにより雰囲気が似てるのだ。
冬馬君は笑うのをこらえていた。
確かにこれなら最初の言葉は、顔似てますねかもしれない。
以外にも話は盛り上がり時計を見ると、既に夜中の2時だった
冬馬君は段々眠くなってきたのだが、目の前には眠らない様に自分の両目を手で見開いてる多網が居るので、なかなか眠りづらいのであった。
一瞬意識が飛んだその瞬間、肩を揺さ振られ起こされるのである
年上な分、夜にも強かった
今日はラジオ体操行けないな、冬馬君が思う。
多網と夜中語り合うのも中々楽しいという事が分かった。
冬馬君は自分が寝るチャンスをつくる為、多網に何か話をしてくれと頼んだ
寝る間に誰かに話をしてもらい、それを聞きながら眠るというのが冬馬君は、とても好きだった。誰かの声を聴きながら眠る、なんだか安心ほんわかな気持ちで眠れる。
多網は何故か桃太郎の話をし始め、以外にこれが面白く冬馬君の目は覚めてゆく。
そんなことがしばらく続いていたが、ついに、二人は気づいた時には眠りについていた。
もちろん翌日はラジオ体操の時間には起きれなかったのだが。
目を覚まして下に降りると正子が困っている
「どうしたの?」
「今日夜、久しぶりの小学校の頃の友達達と会う予定があったんだけどら夜パパも仕事で帰って来られないみたいだから断ろうかと」
「ちょうど重なっちゃった」
すると多網が「僕いる大丈夫」と言った
正子はちょっと心配そうだったが
「本当に大丈夫?任せて良い?」と言いすんなり多網に任していた。
「夕飯とかは作って行くから、あっためて食べるだけだから」
「じゃあ、悪いけど多網今日もよろしく」
と言う成り行きで、子供達だけで留守番になったのだった
しかし、今はまだ誰も知らない、今夜の天気が雷で大荒れになる事を。そんな中での、子供達の留守番が始まる。




