多網とプールに行くの巻
『多網とプールに行くの巻』
夕食後、二人はお風呂に入り、今は布団の中
多網はと言うとまだ酔っていた
何故酔っているか分かるかと言うと、隣で多網ダンスを踊っているからだ。
「多網大丈夫?」
「全然大丈夫よ~」
まるで別人
今なら多網とも大喜みたいに夜中の語りが出来るんじゃないかと冬馬君は思った。
「多網は普段休みの日何してるの?」
あれっ返事がない。あの奇妙なダンスの格好のまま眠っているではないか、冬馬君も明日はラジオ体操だったのを思いだし 眠りにつくことに。
朝、目覚ましの音が鳴った「もう朝か」
多網は、何故目覚ましの音が鳴ってるのか気になって冬馬君を見ている
「ラジオ体操に行くんだよ」
「行く」
多網も行きたいようだ。
「良いよ」
二人は着替えて、さっそく出発することに。二人で行けるのは何だか嬉しい。多網は何故かおでこにタオルを巻いている
ラジオ体操に行くと、慎司を見つけた
「おーい慎司おはよう」
「彼は親戚の多網」
慎司は多網に挨拶をした「よろしく」
多網はニッコリ笑っている
ラジオ体操が始まり、みな真剣に体操している時、突然慎司が笑いだした。
多網この男は
ラジオ体操ではなく多網ダンスをしていたのだった
それを見て、冬馬君も吹き出してしまう
彼は酔ってなくても、もともとあのダンスが好きだった事を知った
ラジオ体操が終わり、慎司とも別れ 二人は家に帰って来た。
昨日とは違い多網が居るからこの時間は暇じゃないなと冬馬君は思った。
家に帰ると多網はすぐに布団に戻り、二度寝出来る喜びを噛み締めた表情を浮かべて布団に即効横たわっていた
それを見て冬馬君もそれも良いなと思い布団に再び入る、ああ二度寝出来るこの瞬間やはり良い
二人が再び目覚めたのはお昼過ぎ
冬馬君は今日は泳ぎたい気分
正子に聞いた「今日プール行かない?」
「今日は色々忙しいから無理よ」
冬馬君は少し拗ねた。
それを見兼ねたのか、ただ自分も行きたかったかは分からないが、多網は自分を指差して正子に自分が連れて行くとアピールしている
「大丈夫多網?」
多網は頷く
「じゃあよろしく頼むね」
「やったーありがとう多網」
多網は嬉しそうだった。
多網は一見変わりモノだが、優しい事を冬馬君は分かっていた。
世間の人は少し常識やらとズレている人を変人扱いしたり馬鹿にしたり噂したりするのを冬馬君は知っていた。
ただ本当の意味で、どちらが変人かは分からないものだった、社会の常識や人の目だけを気にして生きる人間、それからずれてる人間。
皆少しでも社会からはみ出さない様に無理に帳尻を合わせてる姿の方が冬馬君には奇妙に見えた。
そんな事よりも本質の所でアッタカイ人間 そういう人の方がよっぽど冬馬君は好きだった
「じゃあプールに行こう」
しかし多網がボソッと言う「水着ない」
正子が「パパの大きいかな?着てみる?」
履いてみると少し大きい気もしたが、紐できつく出来るので何とか大丈夫な様に思われた
「じゃあ出発」
プールは家からそんなに遠くはなく、歩いて15分くらいの所にある
夏休みに入って初めてのプールだと、冬馬君は嬉しかった
冬馬君はプールにさっそく入ろうと飛び込もうとする
すると、多網が急にとめ「たいそう」
準備運動をしろとの事だった。多網が以外にしっかりしてる事に驚いた
そして準備体操をして、二人はプールに突入
ひやっほー最高だ 冬馬君は心で思った、水につかった瞬間の気持ちいい事。
プールは人は居たがそんなに混んではいない
流れるプールなどもあったので、二人は持ってきた浮き輪をふくらまし、さっそく、流れるプールに向かった
多網は浮き輪の上に寝そべりご機嫌の様。最高の表情を浮かべてる
冬馬君は多網の乗る浮き輪を引っ張って遊んでいた。
2周くらいしてから多網が、冬馬君を誘って、泳ぎ専門の場所に行った。
多網はそこで「25メートル泳ぐ」と意気込んでいる
冬馬君はそれを見届ける事に、多網の顔は真剣そのもの。
多網がプールに入りいざ挑戦が始まる
多網の泳ぎ方は正直これもまた奇妙だった、クロールなのか、犬かきなのか、暫くクロールを確かにしている、だがそれが急に犬かきになったり、やっぱり変な泳ぎだった
15メートル付近で疲れ果てたらしく、足をついてしまった
上がって来た時の顔は何と言うかその、顔を真っ赤にして歯を食いしばっている
その顔が余りにもおもしろかったので吹き出しそうになった冬馬君
そこのプールには、そんなには高くないのだが飛び込み台がある
二人はそこからジャンプしようと言う事になり最初は冬馬君が挑戦する事に。高い所はそんなにも苦手ではなかった
行くぞージャンプ
「おもしろい最高だよー」多網に手を振る
次は多網、ジャンプ台に行くまでの歩き方が何だか、ぎこちない
どうやら恐いのか?
ジャンプ台の上に登ると暫く目を閉じた多網
どうやら集中してるらしい
突然目をカッと見開き
飛び込んだ ザバーンッ
「あっ!!!!」
プールの中には、彼にとってデカ過ぎたのであろう海パンが彼の身体とは全然違う所に浮いていた
周りの人はざわつきみんな見ている
多網もどうやら気づいているらしく、動けずにいた
さすがの多網も恥ずかしいのか?と冬馬君は思った
突然、またもカッと目を見開き
海パンを手に持ち、白いおしりをプリプリさせ、見た事もないスピードで一目散に更衣室にかけて行った。
それを見てる人達から、笑い声があがり冬馬君も大爆笑していた。
もちろん、彼は二度とプールには戻って来ない。
面白いプールだったと、終始冬馬君は笑いをこらえる事が出来なかった。




