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暗殺少女の理想郷  作者: 白銀悠一
第一章 異能殺し
8/129

決別

「こっちだよ、直樹君!」

「わかった!」

 

 直樹は炎に追従して全速力で走っていた。達也からの電話で、有馬という異能者が現れた事がわかったからだ。

 人の波を避けて、すいすい進む炎に対し、直樹は後れを取っていた。

 炎は直樹を案じて、所々で立ち止まる。場所が分かるのは達也と通話している炎だけだ。


「ここを右!」

 

 炎が手招き、直樹が従う。人通りが段々少なくなり、随分と走りやすくなってきた。


「心はどうなったんだ!」

 

 走りながら直樹が訊く。炎は耳に当てている携帯で達也に訊ねた。


「達也さん! 心ちゃんは!?」

『監視カメラには写っていないが……何!?』

「どうしました!?」

 

 達也の驚き混じりの声に、炎は切羽詰まる表情になる。


『奴が……有馬が車を投げやがった……。まずいぞ、避難誘導をしなければ! 現場の警察官は何をやっている!』


(車を投げただって?)

 

 直樹は走りながら考えた。異能者が何の理由もなしに車を投げるだろうか。


「炎! 何か狙って投げたんじゃないかって聞いてくれ!」

 

 炎は直樹に言われた通り、達也に伝えた。


『ああ! 反対側のマンションに向かって放り投げた! そこに狭間心がいた可能性がある! そろそろ着くぞ!』

 

 ナビゲートしていた達也が叫ぶ。直樹と炎の目に立ち並ぶマンション群と、付属する駐車場が見えた。

 見えたのはそれだけではない。怒り狂った大男……有馬も発見した。


「見つけました!」

『炎、気をつけるんだ!』

「はい!」

 

 炎は返事をすると、携帯を直樹に渡す。


「隠れてて!」

「待ってくれ……俺も!」

 

 直樹は携帯を受け取りながら、駆け出そうとした。そして、炎に止められる。


「大丈夫、今度は失敗しないから!」

 

 炎はそう言って有馬のいる駐車場へと向かった。直樹は共に向かいたい衝動に駆られたが、達也にも注意された為、黙って成り行きを見守る。


「くそ……炎……」

 

 直樹には悔しそうに唸る事しか出来ない。駐車場全体を見渡せそうな手ごろなマンションへと昇る。

 息を切らせて、階段を昇ると、炎が有馬と接触する所だった。




「有馬! 止めなさい!」

 

 炎は駐車場で暴れる有馬に向かって叫ぶ。有馬はあん? と言って炎へと目を向けた。


「テメエ、何者だ?」

「私は警察の者です! あなたを拘束する権限を持っています。大人しく……」

「すると思うか? 嬢ちゃんよ。俺達異能者が大人しくお縄にかかると? それは随分めでたい頭だ。ガキは考える事もガキだな」

「……でしょうね。じゃあ仕方ありません。異能法第24条により、あなたを拘束します!」

「やってみろガキ!」

 

 炎は地面を蹴飛ばし、跳んだ。靴の裏から火が吹き出し、そのまま加速する。有馬へ一直線だ。


「はあぁぁ!」

 

 右腕を振り上げる。拳に火の力が付加された。燃える拳で、炎は有馬へと殴りかかる。


「やっぱテメエも異能者か。随分落ちぶれてやがる。無能者に手を貸すなんてよ」

 

 炎と有馬が交差する。燃える炎の拳を有馬は素手で受け止めた。


「素手で!?」

「へへっ……だからガキだって言うんだよっ!」

 

 有馬は炎の腕を掴んで、そのまま真下へと叩きつけようとした。アスファルトで固められている駐車場は一種の凶器だ。


「ほっ!」

 

 だが、そのままやられる炎ではない。左足で有馬を蹴りつける。足を燃やす事を忘れずに。


「くおっ! ……のガキ!」

 

 避けた弾みで有馬から解放された炎は、靴底を有馬の顔へ向けたまま火を吹かせた。

 ボッ! という音と共に有馬の横顔付近に火花が散る。


「うおぉ! クソガキ!」

 

 有馬が乱暴に腕を振るう。しかし炎はそこにいない。火を吹かせたと同時に有馬から距離を取っていた。


「これで最後です!!」

 

 炎は右足を思いっきり踏込み、最大加速で有馬へと突撃する。狙いは腹部。気絶を狙っての攻撃だ。

 炎は一般的な警察官とは違う。正規の警察官ではない彼女は人を殺して事件を解決する気は毛頭なかった。

 故に威力は控えめである。先程、有馬が炎の拳を受け止められたのはその為だった。


「コンチクショウがぁ!!」

 

 有馬は右腕で地面を殴る。アスファルトに穴が空いた。そして、地面が隆起する。


「えっ!?」

 

 炎は突然生えた壁になす術もなかった。炎を纏わせた拳がアスファルトの壁に突き刺さる。


「くっ……抜けない……!!」

 

 アスファルトの壁は炎にダメージを負わせることは叶わなかったものの、炎を封じ込める事に成功した。

 有馬はゲスな表情で、炎へと近づく。


「嬢ちゃん……ただ殴るだけで俺に勝つつもりだったのか? ああん!?」

 

 有馬は恫喝すると、炎の首を掴んだ。


「うぐっ……ぁ……!!」

 

 左腕と両足で抵抗した炎だったが、首を掴まれ絞められている状態ではまともに力が入らない。ほむらの炎も消えゆく灯のように掻き消えるだけだった。

 

 苦しい。今の炎の中で強烈に渦巻く感情。

 このまま絞め殺されるのか。誰の役にも立てずに?

 いやだ。まだ死ねないんだ、私は。どうすれば……?

 

 

 ――燃や……。

 

 炎の心にどこかからか声が響く。

 途切れ途切れのそのことば。忘れかけていたそのことば。

 

 ―—燃やせ……燃やし……。



(ダメッ!)

 

 炎は心の中で叫んだ。すると、そのことばはどこかへと消えた。

 だが、消えゆくのはそれだけではない。自身の命の感覚が消えて行くのを炎は感じていた。

 薄れゆく世界。全てが遠のいていく。

 靄がかかるような不思議なかんかく。わたしは……。

 炎が耽っていた思考は、突然遮られる事になる。

 パッと、靄が晴れる。突如として世界に変化が起こる。

 炎は有馬から解放されていた。色あせていた景色が、色を取り戻す。

 その景色の中に先程はいなかった黒ずくめの少女がいる。


「こころ……ゲホッ……ちゃん……」

 

 咳き込む炎のすぐ傍に、心が立っていた。






「炎っ!!」 


 それより少し前、直樹は焦っていた。

 炎が有馬に首を絞められている。


「達也さん!」

『くそ……くそ! 今から向かう!』

 

 達也はそう言い残し電話を切った。直樹は携帯を落とし、力なく崩れ落ちる。

 自分の無力感に打ちひしがれたのだった。


「くそぉ! 何で誰も助けてやらねんだ!」

 

 他力本願というと、確かに聞こえは悪い。だが、今の直樹に炎を助ける術はなかった。

 自分が向かっても状況を悪化させるだけである。それに直樹はマンションの十五階ほどの場所にいた。今から走っても首をへし折られる炎を目の当たりにするのみである。

 それだけではなく、恐怖という感情に縛られていた。改めて理解する。連中が化け物だという事を。


「くそ! バカ野郎、動けよ俺! 何怖がってんだよ!」

 

 直樹は自分自身に喝を入れる。だが、足は全く動かない。がくがく震えているだけだった。

 

 何してんだ、目覚めが悪いんじゃなかったのか!? 情けねえぞ!!

 どれだけ自分を罵倒しても、心の中の自分は動じない。

 分かっているのだ、その罵倒は甘えであり、逃げ言葉であることを。

 そうやって、如何にも自分は助けようとしましたという風を装いたいだけであることを。


「……チクショウ……俺は最低だよ……」

 

 いつもそうだ。やるべき事から逃げて、言い訳して……。結局、全て手遅れになる。


「……手遅れになっても……動かなくちゃダメだ……」

 

 自分に言い聞かせるようにつぶやく。逃げ言葉でないと判断したのか、足が動き出した。

 ぷるぷる震えている足で、何とか立ち上がる。

 おそるおそる、直樹は眼下を見下ろした。

 そして、驚愕の声を上げる。


「狭間……心!!」

 

 心が、炎の隣に立っていた。


 

 やっと駐車場へとたどり着いた心が目にしたのは、首を絞められている草壁炎だった。

 考えるより先に身体が動く。


「デバイス起動!」

 

 本日三度目の起動である。連続使用は肉体への負荷が凄まじいのだが、心は気にしない。

 早送りされた心は、ガードレールを飛び越えて、駐車場へと躍り出る。

 首を絞めてご満悦な有馬が、軽いやけどを負ったその顔を心へと向けたのは、ユートピアの銃床による打撃が当たる直前だった。


「ぶぼぁ!!」

 

 鼻血が飛び散る。心は自分の銃と服に鼻血が付着しないよう避けた。


「テメエ……!!」

「あなたの標的は私。違う?」

 

 心は拳銃を向けて、フルオート射撃をした。消音器は移動途中に外している。威力が減衰するからである。

 有馬はなんとか避けようとするが、肩に被弾して苦悶の声を上げた。近くの車の陰に大柄な体躯をどうにか隠す。弾丸が車にボディや窓ガラスに命中する。


「それはいい選択とは言えない」

 

 心は弾幕を張りながら、周囲に目を光らせた。

 道路や物陰、マンションには人はいない。皆逃げ出している。神崎直樹を除いて。

 誰も巻き込む危険がないと判断した心は、左手を拳銃から放し、ポケットの中を探った。

 心が黒い球を取り出した瞬間、カチカチッとユートピアから音が鳴る。

 弾切れである。ロングマガジンに換装していたとはいえ、たかが三十六発、撃ちっぱなしではすぐ弾が切れる。


「はっ! ガキどもめ!」

 

 勝機と確信した有馬が車を持ち上げるのと、心が手に持つ黒い球のピンを抜くのは同時だった。


「はっ……?」

「私からの贈り物」

 

 心が有馬へと黒い弾、手榴弾を放り投げる。有馬は車を投げることもグレネードを回避することも叶わなかった。

 爆発する寸前に有馬が作り出した壁へと隠れる。爆音がし、有馬の悲鳴と、さらなる爆発音、そして、鉄の塊がアスファルトへ激突する音が聞こえた。


「暗殺……完了」

 

 心は有馬を暗殺した。




「炎ぁ!」

「なおき……くん……」

 

 顔色の悪い状態で、炎が呟く。

 直樹は駐車場へと降りていた。先程まで動かなかった足が、嘘だったかのように動いた。


「草壁……炎……神崎……直樹……。これで、確信できた……ぐっ!」

 

 心がよろめく。直樹は咄嗟に心を支えようとした。


「触るなっ!」

 

 しかし、出来なかった。心に制されたからだ。


「あなた、達は……異能、省の……エージェント……。わ、たしの……敵!」

 

 心の身体はボロボロだった。理由は単純。人体を二倍の速度で動かしたらどうなるか。正確には、心の身体の速度が二倍になったわけではない。身体能力が無理やり二倍に引き上げられたのである。

 人の身体には様々な制約がある。それはただの縛りなどではなく、自分の身体を保つ為に必要な措置だ。

 そうしないと人体が壊れてしまうから、そうなっているのだ。心の装備するデバイスは強引にその制約を解除させる。

 故に、今の彼女の肉体は、血管が千切れ、うっ血し、細胞組織のいくつかは完全に破壊されている。

 立っているのが不思議だった。心の瞳から涙がこぼれる。

 血の涙、だ。


「心……!」「心ちゃん……」

 

 直樹と炎は息を呑んだ。心はもう死んでしまうのではないか。そんな考えが二人の頭をよぎる。


「わたしを……ころしに……きた……てき! つぎは……ようしゃ……しない……」

 

 心は言葉を発するのもやっとだった。動く屍のようだ。

 直樹と炎はその後ろ姿に圧倒されて、追いかける事が出来なかった。


「私は……心ちゃんを助けに来たのに……」

 

 炎の言葉は、心に届くことはなかった。



 

 その後の事を、直樹ははっきりと覚えていない。

 パトカーが来て、達也がやってきた。憔悴している炎を背負い、直樹を乗せて病院へ車を走らせた。

 炎は特に大きなけがをしているわけではなかった。肉体的な問題ではなく精神的な問題らしい。

 事実、炎はショックを受けていた。心に駐車場で言われた言葉によって。

 病院で休ませることは難しかったので、達也は炎を自宅へと送る事にした。

 その途中で、直樹は家へ寄り、直樹は帰宅した。時刻は夜の七時を回っている。

 おかえりーと言う妹を無視して、部屋のベッドで横になる。

 ボーッと天井を見つめていた。

 疑問や疑念が渦巻いている。どうすればよかったのか、どうしてこうなったのか。

 

 俺は、結局何が出来た? 情けなく言い訳をして、全てが終わって……取り返しがつかなくなってから、現場に向かって……。

 炎は傷ついて、心もボロボロ。俺は五体満足、傷一つない。そりゃ当然だ、何もしてないんだから。

 そうさ、いつだってそう。誰かにまかせっきり。誰かがやってくれるから。俺はただ待つだけさ、誰かがやってくれるのを。そして、言うんだ、ありがとう、ご苦労さんって。労う言葉は必要だろ? そうすると、誰かはどういたしまして、っていう。喜んでんのさ。俺の言葉で。だから俺は……。俺は……。


「ふざけるなよ、チクショウ!」

 

 直樹はとても苛立っていた。この状況、世界、異能者と無能者、そして、自分。全てがむかついた。

 自分は誰かに頼まれただけだ。俺には何の責任もない。そんな事を思う自分自身をぶん殴りたくなってくる。


「なら、引き受けんじゃねーよ! そんな言い訳言うんならよ!」

 

 やるっていうなら、最後までやれよ! 直樹は近所迷惑も顧みず叫び続けた。

 

 

 ピピピピピッ! という音がする。目覚まし時計の音だ。

 直樹は、叫んでいる内に眠ってしまっていた。

 起きなければならない。今日も授業がある。だが、気分は憂鬱だった。

 学校に行きたくないという想いが直樹の心を支配している。

 どうせ炎も心も学校には行っていないだろう、たまには休む事も必要だ。直樹はそう考えて起きようとはしなかった。

 ガチャ、とドアの開く音がする。直樹は成美が起こしに来たのだろうと思い、目を開けはしなかった。


「じゃあ、お願いしまーす」

「了解! えいっ!」

「ぬぐおっ!」

 

 直樹のみぞおちに何かが乗っかった。直樹は目を開けざるを得なくなる。

 そして、赤い瞳と、目が合った。


「ほ……むら」

「えへへ、おはよう、直樹君」

 

 いつも変わらない調子の炎がそこにいた。




「シャドウ、あなたのおかげでターゲットを追跡することが出来そうだ」

 

 青髪で、女性用のスーツに身を包んだ女性が誰かと通話している。女性は右手で携帯を持ち、左手で奇妙なものを弄んでいる。

 物品自体は特筆して奇妙なものではないのだが、スーツ姿の大人びた女性の雰囲気とそれはあまりにもミスマッチだった。

 なぜなら、それは水鉄砲だからだ。透明な色の水鉄砲を、ビジネススーツを着込む女性が西部劇のガンマンのようにくるくる回している。


「大丈夫だ。これでも私は異能省の役人……きちんと任務は果たせるさ」

 

 女性は誰もおらず、シンとした室内を歩く。地下室の為、真っ暗なので、パソコンや携帯などの機器明かりが光源となっている。

 もう一つ、この部屋で一番の光源となっているものがあった。巨大なディスプレイだ。そこには一つの写真が写し出されている。


「ターゲットは、あなたが昨日捕捉した駐車場付近にいると考えられる。その付近に一つ学校があるんだ。帝聖高校……だったかな、そこにターゲットもいるだろう」

 

 音声識別……帝聖高校。女性が呟くと、ディスプレイに帝聖高校の情報が表示された。


「ふむ、ふつうの進学校みたいだ。潜入も出来そうかな」

 

 女性がプランの一つを漏らすと、電話の相手が反応する。相手の言葉を聞いて、女性は不機嫌になった。


「そんな事を言われる年でもないんだがな……。まぁ潜入は危険のようだし、やめておこう。道に迷った大学生とでもしておこう。後は接触するだけ……何?」

 

 電話相手の言葉に女性は耳を傾けた。大事な事を聞き逃すまいと言わんばかりの表情だ。


「……それは厄介だな。敵も彼女を捜索している……。いや、こちらで対処出来る。シャドウ、あなたは安心して任務に戻ってくれ。アミカブル王国の方も芳しくないのだろう? 我々にはあなたの力が必要だが、あなたに頼りっきりという訳にもいかない。じゃあ、任せてくれ」

 

 女性は電話を切り、ディスプレイに目を移す。ターゲット情報、と機械に命じた。

 パッ、と黒髪の少女が表示される。戦闘中だった為、正面からの画像ではないが、その姿と顔ははっきりと見て取れた。

 金色の拳銃を構えて、敵と対峙する少女。これは昨日ある人物が撮影した写真だ。戦闘に夢中だった彼女は写真を取られたことも、傍観者がいたことも気づいていないだろう。

 左肩に被弾して、必死に逃走を図る少女。これは約一年程前に撮られたものだ。この写真のおかげで、異能省は異能殺しが何者か把握する事が出来た。


「狭間心……逃がさないぞ、私の射撃は百発百中、だ」

 

 女性は水鉄砲を心の頭に向けて、引き金を引いた。


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